第71話 魔法の基礎練習は恋の始まり? 『魔法はイメージ』と寺子屋式魔法教室がスタート。
「ドボルジンクさま。お邪魔してもよろしいですか?」
「アルノ、社長業はひと段落かのぉ?」
「ええ、報告書は一通り決済しました。」
会議も終わり、イートインで居酒屋タイムに……。あれ?もうすぐ終業時間じゃない?
「お主の商会はコンビニをいくつ持っとるのじゃ?100や200ではないのであろ?」
「去年、国内・海外合わせて二万三千店を超えました。」
「ほぉ、二万三千店とな。想像もつかぬ数じゃの。そこに福の神のようなものが、毎日商品を届けておるのかのぉ?」
「はい。今日は代わってもらいましたが、福も担当店舗を回って、最後にこの店に配達しています。」
「報告書とは、そのすべての店の報告書ではあるまい?」
「ええ、管理本部をはじめ、各種担当部署を設けております。そこでまとめたものに最後に目を通し決済印を押す。誰でもできる仕事です。」
「兄さん、誰にでもやられたら、社員が路頭に迷います!」
「そうじゃろうのぉ。小さな鍛冶屋のわしのとこでさえ、経営というのは大変じゃ。最近は番頭と惣領弟子に任せておるで、わしの手はだいぶ離れた。で、こうして晩酌も楽しめるというものじゃ。」
「後継が決まってるんですね。羨ましい。」
「兄さんは、後継いだばかりでしょ。」
「アルノは後二百年は頑張らねばならぬじゃろうの。」
「人間の寿命、長くて百年です。父も六十を過ぎ、引退には早いと言ったんですが、無理やり跡を継がされました。」
「二万三千店の大半は父の代の実績です。」
「ほぉ、数十年でそれだけの発展を遂げたのでござるか?」
「あちらの企業、商会はそうした発展を遂げるものが数多くあります。」
「秋山先生、資金、お金と人を集めるのが事業の商会もありますよ。」
「今度詳しく、その辺りの経営について教えていただきたい。」
「ギルマス、ギルド運営の役に立ちますかね?」
「うーん、まずは単なる興味だな。」(笑)
「役に立つ時も来るかもしれませんね。」
「うむ、ギルド本部総括とかにギルマスが出世するやもしれぬしのぉ。」
「ありえないことじゃないわよね。」
「それだけのことが起こってるんだから、クロはしっかり出世するのよ。」
「あさ、ジュリエット……。」(汗)
何を言っても、返される言葉怖くて、言い返せなかったギルマスだった。
「あさ、りおん。手は空いたの?」
「さて、あさと りおん、アルノたちも手が空いたようじゃの。そろそろ魔力操作の訓練をするかのぉ。」
「「「「はーい、私たちもお願いします。」」」」
「そうね。あゆみたちも一緒だったわね。ことりと実とミナも参加しなさい。」
「エレンたちは魔力が体にたまってからね。」
「あゆみたちに教わることもええかもしれんのぉ。」
「寺子屋式ですね。」
「りおん殿、「教えることから学ぶこともある」でござるな。」
「はい。」
「まぁ、今いるのは、寝てるのだけね。顔ぶれは冒険者とギルド職員。どちらもギルマスにこき使われて、そのあと、ここにいるのね。買い物する客ももういなそうね。りおん、アルノ。手の空いてる人は見学してても良いわよね。」
「はぁ、ま、片付けしながら見学しても良いですよ。この時間だからね。」
「いいです。」
「寝てるのには、中途半端に聞かせられないから、遮音魔法かけとけばいいわよね。」
「まぁ、そのうちには鍛える奴らじゃがのぉ。」
「イートインにもお願いします。」
「では、少しだけ魔力操作の訓練を教えます。繰り返すことが大切なの。忘れないでね。魔力は使い切ると体内の容量が増えるの。」
「「「ええっ?」」」 ×生徒全員
「よく、ラノベにある魔力トレーニングって、本当だったんだ。」
「義隆、魔力操作について、知ってるの?」
「ジュリエット、多分ここにいるオタク全員知ってるよ。」
「「「はい、知ってます。」」」 ×オタク組
「「「オタクじゃないけど知ってます」」」 ×その他
「ラノベという小説に、異世界ものってジャンルがあるんです。そこには大抵、魔力は使い切ると、容量が増えるって書かれてるんです。」
「毎晩使い切って寝ろって書いてるものもあります。」
「あら、教えがいないわねぇ〜。その通りよ。」
「使い切るって、時間かかりそうですね。」
「あら、義隆なら、直ぐ終わるわよ。だって、魔力ほとんどないもの。もう少したまってからね。」
なんだか、ジュリエットと天童だと艶っぽい会話に聞こえる……。
「りおん、変な想像してない?」
「そんな記憶はございません。」
「ま、いいわ。……この間教えた魔力放出。基本はあれね。細〜い糸のように魔力を指の先から放つのよ。」
「実も細い魔力放出を覚えわよ。あさとりおんもできるでしょ。」
「先日教えてくださった、細く魔力を流すのですよね?」
「「「わたし(ぼく)もできます」」」 ×従姉妹組他
「そうね、ことりとミナと春樹と康太、カエデとあゆみも出来るわね。……じゃ、シナモンとアルノ、柳田ね。それと福の神ね。」
「えっ?ぼくも良いんですか?」
「魔素、そこそこ溜まってるわよ。」
「そうなんですか?」(嬉)
「まず、魔力操作を教えるわ。そうね、シナモンはことり、アルノは春樹、柳田は実、あさとりおんは強すぎるから、福の神は……康太で、この組み合わせで実地訓練よ。……福、一瞬、ミナって思ったでしょ。そっちが良い?」
「いえいえ、女性の手を握るんですよね。康……」
「あら、私じゃ嫌なの?」
「光栄すぎて、恥ずかしいんです。」(照)
「ジュリエット姉さま、じゃ私がやります。福の相手は私で。」
「はぁ〜」
「やっぱり嫌なの?」
「お願いします。」
「あら、そうなの?恋が芽生えても知らないわよ!」
「「ええぇっ!」」
「冗談よ。」
「冗談じゃのぉ」
「偶になくは無いでござる。が、極たまにでござるな。」
「「それ、フリ?」」
「「「フリだなぁ〜」」」
あさとりおん、鈴木兄妹、従兄妹組とことりたちが納得した。周囲も全員首是してた。
「4つ上のアラサーでいいなら、私は良いわよ。」
「えっ?」=福の神
「「「ええええぇっ」」」×他全員
「今、そうって訳じゃ無いわよ。知り合いの中で一番冒険者体型って福じゃない?対象範囲ってことよ。」
「「「ツンデレ確定?」」」 ×一同(小声)
「ミナさん、朝、切り火お願いして良いですか? 冒険者産たちが羨ましかったんです。」
「いいわよ。」(照)
「やったぁ〜 お静さんと平次親分だ!」
「『おまいさん、気をつけて』って言ってもらいわい訳ね。」
「「「あさちゃん、それなに?」」」
「銭形平次の名シーン。時代劇チャンネルでハマってるの」
「男〜とこだったぁら〜ってBGMで現場に駆けつける福でありたい。」
「りおんさん、飛ばしすぎたら危ないですから。安全運転してますよ。」
「かなり本気で意識しているミナちゃんと、オタク気質で喜んでる福の神。ちょっとすれ違ってない?」
「いいんじゃない? 良い歳の差よ。言われてみれば、体格いいわえ。福の神。」
小声で分析してる あさとシナモン。 恋バナ大好き、従姉妹とことりたちも……
「「「ミナ姉さん、応援しないとね。」」」
「「秘書課も応援します」」
「わたしも〜」
「「「あ、山野さんも秘書課だと思ってた。」」」
「あゆちゃん、カエデちゃん、意識は山野さんも秘書課よ!仲間仲間!」
「エレンちゃん、ありがと!」
「じゃ、これからは山野とエレンと緑山で秘書課組ね。」
「辞令出す?」
「「「それは遠慮しときます。」」」
「兄さん、簡単に辞令出さない。」(怒)
「さ、恋バナはここまで。ミナが真っ赤になってるわよ。福は、……わかってないわね。」
「左様でございますな。」
「出た、高級執事。名を名乗れ!」
「遊んでる大人二人は放っておいて、まずは『ファイアーフラワー』を復習ね。ちゃんとできるかしら?あさたち大人組は初めてよね。」
「「「「はい。」」」」
「じゃ、見本、実とあゆみたち、『ファイヤーフラワー』やってみなさい。」
「「「「「は〜い。」」」」」
実とことりとミナ、あゆみたちの人差し指の先からほんの1cmほどの小さな炎が打ち上がり、50cmほど頭上で10cmほどの7色のたんぽぽの花のようなふわふわな花火が上がった。
「「「わぁ、明るくなった!」」」 ×生徒一同
皆の恋の行方は……。
新たな恋の花火も間も無く上がります。
居酒屋タイム。昔、一番教会の正しい在り方は居酒屋で過ごす時間に似ているととある長老が言っていた。人を導くためにバーを営んでる神父さんもいると聞いた。調べたら休業中。行きたいと思って行けずじまいだった。まさにそんな雰囲気になっている、ファミプの居酒屋タイムです。
恋の予感がひしひしと……ジュリエットの寺子屋式魔法教室がいよいよ始まりました。皆の恋は成就するのか? 朴念仁の福の神は気づくことができるのか? ご期待ください。




