第66話 頭を抱えてたギルドとの業務提携相談会。思ったよりも大変そうだけど、大丈夫?
夕方、ギルマスとドボルジンクさまたちも揃って、ずっと懸案だったギルドとの業務委託の件について相談することに。従姉妹組四人も特別参加。だって、康太の同級生の話もあるからね。
……でも、スタッフ一杯いっぱいですけど、追加の仕事、大丈夫?
……
「では、受付業務をどうするかだな。その辺りから話そうか。」
「りおんくんに頼まれて、コンビニのスタッフを増やしましたが、それでも過重労働気味ですね。」
「鴉瑠之社長とも、もうしばらくローテーションの見直しや、サービスの見直しをしたほうが良いかと話してます。」
「大丈夫なら、開始を遅らすか、規模の縮小を提案しようかと。」
「りおん、俺が思ってたより、コンビニ業務というのは大変なものなのだなぁ。」
「コンビニはギルマスの散歩の範囲だったのか?」
「ミニスタッフとローリンは毎日の散歩範囲だったぞ」
「あ、猫のクロちゃんの時の行動範囲だったんだ。」
「春ちゃん、わたしミニスタッフの前で会って、クロちゃん撫でたことあるよ。」
「煮干しくれると思って あゆみに近づいたが、もらえなかったな。」
「あさちゃんの庭じゃないと、煮干し持ってないわよ」(笑)
「俺を撫でに出てくる店員、暇そうだったから、コンビニ出店を気軽に頼んだ。」
「あちらだと、慣れてる店員ですし、近くにコンビニがたくさん有りますから、客の数はこの店ほど多くないですね。」
「小さなスーパー並みの集客ですね。」
「スーパーってのは、植物や土を売ってる、見上げるほど大きな店のことか?」
「あ、それはホームセンター。あそこにもスーパー入ってたけど、クロちゃんは入れないもんな。」(笑)
「こことは比べられないほど、人を吸い込んで、吐き出してたぞ。……夜は土の袋の上で休憩した。」
「あれは、巨大スーパーだからね。」(汗)
「初日、通常店のオープニングセールの5倍は集客してたわね。」
「えぇ、シナモン、そんなになってたの?」
「普通のコンビニオープンで、深夜から並ぶ人、いないわよ。」
「僕もそう思って油断した。康太が偉かった。」
「イートインが居酒屋状態ってのも、ないわね。」
「普通のコンビニは、お昼のお弁当が混み合うぐらいなものですよね。」
「あと主婦とおばあちゃんのお茶会?」
「りおんくんが色々要求するから、イートインも大きくなったし調理場も大きいから、普通のコンビニでは大きなほうだよね。」
「料理好きが集まったんだもん、しょうがないよね。
……僕のイメージはサービスエリアのコンビニだし。」
「当社としては初の異世界、実験店として浅田家の判断に委ねてみたよ。」
「兄さんが言う通りなのよ。うまくいってると思うわよ。」
「ある意味、浅田夫妻の状況判断力は、予想以上でしたね。」
「柳田室長まで、急に、ほめ殺ししないでください。なろう付けますよ。」(笑)
「何のデータもないのに、かなりの精度で次の状況を予測して、対処されてましたね。」
「してた、してた。特に提携協議の時の出席者の把握、完璧だったよね。」
「まぁ、そ言うわけで、りおんさんと あささんの判断には添いたいと思うのですが、ギルマスの都合もありますよね。」
「まぁ、ダンジョンに一番近い西門にあるギルドで、今のところは何とか機能してるが、だんだん冒険者の数が増えている。」
「「「「冒険者増えてるんですか?」」」」
「ああ、北門外のスラム対策が行われると、そこからも冒険者が生まれる可能性がある。」
「だから、北門近くのコンビニにギルド機能を持って欲しいんっすよね。」
「半蔵の言うとおりだが、まだ余裕がある。……急がなくていいんだ。」
「これからは西門の方をプレオ冒険者ギルド本館、ギルド本館と呼んだほうが良いのぉ」
「ただね、受付業務はまだしも、魔物の買取・解体は一朝一夕に身につくものではないわね。」
「だから早めに準備と修行をしてもらいたいと言う意味では、急いでいるわけでござる。」
「受付業務も、さまざまな性格の冒険者に対処したりの、魔物や採取鉱物、魔石の種類、薬草まで、多種の知識がある人材を育てる必要があるのぉ。これも一朝一夕で身につくものではないでのぉ。」
「なので、西門のギルド本館から、ベテラン数名をこちらに派遣しようと思っている。」
「育ってきた中堅に権限を与え本館に残すんじゃのぉ。」
「管理職として育てる意味でも、ギルド本館にもメリットのあることゆえ、良いことでござる。」
「ギルドの依頼表交付と、報告書提出が忙しいのは、朝と夕方だけだ。それぞれ1時間半〜2時間ほどだ。」
「残りの時間は依頼者からの相談じゃのぉ。」
「これはギルドは本館から派遣した者にまずは担当させるわ。」
「最初はアシスタントとして、勉強して貰った方が良いっスね。」
「あら、半蔵なのに、わかってるじゃない?ふふふっ」
「街の清掃、薬草採取、魔物の討伐などの近場の通常依頼もあるっス。」
「冒険者の新規登録は、これはギルド本館だけの受付で良いわね。その後の講習もあるから、武道場が必要なのよ。」
「武道場、見たいです。」
「康太は、剣術をやりたいでござるか?」
「はい。居合、すごかったです。憧れます。」
「僕もやりたいけど、康太兄ちゃんは前から憧れてるよね。」
「では、二人とも、良い機会に修練を始めるでござる。」
「えぇ、これからでも良いですか? 高校生だと遅くないですか?」
「遅くもなく、早くもない。人それぞれ修練のはじめは違うでござる。」
「到達点も、早ければ高いと言うわけでもないわね。要は心がけね。」
「大人からピアノを練習した方が、上達早いって聞いたわよ。」
「子供は、習った通りしかできないけど、大人はそれまでの経験から物事を把握できるから、早いのかもしれないね。」
はてさて
「報告書を受け取ったあとはね、買取部門で魔物、鉱物、薬草、魔石、宝玉、遺物、魔道具などを買い取るのよ。で、魔物は解体部門で解体するの。」
「一人、優秀なのをこっちに寄越すでのぉ、最初は其奴等で十分じゃの。量が多い時は、マジックバックでギルド本部の解体部門に回せば良い。もともと査定結果・支払いは翌日以降と決まっておるでの。大丈夫じゃのぉ。」
「こんな感じのルーティーンなのだが、準備を始めて、良い時に稼働すると言うので、どうだろう? 無理をしてもしょうがないからな。」
「そうですね。お聞きした分には、明日からと言われると無理ですが、シミュレーションを繰り返して、お互いのアイデアを出し合って、まずは改善準備をすると言うのでどうでしょうか?」
「りおん殿は、すでに改善案をお持ちのようでござるの。」
「改善ではないですが、ひとつ提案があります。」
「「「ほぉ〜」」」
「失礼します。」
ドアをノックした後、ことりとエレンがタイミングよく食事を運んできた。会議中でも食べやすいよう、おにぎり各種とサンドイッチ、助六、コロッケと唐揚げ。これは定番。野菜スティックと白黄2色のたくあん、各種漬物。これはお好きなものをと言うことだろうか? それとドリンク、お茶や水、ジュースも持ってきた。俺たち世代の若者文化は健在だ。卵焼き、ゆで卵、冷奴は秋山先生向けかな? ちゃんと小ネギが乗って醤油がかかってる。 小ネギ商品にあったかな?
「お食事の時間ですので、お話ししながらでもつまめるものをお持ちしました。」
「取り皿をお配りしますので、お好きなものをお選びください。」
「お箸とフォークもご用意してます。カトラリーケースからお取りください。」
「ほぉ、ありがたいのぉ。」
「ことり、エレン、ありがとう。」
「かたじけない。」
「では、少し休憩がてら、いただきましょうかね。」
「人心地ついたら、会議も進めて参りましょう。」
「では、一言感謝を……。
天と地と我々を創造くださった神よ。この恵みを感謝いたします。そして、この会議にあなたが共にいてくださること感謝します。この街の者を祝福してくだされ。異世界から来た彼ら我らが同胞を祝したまえ。創造の神の御名によって祈ります。
……アルーナ」
「「「「「アルーナ」」」」」
「「「いただきます。」」」×全員
「あさ、信者じゃないけど、アルーナって、私たちも唱えていいの?」
「『本当にそう思います』って意味だから、シナモンがドボルジンク様のお祈りに共感できたら、唱えても大丈夫よ」
「じゃ、アルーナだわ。」(笑)
「次は、私も唱えさせていただきます。」
「僕もそうしよう。」
「ねぇねぇ、『それ、あるなー』って単語じゃないよね?」
「アルノ鋭い!」(笑)
「まじで?」
「どうでしょう?」(笑)
「りおちゃん、真面目に答えてあげて。神様に怒られるわよ。」
「聖なる書が書かれた言語の言葉で、その言葉と似た響きなのはたまたまだと思うでござる。」
「僕も、昔、ちょっとそう思ったから、意地悪した。すまん」(苦)
「このメンチカツおにぎりは食べ応えあるな。」
「ツナマヨも美味しいわよ。」
「天むすとネギ味噌おにぎりというのも美味しいのぉ。」
「憧れの冷奴、冷酒があると尚良いでござるが、それはのちの楽しみに。」
「後ほど、イートインで、またお出ししましょうか?」
「ことり殿、それはありがたい。お支払いするでござるので、是非是非。」
「はい、イートインでお持ちします。」
「コロッケサンドと、カツサンド、フランスパンのサンドも美味しいのぉ。」
「いろいろ楽しんでください。」
「私、ローストチキンとトマトのサンド、並べてる時から、食べたかったのよ。」
「ジュリエット姉さまがじっと見てた情報が入りました。」
「ことり、それ誰からかしら?」
「さあ?」
やっぱり隠密がいる!
「まぁ、雑談しながら食事にして、そのあと話を続けようかの。」
美味しい食事に、花が咲いて、会議は中断した。「会議の食事は踊る」
懸案だった、ギルドからの依頼。いつからスタートできるんだろう? 無理かなぁ? と悶々としていた りおん。会議を始めると意外と問題は解決しそう…?
『アルーナ』の語源、本当はどうだったんでしょうね。(笑)
※ フィクション、物語なので、『アルーナ』という賛美の言葉を造語しました。




