第64話 足立区と異世界で、曜日の表記が違いました。クレープの計算は魔物の数より難しい。
「じゃ、ギルマスが来たところで、集中会議終わります。」
急に始まった、質問と会議のひとときが終わった途端、タイミング悪く現れたギルマス。会議をしてた風を装ったりおんの悪戯です。
「嘘ですよ。いろいろ話してたら、会議みたいになって、ちょうどオチがついたところだったんです。……ギルマスが来たタイミング良すただけです。」(笑)
「明日、明後日は営業して、明々後日から二日間、コンビニはお休みが決定しました。」
「ギルマス、ギルドで告知、よろしくお願いしますね。」
「店舗の一部商品棚変更と、社員の入寮・引越し作業です。」
「まぁ、忙しかったものな。生活を整える暇もなかっただろうな。……明日、告知、掲示板に貼っとくよ」
「ギルマス、お仕事お疲れ様でした。」
「さぁ、お客様来られたから、お仕事再開よ。
康太とあゆみはレジね。ミナさんと実くん、明日の朝の分を作ってマジックバックに入れてね。少しでいいわ。イートインはエレンちゃんとカエデとことりちゃんクレープ担当しつつ交代で……。
パンは天道くんが捏ねて、春樹が焼いて。女の子とペアじゃ、ジュリエットに恨まれます(笑)。」
「あさ(怒)、お仕事のことまで、気にしませんわ。」(笑)
「残りの人は、どうしよ?」
「五日間、やりきれてないから、お客様の邪魔にならないように、店内の掃除と片付け、事務室や調理場の清掃。各自判断で、得意なとこやってください。調理とか人が足りないとこ見つけたら、入ってあげてね。」
シナモンとあさの檄が飛び、りおんの冗談で迎えられたギルマス。事情を聞いてホッとしてます。
「「明日、告知、掲示板に貼っとくよ。
明々後日から二日間、風曜日、水曜日
異世界コンビニ『戦場のコンビニファミリーストップ』臨時休業
でいいんだな。」
「はい、よろしくお願いします。」
「あれ、こっちでも火曜日、水曜日でいいの?」
「多分じゃが、週の初めの日の呼び方から、基本辞書が当てはめて訳しておるのかもしれぬの。」
「あゆみ、初めの日から順に、太陽、月、風、水、森、炎、土をあらわす言葉よ。覚えなさい。」
「太陽、月、水、土。なぜか四つは同じ意味の言葉なんですね。」
「初めの日は同じ太陽で、次が月か。四日目が水、最後が土でござるか。」
「火が風で、木が森で、金が炎。性質似たものですね。」
「ことり、確かにそうじゃの。」
「世界が違っても、自然の成り立ちは変わりなく、人の事象の捉え方も同じなのね。」
「ジュリエット姉さま、こちらの言葉の勉強がいっそう楽しみになりました。よろしく願いします。」
「「「よろしくお願いします。」」」×一同
「生徒たくさんで嬉しいわ。
義隆、かわりに私に日本語教えるのよ。いやって言わないわよね。」
「嫌なわけないです。喜んで教えます。」
「邪魔しちゃ悪いでござるから、それがしは春樹と康太に教わるでござるかな。」
「はい。僕らも、秋山様に教えてもらいたいです。」
「「「宜しくでござる」」」(笑)
「ギルマス、お時間あります?」
「俺も店長に相談がある。ドボルジンク達も居るしな。」
「こんばんわぁ」
「半蔵さん、いらっしゃいませ。」
「今日もお仕事だったんですね。お疲れ様です。」
「春樹くん、そうなんすよ、ギルマスが書類仕事手伝えって。自分のやつなのにっすよ。」
「シー。ギルマス後ろ!」(汗)
「お前のために、書類の読み方、重要なところ、教えてやってたんだろ。」(怒)
「山になってるのから、魔物の種類に分けるの、手伝ったっす。」
「書類に慣れるだろ。」
「まぁ、足し算たくさんやったっす。」
「間違えなくなったじゃないか。」
「まぁ、そうとも言えますね。」
「頑張ればできるだろ。てことで、この後の会議、お前も参加な。」
「えぇー、サリーとシシカゲの買い物が先です。美味しかったから、やっぱりみんなの分買ってきてって。言われて来たんだけど、なんだかわかります? 」
「甘くてイチゴが入った美味しいものって言ってませんでした?」
「カエデちゃん、それそれ」
「いちごのクレープですね。いくつですか?」
「メモ渡された。イチゴがお婆ちゃん、俺、子供サイズ2つ、チョコバナナが子供サイズ1個、大人1個をお願いするっす。」
「今、お作りします?」
「急いで持って帰って、渡してくるっす。俺のはこっちで食うっす。」
「じゃ、イチゴ1つ、子供二つ、チョコバナナ、大人と子供ひとつ、後でイチゴ大人一つでいいですね。」
「ギルマス、合ってます?」
「自分の家の計算は自分でしろ。片手で足りてるだろ!」
「今日の書類1枚に同じ魔物しか書いてなかったっす。」
「だからどうした?」
「今、色々買ったから、わからなくなったす。手、2本しかないっす。」
「足使っとけ!」
「あ、やってみます!…イチゴ1つ、子供2つ、チョコバナナ子供1つ、大人ひとつ。ギルマス手貸して、俺の一つ、」
「合ってるだろう。」
「合ってるっす!」
「お前、それ、ネタにして遊んだだろ!」
「「「くすっ」」」(笑)
ちょっとだけ、ことりとあかりと、春樹が笑ってあげてた。
本当に計算できなかったら、このネタ考えられないよね。
時蕎麦の冒頭ぐらいにはよく練ってる。
「半蔵、クレープは一緒に食ってこい!とんぼ返りすると子供が泣くぞ!」
「はーい!」
…
「半蔵さん、クレープできました。半蔵さんのイチゴも入ってます。」
「こちらの箱、落とさないでね。」
「ことりちゃん、あゆみちゃんありがとっす。」
「お会計、こちらでいいですよ。」
ピッ
「ありがとうござました。」
「じゃ、ギルマス、すぐ戻るっす」
「半蔵、苺を子どもが狙っとる。ゆっくり取られてこい!」(笑)
「もしかして、お孫さんに取られました?」
「アイさん、マジックバックにご家族分買ってましたね。」
「一口食べたら、孫たちに取られた」
「ギルマス、もう一つ作りますか?」
「あ、ことり大丈夫。さっき家で食べた。俺の一口は大きいから、十分だ。」
「初めの日の前日、うちの夕食早いから、今日は孫と一緒にデザートはクレープだったんだよ。あれ、うまいなぁ。王家の晩餐会でも出そうにないぞ。」
「あゆみちゃん、よかったねぇ。…喜んでもらえて、嬉しいです。」
二人で顔を見合わせて、喜んだ。
「王家の晩餐会、ミルクレープなら出せますね。」
「そんなのもあるのか?」
「美味しいですよ。」
「姫巫女の“ちゃぱてぃー”もうまそうだったから、明日が楽しみだ。」
「えっ?もうその名前になってるですか?」
「そうだと聞いたぞ。追加で買って来てと頼まれたんだった。」
「何枚必要ですか?」
「あと5枚。…お、天童、頑張ったんだってなぁ。街中で『でかした!』って褒めてたぞ」
「ありがとうございます。」
「いや、こっちがお礼言いたいよ。ジュリエットはいいやつなのに、これまで言い寄った男が酷過ぎた。」
「あら、ご心配かけましたのね。確かに、ギルマスに殴っていただいた男も、3人ほどいましたわね。」
「見た目で、噂ほど強いわけないと、高を括る男が多すぎだよな。」
なんだか、次元が違う会話。普通のOLなら、ひどい言われように泣きそうな案件なのに、ジュリエットはどこ吹く風、ほんとにそんな事だったんだろう。確かにエルフって、強くは見えないよな。
「失礼かもしれませんが、ジュリエットとギルマス、どちらが強いんですか?」
「義隆はどっちだと思う」
「夢の通りだと、ジュリエット? 見た目はギルマス? 僕はどちらにも小指で負けます。」
「訓練や試合だと、多分ジュリエットだな。」
「私が負けそうな敵には、ギルマスが勝ちますわね。」
「俺は、この街の女性を傷つける奴には、容赦ないらしいからな?」
「なぜ疑問系?」
「りおん、腹が立って、気がついたら終わってて、経過を覚えてないんだよ。」
「クイーンが襲われそうになった時は、相手は1発で、城外に飛んでましたわね。」
「あれは私で十分でしたわって、後で怒られた」(笑)
コンビニに居た男性陣、ギルマスには逆らうまい。女性には優しくしようと心に決めた。
「で、りおん、そっちの相談は?」
「あ、ギルドからの委託の件です。あちらの分室もできて来たので、気になりまして。」
「おう、なんだ、同じことか。俺もそれを相談したくてな。半蔵に分類してもらった書類も、この間の集中討伐と普段の討伐数の統計だ。持って来た。」
「では、2階の会議室で、ちょうどこちらも揃ってますし。」
訳のわからないことを質問して、今日も会議(雑談)に花が咲く。
まだまだ、決めないとダメなことだらけの異世界コンビニ『戦場のファミリーストップ』です。やっとギルドの委託をどうするか、相談が始まります。
本格的な異世界コンビニの稼働はどうなっていくのか、ブックマークをプチッとお知らせが届きます。
励みになります。感想と【★★★★★】もよろしくお願いします。




