第62話 緑茶と黒糖まんじゅうと姫巫女の幸福“ちゃぱてぃー”
「魔法で開発して、AIに移行できたら凄いことになるね。」
「世界が変わりすぎるから、やめといた方がいいわね。」
「技術移転は慎重にね。」
アルノとシナモンと春樹。春樹って、そっち系なんだ。
「難しい話は置いといて、“ちゃぱてぃー”のお味見お願いします。」
「白いのがスイーツ用の小麦粉で作ったもの、茶色のが、こちらとほぼ同じ全粒粉のものです。」
「どれ、これが噂になっとる異世界レベルの“ちゃぱてぃー”かのぉ?」
「「「「「「ええええぇ」」」」」」
「「バレたんですか?」」
「いや、この世界のものではないレベルだって意味のようでござるよ。」
「みんな、初めて食べたって言いたいのね。」
「よかったです。」
「こっちの白いのが皇女さまの“ちゃぱてぃー”じゃの。」
「「「えっ?」」」
「あの騒ぎの後、打ったのが噂の天童だと伝われば、この名前になるじゃろうの。」
「じゃ、その名前で製品にしますかね。」
「姫巫女の“ちゃぱてぃー”。字面的にはこっちね。」
「ジュリエットさまを可愛いキャラにして」
「文字が2種類あるの?」
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皇女 と 姫巫女
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「同じ意味なんですが、ニュアンスが違うんです。」
「私としては可愛い方がいいな」
「じゃ、こっち、姫巫女で。」
「じゃ姫巫女の“ちゃぱてぃー”ね。」
「こっちの質のいい小麦をあっちに運んで、製粉化して、天童の加減を機械化して、うん。製品化できるわ。」
「美味しいのができたら、二つの世界でヒット商品になるかも」
「小麦をあっちでも買い付けて、製パン工場つくれば、可能よ。」
「りおんさん、シナモン室長、社長……。これ以上は……一気には進めずに、ゆっくりやりましょうね。」
「店員・社員のストライキが始まりそうですよ。」
「「「実、春樹、ごめんね。」」」
「「「「疲れましたぁ〜」」」」(疲)
「「「そうですよねぇ〜」」」(汗)
「りおんとアルノとシナモンが揃うと、すぐに商売が動き出すのぉ。」
「良いことでござるが、下につくものは大変でござるの。」
「義隆もいるんだから、みんなのこと大切にするわよね。ね、シナモン。」
「あはは、大丈夫よね。りおんちゃん」
「責任は社長だよね。」
「ええええぇ、ここでは店長でしょ。」
「はい、トリオ漫才終わり!大丈夫です。わたしが見張ってます。」
「あさ殿に任せれば、心配ないでござるな」
ひとまず、姫巫女の“ちゃぱてぃー”の商品化はお預けとなった。
閑話休題
「話は戻るがの、この異世界のと皆が思わず言う程の“ちゃぱてぃー”はなかなかのものじゃのぉ」
「どちらもバランスが良いわね。」
「これは捏ね方にもよると思うが、一番は素材の違いじゃろう?……どうじゃ?」
「こういう技術は日本の方が遥かに優れてござるな。」
「その通りでございます。小麦の栽培……国を跨いでの流通……異物排除技術……製粉前処理……製粉技術……製粉後の不純物の除去……部位ごとの分離……と、素人の我々には理解できないレベルの技術が使われてございます。」
「「「???」」」
「りおん、そこまで緊張する会話ですの?」
「あ、薄い知識で、間違えずに説明しなきゃと思ったら、おかしなモードに……なってました。」
「疲れたら、ちゃんと休むのよ。わかってる?」
「ありがとうございます。」
「お茶、入れました。」
「あささんが入れた緑茶とコンビニの定番、黒糖まんじゅうです。」
「カエデもすっかり店員が板についたわね。最初、厨房から出てこないから、おかしな子って思ってたわ。」
「ジュリエット姉さまが強くて優しいから、人が怖くなくなりました。……姉様みたいに強い女になるのが夢になりました。」
「「戦える女性漫画家?」」
「かっこいいわね」(笑)
「ちょっと渋めのお茶じゃの。」
「では、こちらはあの甘い餡でござるか?箱根の湯治場の名物という。」
「はい。そちらは温泉まんじゅう。こちらは少し皮が硬くて、大ぶりですね。」
「「「美味しい!」」」
「私も本店でちょくちょく買って、食べるわ。脳疲労に効く気がするわよね。」
「今日のエネルギー補給にはちょうどいいね」
はてさて
「でじゃ、一度にそこまでのレベルにこちらの小麦が成長するのは無理じゃのぉ」
「街の分は販売してもらいたいでござるな。」
「まずは、全粒粉は少し価格を高くして、高級品として流通で良いわね。」
「薄力粉はさらに価格を高くして、販売。この街の商売への影響を防ごうのぉ。」
「それでも多分、創造神様への思いから、購入するものが多いでござろう。」
「その後、できそうなことから、そうじゃの、そのローラー式の臼と風による異物の除去は製粉所にやらせても良いじゃろうの。魔道具をまず開発じゃのぉ。」
「ドボルジンク、焦らないんじゃなかったの?」
「今からかかっても、一月以上はかかる。半年、1年かかるやもしれん。新しい魔法も考えねばならん。」
「細い魔力の使い方は、良いヒントになりそうでござるの。」
「あれは、魔法の効率が上がる。使い手がありそうじゃの。」
「あちらには特許という概念があります。こちらにはそういったものは?」
「ないのぉ。国が違えば、奪い放題じゃからの。」
「中立地域の弱点ですわね。」
「では、機密事項は隠す方向で考えた方がよさそうですね。」
「りおんくん、ローラーの構造はしょうがないとして、動かし方や魔法は暗号化ってこと?」
「うん。魔法も暗号化できるといいんだけど。その辺の技術、システムの人からなんとかならないかなぁ?」
「あ、なってるかも。」
「そういえば、ドボルジンク様のお弟子さんたちと、冒険者Payを作った時に、個人情報のやり取りの際に、暗号化してたね。」
「社長、ちゃんと把握して、偉いね。」
「褒められた!」(汗)
「そういえば、魔法の暗号化ができましたと、あやつらが報告してきたのぉ。だが、やり取りのデータ部分だけじゃったのぉ。」
「難しいことはわからないので、お弟子さんたちとシステムの人間を含めて、またドボルジンク様。研究をお願いします。」
「まぁ、面白そうな研究じゃ。少し時間をかけてもやるべきじゃろうの」
「では、小麦は当面ファミプの商品を高め設定で販売でいいわね。」
「ドボルジンク殿を中心にとりあえず魔法製粉機と魔法選別機の開発開始でござるな。」
「そうじゃ、天童、姫巫女の“ちゃぱてぃー”は、来週も手作り商品として作れるかのう。あれは聖餐式に良いものじゃの。きっとあれが良いと思うものが出てくる。」
「そうね、口当たりが良くて、押し付けがましい味がないのがいいわ。」
「儀式の食べ物。口当たりが良く、主張が少ないのが良いでござる。」
「売れ行きが良ければ、それも無理になろうが、しばらくは天童の手作りが良いのぉ。魔力も込められておった。二日目にして、大したものじゃ。」
「ドボルジンク様。不祥天童義隆。心を込めて、毎週、手作りいたします。店長の許可をいただきたいです。」
「あら、かっこいい。天童くん、頑張ってくれるなら、しばらくと言わず、よろしくね。」
「あさ、軽すぎ。天童くん、無理しないでできた量の販売でいいから。」
「薄力粉と全粒粉、姫巫女の“ちゃぱてぃー”の3商品。定価、計算しますね。」
「シナモン、よろしくね。」
「りおん店長のわがまま聞いといてよかったよね。柳田さん。」
「えっ?」
「全粒粉の販売と、大縄跳びの販売」
「そうでしたね。」(笑)
もうすぐ、夜のお客様。今夜のイートインはどうなることやら?
ここまでお読みいただきありがとうございました!
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※このページの投稿準備してたら、たまたま買ってきてくれたので、黒糖まんじゅうパチリとして挿絵にしてみました。




