第60話 “ちゃぱてぃー”嵐の後には、穏やかで静かな時間が訪れます。
30分ぐらいして、あさとシナモンは戻って来た。
昼食組はもう少し休憩。春樹と康太は元気に大縄跳びに加わってた。
「お帰りぃ。どうだった?」
「インカム聞いてたんでしょ。」
「まぁね。」(笑)
「天童くんの描いたジュリエットさまが評判で、売って売っての連呼。」
「最初は渋ってたジュリエット……も」
「……様とらなきゃね。……」(汗)
「根負けして りおんに相談するって言ってたわよ。」
「相談されてもねぇ、本音は売りたく無いんじゃ無い?」
「あれじゃないのなら、いいのかも。」
「あれは、私も自分だったら、二人だけのものにしたいわね。」
「その線で、相談に乗っておきましょう。」
「午後は、皆さんこちらに来られますかね。」
「それよ。幸福のクレープ食べたいって。大騒ぎ。」
「ジュリエットさまもそれは喜んで作るって。天童くんが焼き係。」
「クレープ機のことも噂になって、“ちゃぱてぃー”の材料買おうかなとか言ってたわよ。」
「白い粉買おうかなとか、私も焼いて帰りたい。とかも色々話してたわね。」
「天童の“ちゃぱてぃー”を買って帰りたいってのも居たわね。」
「クレープがある程度貯まったら、捏ねてもらおう。短時間の白い方だけね。」
「少し追加注文したほうがいい?」
「福に往復頼む?」
「なんだか働き詰めで気の毒ね」
「今日、国道父がルートよね。」
「もう、いきなりこっちに来させちゃうの?」
「柳田さんと兄貴に相談ね。」
「シナモンさん、クレープ生地これでいい?」
「あさちゃん、急がないとママさんたち来ない?」
「大丈夫よ。まだ盛り上がってた。」
「そ、チャパティ、これでいいの?」
「焼き方はOKよ。でも、“ちゃぱてぃー”、チャパティじゃないの。」
「チャぱてぃー?」
「“ちゃぱてぃー”平たく最後が伸びるの」
「ジュリエットたちって、チャパティだと別のものに思っちゃうんだって。言葉って難しいわね。」
「翻訳魔法も、区別してたのよ。賢いのかどうか、微妙よね。」(笑)
「そうだ、この看板もお客さん、共通語に見えるようになったんだって。」
「カエデちゃん、それ、すごいじゃん」
「どういう原理かは、またねって」
「「「「絶対教えてもらおう!」」」」
「ミナさんも知りたいでしょ」
「うん知りたいかな?」
「どうしたの?」
「ちょっとジュリエットさまが羨ましくて。」
「わかるぅ〜」
「シナモン先輩も?」
「「独身同士、アドバイスを…」ってちょっとカチンと来たけど、まぁ、百年待った告白に免じて、祝福の気持ちを勝たせておいたわ。」(シー)
「ジュリエットがごめんにゃ。悪気はないんだよ。年齢感覚がねぇ…。」
ちょうど入って来たエリーが代わりに謝ってた。
怒って、どうこうするつもりはないから、笑って許してたシナモン……。
「百年に比べりゃ、人間の恋愛期間なんて、短いね」(笑)
「わたしも頑張る。先輩、お先に失礼するかも!」
「ミナ〜ぁ(怒)」(笑)
輪の中で、ジュリエットがごめんて顔をしてた。あそこから聞こえてたのかな? 耳長いからなぁ〜。
その後、ジュリエットと天童くんで試食の“幸福のクレープ”を焼き、新しくクレープを食べたママたちが、“ちゃぱてぃー”も試食、午前と同じく、白い“ちゃぱてぃー”を買って帰る人、材料だけ買って帰る人、クレープ機を使って焼いて帰る人、それぞれだった。
全員が自分と子どものクレープを買って帰ったのはいうまでもない。パパの分も買って帰ったママも少なくなかった。パパ、食べたかったのね。試食も食べればよかったのに…。メンツかな? 幾人かは試食に並んでた。女性と並ぶのに抵抗あるのかな?
途中からクレープは、売れ行きのバランスがわかったから3種類作り続けて、欲しいものを選んでもらった。
よく見てると、ママは自分の分を持って、輪の中へ。パパは縄跳びに興じる子ども達を眺めつつ、順番待ちの間に一緒にクレープを食べていた。食べるんだ!(笑)
「追加の注文、しなくてもいいかな?」
「どうしよ?」
「子供連れのママって、夕方以降は来ないよね。」
「クレープも“ちゃぱてぃー”も足りそうじゃない?」
「売り切れたら、ごめんなさいにしようかと…。」
「そうよね。シナモン、どう思う?」
「みんな、疲れてるから、夕方は試食コーナー撤去でも良くない?」
「イートイン、増やせるしね。」
「小さく、屋台だけ一つずつ残して、規模縮少。交代で作る?」
「噂聞いて、くる人いたら、かわいそうだしね。」
「それでいいよね。」
「じゃ、全員で交代しながら、あと少し、夕方まで頑張りましょう。」
「「「「「「「おう!」」」」」」」(小声で頼りなく)
はてさて
「あ、ご飯食べてない!」
「「食べてない!」」
「「「休憩入りま〜す」」」
「秋山先生、ドボルジンクさま、ごゆっくり」
「お疲れじゃの、わしらもしばらくゆるりとのぉ」
「ジュリエットの騒ぎが治るのを待つでござる」(笑)
あさとシナモンはりおんは昼食忘れてた。さっきジュリエットに持って行ったママ、抱えてママ友連合に聞き耳を立ててしまった。そのまま広場のベンチで大縄跳びを眺めながらのお弁当を広げた。
「「たまにはこういうのも有りね」」
「いい広場だね」
今も続く天童とジュリエットの婚約会見(笑)を横目に見ながら、パステルピンクの幸せな風を感じた。
……
「やっとのんびりしてるけどさ、大都会東京の僕としては都会の喧騒を離れて、プレオのゆったりほのぼのした時間を過ごしたかったのに、なんでこんなに忙しい5日間を過ごしてるの?責任者出てこぉ〜い。」
「はい、私でしょうか?でも、ここの所有者はりおんくんですよね。」
「兄さん、レジは?」
「少しは見学させてよ。柳田さんだけで大丈夫そうだった。」
「ママさんたち、イートインだし、お父さんたちは座敷だし。」
「レジ空いてたわね。」
「で、責任者はりおんくんでいいですよね。」
「せめて連帯責任ですよね。社長!」
「ま、そうともいう!」(笑)
「天童の告白、すごかったですねぇ。」
「ジュリエット、もう、乙女になってるわよね。」
「見てよあれ、ほぼ婚約会見よ。」
「カメラ回せたら、バズるの間違いなしよね。」
「ドボルジンクさまに頼んで作ってもらう?」
「ほぉ、何か面白そうなものを作れという話しかのぉ」
「あ、ドボルジンクさま、秋山先生も。」
「ここ、どうぞ。」(薄桃)
「秋山さん、そちらへ、わしは若い女性の隣に座ると、家内に嫉妬されるでのぉ。」
「そうでござるか?では、シナモン殿、となり、失礼するでござる。」
「はい、ご遠慮なく。お稲荷一ついかがですか?」(赤)
「忝いが、シナモン殿の昼食でござるよな。」
「こうしてお裾分けできるのが、助六の良いところです。どうぞ」
「では、一つ。忝い。……凛とした女性にいただくと、心地よい風を感じて、うまいでござるな。」
「えっ」(真紅)
「ねぇ、ねぇ」(桃)
「しー」(微桃)
「春が来ると兄も嬉しい。」(笑顔)
「で、なんの悪巧みをしておったのじゃ。」
「あ、その話しでしたね。」(笑)
「私たちの道具で、薄ガラスを通して見ている風景を記録して、動く絵のように再現する道具があるんです。」
「あの二人の風景を記録して、みんなに見せたら、「何億人にも見られるだろうな!」って話してたんです。」
「ほぉ、何億かのぉ!絵を見るのに、そんなに集まれるのかのぉ?」
「いえいえ、それぞれの家のガラスの板に絵が映されるのです。」
「それは、リオンが座敷の横で使ってた、あの魔道具かのぉ?」
「そうです。あれでも重たいですけど、撮れますが、秘密保持魔法で記録ができません。」
「そういえば、どのようなものでも、こちらの記憶は持っていけぬようにしたのぉ。その機械もそう判断されたのじゃの。」
「カエデのスケッチブックは持って帰れますかね?」
「どうじゃろうの?今度試してみてくれるかのぉ」
「わかりました。伝えておきます。」
「いつか、そんな魔道具も作ってみたいもんじゃのぉ」
「ドボルジンク殿なら、作れるでござろうの。楽しみにしておるでござる。」
やっぱり、外では地球文明の危機の話はやめておいた方がいいな。聞かれたのがお二人でよかった。(汗)
結婚式で、花婿の友人にうっとりすることありますよね。大概雰囲気に当てられて、気の迷いとかってことが多いらしいですけど、シナモンはどうなんでしょう?剣客でS級冒険者。スタイルは良くないわけない。顔は、まぁ声聞いてたら、良さそうですよね。
「シナモンの恋も実ってほしな。」と思った方は、いいねと感想を。この続きが見たいなという方は、ブックマークをお願いします。
そういえば60話です。50話はいつの間にか通過してしまってました。
読者さんがいて、ここまできました。ありがとうございます。
いつも最新話を追っかけてくださってる方、ありがとうございます。今もストックはあります。この後も続けていきますので、これからもよろしくお願いします。
最近、自分で読み直して、1話から修正していってます。改行とかを増やすのが中心ですが、一人で長く喋ってるセリフを、複数で分けたりして、読みやすくなってます。良い機会に、また読んでみてくださいね。でも、続きを優先してくださる方が嬉しいです。うーん、こういう長いのが読みにくいって思って、直してるに……。後書きなので、ご勘弁を。
でも、最新話あたりを読み直しても、修正したくなるところ、少ないんです。ないとは言いません。安定してきたってことですかね?自分の判断なので、間違ってるかも。ま、頑張って書きます。
61話もお楽しみに。




