第48話 協定締結祝賀会(転)〜大人の秘密は内緒の話。七色の魔法の花は若さの輝き〜
現代日本に密偵として生きる隠密の子孫とプレオの街に住む服部半蔵の弟子の子孫が相見えた、協定締結祝賀会。魔法の世界の宴会芸、ちょっと楽しみで、ドキドキしませんか?
「福くん、飲んで…あんまり飲んじゃダメなのよね。食べてる?」
「あささん、大丈夫です。明日は柳田さんです。」
「えっ? 柳田さん、最初からずっと、どぶろくのお椀持ってたわよ。」
「あささん、大丈夫です。室長のお椀の中身はドリンクヨーグルトです。」
「本当?」
「ほら、柳田さん、…千鳥足です。」(汗)
「国道くんは?…」
「あれも酔ってますねぇ〜」
「ごめんね、責任者にさせちゃったから、飲めてないわよね。」
「はい、乾杯の一口だけです。挨拶と、空いたお皿を確認してたので、これから飲むところでした。」
「明日、1日頑張れる?」
「あ、元気は元気ですよ!問題ないです。休めると思ってたから、悲しいだけです。」(涙)
「福くん、いい子ねぇ〜。飲んで飲んで…。」
「はい。コーラ、一気飲みしま〜す。」
「無理しないでね。…」
気の毒に思いつつ、少しずつ離れていくあさなのであった。
「あさ、どうしたの?」
「柳田さん、どぶろく飲まされてた?」
「うん、アルノとドボルジンク様が注ぎまくってた。アルノは明日に備えて、控えてるみたい。」
「それでか。柳田さん、明日は配送担当だったの。」
「福くんの目が死んでるのは、それでか。」
「体調はいいから、大丈夫って。…余計気の毒に思ったから、置いてきた。」
「懸命なご判断かと。」(笑)
「あゆみパパとあさちゃんのお姉さん、飲んでますか? ファミプのオードブルやサンドイッチ、おにぎりも美味しいでしょ?」
「このおにぎり、美味しいです。お昼にもカエデが買ってきてくれました。」
「アルノ社長。子供たちと、あさたちがお世話になってます。挨拶遅れてすみません。」
「僕の方こそ、早めにこっちに来れなくて、すみません。」
「春樹くんの事件の時は、心配したでしょ? すみませんでした。」
「いえいえ、春樹もうちの子たちも、守ってくださってて、ありがたいです。」
「あゆみも楽しそうですし、康太もしっかりして、カエデなんてあんなにみなさんに囲まれて、平気に楽しんでるなんて。ここ5年、無かったんです。」(涙)
「本当、いろいろあって、心配してたんですけど、兄妹同士は仲良いので、子供たちに頼ってばかりで、クロちゃんに給食のパンあげて、隠してたなんて、さっきまで知りませんでした。」
「子どもたちって、思いがけないアイデアで、対処してたんですね。」
「って言うか、今も小学校って、休んだ子どものコッペパン、持って帰らせるのね。」
「うちの学区、昭和なのかしら?」(笑)
「あさとりおんちゃんが、「うちの近所、きっと昭和よ。午後から隣の公園で子どもの声が絶えないもの」って自慢してました。」
「そうね、あそこの公園、時間帯で子どもの年齢が変わって、最後は高校生ね。」
「うちの子たちも、ずっと公園で遊んで、あさにおやつもらいに行ってたみたいよ。」
「だから、あの子達、バイトに誘ってくれたんだと思う。」
「二人にとっては可愛い子たちなのよね。家出してきて住み着いた春樹もね。」
「「家出してきた?」」(驚)
「そうなんです。中1の夏休みに入ってすぐ、りおちゃぁ〜んってやって来て。笑いながら家出して来たって。今日から泊めてって。りおんくんとあさも躊躇せず良いよって!あの子たち軽すぎるって思うでしょ。…浅田の家って、いつもそんな感じだから、あゆみから聞いた時は驚いちゃった。」
「「そりゃ、驚くわ(ね)」」
「でも、あさからよく聞いたら、単純な話だったの。」
「りおんくんのお兄さん、春樹の父親から春樹が新幹線に乗ってる間に事情説明。親子喧嘩じゃないから、夏休み、泊めてやってくれって。」
「学校に行ける雰囲気じゃないから、康太がいる学校に転校させたいって。逃亡みたいだけど、逃げ場があるんなら、頼みたいって。」
「りおちゃん、いつも言ってたらしいの。逃げ場になるから、もし子どもが学校嫌ならうちに来させろって。死なれたりしたら、辛いって。話してたんですって。」
「今、あそこで、ケラケラ笑ってるから、俺もほっとしてます。」
「カエデも昼間、ちょくちょく、あさのところに行って、りおんくんからiMax の使い方教えてもらったり、あさたちの料理動画の撮影手伝ったり、公園でスケッチしたりで、部屋に引き込まらなかったの。変わった叔母夫婦がいてくれて、ありがたかったわ。」
「あ、二人にも、お二人に話したということ、内緒にしてくださいね。ふふ、今日は内緒の多い日ですね。」
「二人には悪いけど、秘密の共有って、俺も何だか、楽しい。」
「ドボルジンク様のお話、ちょっとわかる気がします。」
「心に刻んだ言葉が人を成長させるってお話。内緒話もお互いに共有するから、大切なものとして、子ども達を見つめられるわ。大切なお宝、お預かりします。」
「よろしくお願いします。」
「兄さんもよ。」
「そうだね。…子どもたちが見てるよ」
「「シナモンさ〜ん、ママぁ〜。こっち来てぇ!」」
「あゆみ、カエデ、何々?」
「実くん、やってみて!」
「えぇ〜、観客増やさないでよ。」
「もしかして、実、火の魔法? …見せて見せて。」
「シナモンさん、実くんも魔法使えるの?」
「使えるのか?」
「ファイヤーフラワー」
実の人差し指の先からほんの1cmほどの小さな炎が打ち上がり、50cmほど頭上で10cmほどの花火が広がった。黄色でたんぽぽの花のようなふわふわな花火が上がった。
ジュリエットが「ほら、できたでしょ!」とご満悦だった。
続いて、従兄妹組4人の人差し指の先に、たんぽぽの綿毛のような小さな火の玉が、輝いていた。
「魔法習いたいって、ジュリエット様にお願いしたら、じゃ実践って。教えてくれたの。」
「さっきの鬨の声で、魔法の通り道ができておったからのぉ。多分出来るじゃろうとは思っておったが、早かったのぉ。毎日ここで働いて、魔素もたくさん吸収しておったのじゃろうのぉ。」
「ことりちゃんとミナさんも来てぇ〜」
「あゆみちゃん、すごいわね。」
「ジュリエット様が、きっと二人もできるって。」
「「本当?やりたい!」」
「福の神は、あと数日だの。焦るでないぞ」
「ドボルジンク様に、福の神って呼ばれると、もう、そうだ思うようになっちゃうよ。」(笑)
「本物にはなれぬが、創造神の福の加護はいただけるやも知れぬの。精進じゃ。」
「はい!」
「えぇとね。まず、手を貸して。私とカエデちゃんが2人に向けて迎えの魔法の糸を送るから、細〜い魔法が肩から腕の中を流れていくイメージ。蜘蛛の細い糸か、絹糸が輝いて伸びていくイメージでそれに繋げて。そのまま指先まで伸ばしてね。」
あゆみがミナさんの、カエデがことりちゃんの手を取って、魔法を流し込んでいる。まるで二人の中にある細い魔法の糸を探すように…。
「「あ、なんか見えた!あゆみちゃんの魔法の糸が私の糸を連れて行ってくれる。」」
「「すごいでしょ。…ジュリエット姉様、これであってる?」」
「とても上手くできてるわよ。私がやった通りね。」
「「じゃ、ミナさんとことりちゃん、そのまま魔力を指先から放出して。スーと糸をまっすぐ飛ばすイメージ。早くじゃなくて、ゆっくりね。釣り糸を飛ばすよりゆっくりだって。」」
「「こんな感じ?」」
二人の指先から白い糸がゆるりと伸びて行くのが、りおんとあさには確かに見えた。
「りおん、あさ、白い糸が見えてたでしょ。目が追ってたわよ。」
「ジュリエット様。見えました。」
「二人もやってみなさい。」
「「はい!」」
2人からは導き手も無しで、しゅるぅ〜と魔法の光る白い糸がまっすぐどこまでも伸びて向かいの壁に届いた。
「やっぱり、かなりの魔力量ね。二人は強力すぎるから、またの日に教えるわね。危ないから、それ以上やっちゃダメよ。」
「えぇ、怖いじゃないですか。」
「強いから、いろいろできることがある。丁寧に教えるから、待ってなさい。」
「待て!」
「「はい」」
「よくできました。」
頭を撫でてくれた。
「あれ?スノーとノエルにしてたの、見たことないですよね。」
「ギルマスに犬のトレーニング、教えてもらったのよ。」
「「クロちゃぁ〜ん」」(怒)
「「「「「「笑」」」」」」
「ミナとことりは、続けてやるわよ。カエデ、続きを教えたげなさいな。」
「はい。じゃぁ、続きね。指の先まで魔法の茎が成長して、そこにたんぽぽのまるい蕾ができて、綿毛のように火が広がるイメージを作って。魔法はイメージが大切で、本当は詠唱なんていらないんだって。イメージが苦手な人の補助が詠唱なんだって。多分、二人はできるって。さっきの細〜い魔力の糸がだんだん指の中で茎の太さに成長して、指先で蕾、これは丸い飴でも良いって。指先で丸くなる。それがぱっと広がって、たんぽぽの綿毛になるイメージ。」
「ここでは攻撃の魔法はキャンセルされるから、安心して練習できるわよ。さ、やっていなさい。」
知らぬ間に、会場の全員が、ミナとことりに注目していた。
「たんぽぽの茎が伸びて…指先に…」
「綺麗なビー玉が先っぽで輝いて」
「えっ、ミナさん、ビー玉なの?」
「そっちの方が綺麗でしょ」
「そうね。じゃ、綺麗な青いビー玉。」
「私は赤いビー玉。」
「「できた⁈」」
「「ビー玉弾けて綿毛になぁ〜れ」」
「「さすが女の子、魔法少女になりきってる。」」(笑)
二人の指先に綺麗な青いたんぽぽと、赤いたんぽぽの綿毛が揺れていた。実態ではなく魔法の炎の造形だった。
「「すごぉい!綺麗」」
「「「色が可愛い!」」」
「「「「「色つけたい!」」」」」
二人の指の横に五人の指で橙・黄・緑・藍・紫が並び、順を入れ替えて、レインボーカラーに並んだ。
「「「「「「「「「「「「「「「「「「すごぉい!きれい!見たことない!」」」」」」」」」」」」」」」」」」
「あら、勝手に色変えちゃって、私より面白いことするなんて、生意気ね」(笑)
と言いつつ、8本の指にレイボーカラーと白い真珠の光を瞬かせたジュリエット姉さん。しかも炎の大きさが、テニスボール大で、クルクル回って、飛び交っていた。
「師匠は弟子よりカッコよくてないとね」(笑)
「大人気ないのぉ」(笑)
「「「「「「「すごぉい!きれい!見たことない!」」」」」」」
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ジュリエットに教えてもらい、実は花火を、初めての子たちも指先にレインボーの炎の魔法を…。習得し、祝賀会は盛況です。いよいよ次回は、祝賀会の最終回です。事件が起こったりは……




