第47話 協定締結祝賀会(承)〜柳生&服部一族の陰謀なしで異世界忍者交流会・挨拶は大事です〜
協定締結祝賀会はやっと食事が始まりました。
難しい話は終わったので、ここからは『承・転・結』として三話、楽しい食事と交流会が始まります。
ドワーフ、エルフ、侍、獣人、さらには忍者まで、大混乱の宴会は続く。
「なんだか、茶々入れられちゃって、宴会終わった気分になってるけど、敵はしばらくは来ないし、来てもドボルジンク様の結界が、きっちり守ってくださるから、さぁ、みんな食事とお酒、子ども達は飲み物を楽しんで!」
「「「は〜い!いただきま〜す」」」×全員
従兄妹組はコーラとジュース。子どもです。秘書組と特務室は、とりあえず生ビールとカクテル缶(500mL)、お姉さまたちはサワー缶(500mL)。秋山様とギルマス、ドボルジンク様はなんとドブロクをお椀で、柳田さんと鴉瑠之は、強制的にお椀に注がれてました。
突然参加が決まったはずなのに、冒険者分のお酒も脇机に。やっぱりとりあえず生の人がほとんどでした。
ハンゾウさんはワンカップ赤桜。ですよねぇ〜。またたび酒は在庫ないから、チーターさんもワンカップ赤桜。(汗)仲よしです。
「お疲れ様。」(笑顔)
「どういたしまして。」
ひとまずこっそり二人で乾杯してる、りおんとあさ。りおんも強制的にワイン缶。
「よく、閉店時間変更も、追加の参加者も把握してたね。」
「りおちゃんだって、気づいてたでしょ」
「まぁね。言わなくてもやってくれそうな気もしてた。」
「正解だったわね。」(笑)
「なに、しっとり夫婦してるのかしら?」
「怪しいわね。」
「こっそりワイン?」
「狡くない?」(怒)
「「おつかれ様でした。ジュリエット様、シナモン」」
「なんだかこの夫婦も、高校生組もなんでもかんでもお見通しで…」
「恐ろしい人材揃いですわね。」
「ことりと実、ミナもすごい成長してる。プレオの街の四日間は、あちらの数年分の経験ね。」
初対面のはずなのに、気があってるシナモンとジュリエットである。
「あの子たちはこっちに四日間、僕らは準備段階からですから、結構長く居ますよ。」
「最初は城壁パネルでコンビニ分の敷地を囲ってもらって、プレハブ建てた時からよね。」
「ずっと居たわけじゃ無いですけど、ちょくちょく来てましたね。」
「僕も成長したいから、ずっとこっちに来てていい?」
「ダメに決まってるでしょ。明日はコンビニ各社社長昼食会よ。忘れずに行ってもらいますからね。」
「秘書とは社長より強い権力者なんじゃのぉ」
「ドボルジンク様。これまで、ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。」
「「「よろしくお願いします。」」」
「固苦しいのは終わりじゃ。アルノ、強い妹でよかったの。」
「はぁ、もう少し可愛いのがよかったです。」
「明日のスケジュール増やすわね。」
「止めてぇ〜。本社から離れられなくなる。」
「みんなの仕事が捗るから、それでいいと思う。」
「りおん、裏切るなぁ〜」
「「「「「ジュリエット様、ドボルジンク様、いろいろありがとうございます。これからもよろしくお願いします。」」」」」
柳田さん、福の神、ミナさん、実くん、ことりちゃんが、声を揃えてご挨拶。
「おお、もう終わりと言ったんじゃがのぉ。まぁ、わしからもよろしくの。」
「私もよろしく頼むわね。」
「そうじゃ、柳田。このみと実と福もかの? こやつらは少し鍛錬をしとるかのぉ?」
「私も気になっておったでござる。」
「「「「「秋山様、お世話になってます。」」」」」
「あぁ、こちらこそでござる。で、気になっておった。3人は鍛錬をしとるのでござるか?」
「いえ、特別には、ただ、我が家の先祖は服部家とは別の柳生の流れと聞いております。」
「傍系だから、田に変えたんですよね。おじさま。」
「それと直近の先祖に民俗学をしておるものがおり、家系的に観察をよくする癖があります。それ以外ですと、古武術の鍛錬を家では朝夕に…少々。」
「うちはさらに柳田家の傍系で、柳を入れるのは畏れ多いので、田を入れたとか、よく実る田んぼの家だったから、福田にしたとか、聞いてます。で、兄さんが福で、僕が実だと、おじさんに教えてもらいました。母が柳田室長の妹なんです。」
「「「「「「「えええぇ〜」」」」」」」
「柳田家って、本当に、忍者の家系だったの? 」
「福の神のとこも?」
「しかも親戚なのね?」
「うちと同じ 従兄妹よね?」
そばにいた、あさと春樹、篠山家全員で合唱。お婆ちゃん除く。従兄妹軍団×2=7人の仲がいいわけだ。(笑)
「今は鈴木家の密偵さん。大正の頃から代々鈴木家の側近をしてくれてます。」
「うちがあるのは、柳田家と福田家のおかげよね。お世話になってます。」
「何を言ってるんですか、詳しくは言えませんが、柳田家は鈴木家にお仕えする家なんです。福、実、ことり、これは違えてはなりませんよ。いいですね。」
「何にしても、ファミリーストップには忍者部隊がいるということですね。」
「りおちゃん、平然としてるけど、知ってたの?」
「そぶりでそうだと思ってた。」
「それはそうだけど、私は驚いたよ。」
「「「「ぼく(わたし)もぉ〜」」」」
「「俺たちも」」
「ほぉ、そいうことでござったか。ハンゾウの服部一族と柳生一族、どちらも江戸城御庭番でござるな。ハンゾウ、来るがよい!」
「秋山さん、呼ばれたっすか?」
「柳田殿は、お前の先祖が習得した服部家のライバルと言われた柳生一族の流れを汲むそうだ。ご挨拶をすべきではござらぬか?」
「あゆみちゃん、カエデちゃん、康太くんと春樹くんも。ことりちゃんも遊んでくれたってね。この間は子供たちのこと、ありがとうね。」
「「「「「いえいえ、可愛いお子さんで、楽しかったです。」」」」」
「福田福です。よろしく」
「福の神だね。よろしくっす。」
「柳田です。これからもよろしく頼みます。」
「柳生さんはいないっすね。秋山様、どういうことなんですか?」
「柳田殿は柳生家の傍系だそうだ。親戚・分家ということだな。さらにその分家が福田家。つまり柳生一族に属しているということだ。」
「スゲェ〜っす!おいらたちは弟子ってだけなので、服部家は名乗れないっすが、修練した忍者の家系のコボルトっす。これからはいろいろ教えて欲しいっす。よろしくお願いします。」
「いえいえ、家系ではありますが、細々鍛錬してきただけですので、こちらこそ忍術の真髄を教えていただければ、嬉しいことです。」
「あ、ひとつお願いいいですか? ハンゾウの字を教えてください。秋山さんみたいに漢字?で名前を書きたいっす。あれ、憧れなんっす。」
「いいですよ。ことり、字が綺麗だから、教えてさしあげなさい。」
「はーい、おじさま。」
「折角だから、苗字も名乗るといいですね。明治以来、苗字は自ら名乗ることを許されましたから。ハンゾウさんが漢字で服部を名乗っても、誰も批難できません。この世界のことを語る時が来たら、私から服部家に一筆入れます。文句は言わせません。いまは、ただの音楽一家ですから、文句は出ないでしょうけどね。」(笑)
「えぇ?そうなの?」
「たぶん、うちではそうだと推測してます。推測ですよ。」(悪)
「『推測でものを言っちゃいけないよ。』おじさまもよく言ってる言葉ですよね。」
「覚えてましたか? りおんさんもよく呟いてますね。」
服部 半蔵
「ハンゾウさんの名前はこう書きます。お渡ししておくので、練習して覚えてください。初代服部一族の総領の名前です。こちらの総領になられてくださいね。」
こうして、現代の忍者一族と異世界で忍術を守ってきた一族の交流が始まった。
「ねぇ、あさちゃん、私たち忍者の友達、同僚がいるってこと?」
「それ、すごいねぇ〜。自慢しよ。」
「しちゃダメよ、ことりちゃんが困るわ」
「「「内緒で…」」」(小声)
「福、実、ことり、コボルト隊とチーターの仲間の記憶からはこっそり消しとくわね。狙い撃ちも覚えたから、この距離なら大丈夫。」(小声)
「今、聞いたこと、忘れなさい!消去!」
コボルト隊とチーターの仲間たちにジュリエットさんの魔法の糸が刺さっていったのが、見えた気がした。怖っ!
「ジュリエット姉さん、おいら忘れてないですよ。消さなくていいんっすか?」
「あんたが忘れちゃダメでしょ。これから共に研鑽するんでしょ。何なら、忍術も全部消しておくけど、どう?」
「それは困るっす。ご勘弁を…」
「真面目に柳田から学ぶのよ」
「はい!頑張るっす!」
「私らの方こそ、いろいろ教えてください。」
こうして、現代日本において、柳田一族の影なる支配。柳田一族の陰謀が始まるとか、始まらないとか。スピンオフ『く乃一柳田ことり』が始まります。
「りおん、また変なことを考えてるわね?」
「店長、私の顔、なんかついてますか?」
「あ、何でもないです。お酒、おかわり入りますか?」(棒)
エルフと忍者、気をつけなければ。
「ミナもなんか怪しいんだけど、今日は触れないでおいて差し上げますわ。」
「そうですね。このメンバーで一人だけ普通って、それはそれで貴重ですよね。」
「うちのミナまで怪しまないで。普通の部下がいて欲しいんだから。新しい秘書室なんて、オタクの集団よ。自分で選んでいうのも何だけどね…。」(笑)
「「「オタクで〜す」」」(酔)
かなり遠くで反応してた秘書課オタク三人娘。
「冒険者の男性がかっこいいと思う、普通のOLだと思います。」
「ミナ、それ、普通じゃないから!正道に戻って!」
「冒険者のみなさん、かっこいいんですよ。切り火を切って、お見送りしたとき微笑んでくださったギャップがいいんですよ。ギャップ萌えです。カエデちゃんに描いてもらいたいぐらいの笑顔です。」
「もう描いてますよ!」
カエデが開いたスケッチブックには、朝日が登り、石壁の影の街並みを背に、切り火で見送るミナの背と手を振る笑顔の男性冒険者たちが鉛筆で描かれていた。
「色付けはまだなんですけどね。水彩画がいいですかね?」
「キャァぁ〜、できたら私買います!」
「私も買いたいわ!萌えそう!」
「あら、こんないい男たち、居たかしら?」
「あ、これ、俺です」
たまたま通りがかった男が、指差した。
「あ、カエデの中でイメージが膨らんだ創作の力ですわね…。」
「朝だけの幻想だったとしても、この時間は貴重なんです!」
「ごめんなさい。私のイメージです。」
「うーん、こっちだったら、私も嫁に行ったわ。」
シナモンが絵を指さした。
「こういう時は退散した方が良いというのが、大人からのアドバイスでござる。」
「はい!」
返事1発で、冒険者の男は元の席に戻っていった。賢明である。一番のイケメンに描かれていた男であった。
後年、ミナが冒険者の嫁になることはなかったとか。作者としては危機にガァっと抱えてくれた福くんに抱きついて赤い顔でじっとしてるミナちゃんの淡い恋を描きたいものだ。
48話(転)に続きます。二次会なんてそんなもんですよね。そんなもんです。盛り上がる祝賀会をお楽しみください。




