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異世界コンビニ『戦場のファミリーストップ』開店です 〜足立区から出勤、本社と提携。手作り特大角煮おにぎりが爆売れ。夜は常連S級冒険者のほのぼの居酒屋に。  作者: 柿野たね
第1章 異世界でコンビニ始めました

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第42話 プレオ冒険者ギルドと異世界コンビニ『ファミプ』提携〜りおんの高級執事言葉の謎が判明〜

「さて、これからのことを話す前に。この街のこと、隣りの2カ国のことを話さねばならんの。」…そう言って、ドボルジンクは話を続けた。

 相談役って、水戸家の副将軍に似てるね。

「この街はの、ダンジョンがあるでのぉ、国に属す必要がないのじゃ。ギルドに所属している中立の都市国家とも言えるのぉ。」

「つまりギルドマスターはこの街の元首でもあるのよ。まぁ少々心許ないのが玉に瑕よね。」

「長生きすれば、貫禄もつくかもしれぬのぉ!」

「S級超えるとレベルが上がって、老化が遅れるのよ。私たち長命種ほどじゃないけどね数百年は働かされるわね。」


「「「「えええぇ〜人間でも?」」」」


「人間でも…。秋山さんが長生きしてるのが見本だわ。」

「「「長命種の侍っていう人種だと思ってました。」」」


 本社組3人が、驚きまくってる。若いなぁ。


「りおんちゃんが平静なのがおかしいのよ!」ギロっ

「「そう思う」」(怒)


「でじゃ、冒険者も含めて、この街と隣の獣人国の多くは『創造神』を信じておるのぉ。創造神と創世神。名前が似とるのぉ。まぁ、本来同じ神じゃからの。十二戒もあやつらも持っておる。」

「あやつらは神に選ばれた民だと自分達を見ておるでござる。選民だと。選民はそれだけで清い国民だと。考えてるでござる。」

「だから、亞人である獣人、エルフ、ドワーフ、ドラゴニュートなどは殺しても問題ないと考えて襲ってくるわよ。」

「だが、力ある冒険者のいるこの街には手が出せぬのでござる。」


「ダンジョンからのスタンピードは彼らの軍事力じゃ抑制できないのね。ここに冒険者がいなくなると立ちいかなくなるわけなのよ。」

「獣人やエルフ、ドワーフに頼るしかないという現状に、人心が歪みその腹いせが政府に向かぬよう、獣人国に仕掛けておるのじゃのぅ。」

「敵を外に作ってるってわけよ。」


「どっちにも同じような国があるのね。」

「問題を起こしているのは、こちらもあちらも同じく神を奉じていて、…そしてどちらも選民思想の国のようです。」

「厄介なかつらでござるが、そちらもこちらも課題は同じでござるな。」


 シナモンと柳田さんも加わって、互いの世界の状況把握が続いている。


「表面上は信仰を理由にしており、そちらが隠されているのでございますが、本質は帝国主義。外に敵をつくり、うちを固める。有史以来何度も繰り返される歴史の一コマ。どちらも民の意が政府への糾弾に向かうのを恐れる弱虫為政者でございます。」


「お、りおんの口調が執事風に戻ったのぉ」(笑)


「「「「????」」」」

「あさも、気づいてなかったのかのぉ?」

「お店で、変な言葉使ってるな?って思ったことありますが、いつもおバカなので…。」

「あさ、ひどくない?僕、頑張ってる君の夫だよね。」

「まぁ、そのうちわかるじゃろうのぉ」


「ドボルジンクさま、そのあたりで、続きをお願いいたします。」


「そうじゃの、こちらの歴史はジュリエットが詳しいじゃろ。エルフは一番の長生き種族だからのぉ。」

「そうね、こっちも様々な国が、同じことをして来たわね。うちでは、祖父が見てきたこと、そして聞き伝わったことを話してくれたわ。愚かなエルフの国がやっとまとまりかけた人間の国を侵略して奴隷国にしたこともあったそうよ。同族エルフの暴走を止めようとしたけど、無理だったと…。あまり多くは語ってくれなかったのよ。

 千年ほど前の祖父の悔しい記憶みたい。選民思想のエルフもいるのよ。」


「それがしが若い頃もエルフの国もいくつかあったでござる。それぞれ思想が違うのでござる。それは、獣人、ドワーフ、人間、オーク、ドラゴニュートどの種族も考えの違うものたちがいるのでござる。エルフだから、ドワーフだからと画一的に判断すると大きな間違いをするでござる。」


「地球も同じね。私たちも日々伝えられる世界の状況の中、殺される人たちの姿を見て、悲しんで、戸惑うけど、結局無力な市民では、何もできないのよね。今も大勢の人たちが爆弾が降る中生活してるのよね……。」

「シナモン、ここの隣でも、そんな人たちがいるの。だけど毎日の生活の中で爆撃音を聞いてて、うっかりすると忘れてるわね。」


「まぁ、そればかり感じておっても、子供たちの人生が苦しくなるからのぉ。慣れてくるのも創造神さまの配慮と思うぐらいで良いと思うのぅ。」

「百年も悲しみ続けてるわけにもいかないものね。街の人には街の人の生活もある。ただ、忘れ切ることはできないわね。」

「テレビだと消せばいいけどね。」


「テレビ?それはなんじゃ?」

「いずれお見せします。」


「そじゃの。…そじゃそじゃ。結界の魔道具じゃ。後ほど少し改良させてくれ。」

「改良ですか?」

「今、店に客が押し寄せとるじゃろ。そ奴らは大丈夫だが、外でこの店の様子を…、買ったった時のこと、様々な機器のこと? 電気と石油とガスかの? その力を使って動かす器機を外で話すと、奴らに聞かれることがある。なら、話すことができないようにすればいい。そのための魔法陣を加えるのじゃの。見ても気にならず、外に出るとそのことは忘れる魔法じゃの」


「いいんですか? なんだか街の人たちに申し訳ないのすが。」

「敵対心を持った創世神国の奴らはそもそも店に入れないのよ。ただし入れる者から聞くことはできるわね。それに街の子たちのためでもあるの。」

「十二戒。りおんとあさが知らないこちらの二つの戒めじゃの。」


「ギルマスが、十戒のこと聞いてたのは、この確認のため?」

「そうだ。二人が前に話してたのを聞いたことがあったからな。」

「庭から、そんなことまで聞こえるの? あいつら、ほんとに監視してるね。」

「猫は耳がいいんだぞ。」(笑)


「「「???」」」

「あさ、ギルマスが浅田家の庭で監視してたの?」

「猫って、私たちを観察してるみたいよ。ふふふ、今度教えるね」(笑)


「「「まだ秘密あるの?」」」


「さ、十戒の話…。」


=====

『空と大地と海を愛し、魔法の力を極めよ。研鑽せよ。』

『自ら新たな力を創ってはならぬ。力の創造は我の役目ぞ。』

=====


「この二つがこの世界に加えられた二戒なのよ。魔法と自然の力を大切に…。それ以外の力を恐れなさいって戒めなの。子ども達にそれを忘れてほしくないの。」

「風力、水力など自然にある力と魔力以外の人が作り出す力を頼るなという戒めじゃのぉ」

「だから、魔法の研究が盛んなの。」


「「よかった。」」


「なんなのじゃの?」

「私たちも、そのことをどうすればいいのか、迷ってたんです。」

「この店から、僕らの世界の文明がこちらに与える影響は、僕らの世界の問題をも引き継がせるんじゃないかと。少し悩んでいたんです。」


「私たちの世界、世界が狭くなったんじゃないかと思うほど、生活や移動が便利になってます。世界の反対側に1日あれば行けるんです。」

「テレビは毎日、私たちの星の裏側の様子を目に見える形で伝えてくれます。先日の早朝にドボルジンクさまが興味を持たれたパソコンも同じ機能があります。個人でも伝えられるんですよ。」


「そうした便利なものを動かす力は、電気および化石燃料の石油、ガス。最も巨大な力は物質の中に込められた力、原子力なんです。ものを構成する根源の力を解き放つ。時には都市どころか巨大な山脈を吹き飛ばすような力です。これら全て人が開発した力です。」

「あの山が吹き飛ぶのかのぉ? ジュリエットでも、焼き払うのはできるが、吹き飛ばすのは無理かのぉ。」


「この街ぐらいは吹き飛ばせるわよ。でも山は無理よ。土は重いのよ。」


「「「「「吹き飛ばせるんだぁ〜」」」」」


 ジュリエットさんは絶対怒らせないと心に決めた日本人5人だった。


「毎日響いてる魔法弾は、どのくらいの威力なのでしょう?」

「柳田ちゃんも怖いの?」

「これまでは爆音を聞くことはほぼなかったので。」

「あれは、馬車一つから二つが瓦礫になるぐらいよ。しかも狙ったとこにはほとんど当たらないの。あいつらだと百年経ってもこのコンビニを破壊することはできないわ。心配しないでね。」



「それほどの巨大な力は便利な力なのですが、反面、管理のしきれない問題がどんどん起こってます。余った力が世界の気温を上げたり、汚染で水が飲めなくなったり、森が砂漠になったり。足りない力を食糧からとって、貧しい国が飢えるということまで起こってるんです。」

「心の収めどころがなくなったのか、世界を巻き込んだ大きな戦争が終わってもうすぐ百年、近年は隣国同士の紛争が戦争に拡大しています。日々多くに人が死傷しています。」


「先ほどの原子力など、出てくる廃棄物にも人を動物に侵食し、殺す力が残ってて、それの力がなくなるのに数百年から数万年というものもあるそうです。人類の歴史より長いので、管理の仕方もわかってないのです。」

「わしらの世界よりも酷い状況じゃの」

「今すぐ対処しなければと考える人々がおります。人間が成長すればコントロールできるから今は力を謳歌しようという人々がおります。何も考えずに使ってる人々もございます。様々な考えが入り組んでいるのが現状でございます。こうして解決策もなく立ち往生しているのが、私たちの世界の現状でございます。


 そんな世界の僕たちが、なぜここに寄越されたのか。創造神さまのご意志は分かりませんが、まずは彼の地で得た情報と知識及び知恵で、この地で過ごし、見聞きし、共に暮らす。それを僕たちのこの異世界コンビニ『戦場のファミリーストップ』のはじめの一歩とさせていただきたいのでございます。」



 そか、二重意思の時と同じなんだ。執事言葉は心のセーフガードなんだ。客観的に見なければと焦ってると、執事言葉になってるんだ。初めてこうなったのもドボルジンクさまとの出会いで焦った時だったな。(汗)


「りおん、自分の状況がわかったみたいだのぉ。」

「ありがとうございます。冷静でいなければと、理論・理性を働かせなければという時、心のセイフガードが発動してるみたいですね。」

「そうじゃの、安心して委ねておれば良いの。聞いてても面白い。」


「りおちゃん、なんのこと?」

「恥ずかしいから、家で話す」(笑)

「「「夫婦の秘密なんですね。」」」

「「はい!」」


「というわけで、私たちの世界の問題をこちらの世界には持ち込みたくなくて、皆さんに相談したかったんです。戒めがあるなら、心配せず、私たちもそれに沿って、こちらで暮らしていけます。」


 こうしてひとまず、ギルドと異世界コンビニの提携方針が決まった。



 冒険者ギルドとファミプの顔あわわせが始まりました。りおんの高級執事言葉の原因もわかってきて、戸田土井の原因もわかったところで、……若者だけで切り盛りしてる、異世界コンビニ『ファミプ』、大丈夫なのだろうか? 犬2匹と大婆ちゃんはどうしているのだろう?

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