第29話 カレーと大婆ちゃんは人気者
【本日3話投稿】2話目です。
見た目で敬遠されていたカレーに一人の勇者が挑んだ。…レトルトのカレー棚が増設されることになった。
ファミプ関東エイリアで売っている商品は全て並べることにした。
「カレーって、美味しいわね。」
「自分でも作れますよ。」
「我が家のカレーって、どこの家にもあるよね。」
「うちのは子供用だったのか、林檎と蜂蜜のカレーでにんじんが小さかった。」
「うちは金ピカのカレーで、大人の味。あ、名前だけですよ。金は入ってません。」
「お肉もいろいろ違いがあったみたいで、牛、豚、鳥、海の幸…。熊って人いた。」
「お母さんのカレーが一番っていう、男の人多いわよ。ね、ことりちゃん。」
「あれ、デートで言われたら、引きますせん? 男って分かってない。」
「母の味が一番だなんて、そんなこと言われたら、幻滅だわ。わたし勝てっこないじゃない。」
「「「「ですよねぇ〜」」」」
「俺のカレーが一番っていう男の人もいますよ。」
「ならずっと作りなさいって、言えばいいわよ。」(怒)
「片付けなさいって、お父さんがカレー作った後、お母さんが怒ってた。」
「お義兄さん?」
「うん、たまに作ってくれるのはいいけど、使ったお鍋とか洗わないから、お母さんがキレてた!りおちゃんは?」
そばで片付けしてた あさが参戦。
「オムレツは極めてた。フライパン育てるって言って自分で洗う。私が洗ってないと、怒られる。カレーは玉ねぎよく炒めてって、うるさいけど…。」
「うるさいけど…?」
「最近、みじん切りしたあと凍らせるとすぐに茶色くなるって、自分でやってくれる。」
「男って、ほんと、めんどくさいわねって言おうとしたのに、リオ店長って、マメだわね。私、もらっていい?」
「「家事男は私も欲しい」」
「ダメですよ。一応まだ気に入ってるんですから。面倒くさくなったら、考えます。それと、ダメなとこもありますよ。脱ぎっぱなしとか、ハマるとずっと一つのことばかりしてるとか。」
カレーを気に入ったエルフさん。ことりちゃんとミナさんの毒にも共感してる。
あささん? まだ? 気に入らなくなる可能性もあるってこと? オロオロ(悲)
「ふふふ、あっちでオロオロしてると思いますよ。」
「あさちゃん、それぐらいにしてあげて!揶揄おうとした私が気の毒になるわ。」
「コロッケと唐揚げ、追加で上がりました。お待ちの方。」
「「「「はーい、りおさん、待ってたよぉ」」」」
タイミングよく揚がったので、イートインに持って行った。
「あゆみ、これ、皆さんに。冒険者Payでピッしてね。」
「あさ、ご飯終わったし、準備した唐揚げも終わったから、調理はここまででいいかな?」
「みなさん、足りてますかぁ〜」
「「「「「大丈夫!」」」」」」
イートイン中から返事が来た。
「これから来店の方の分はありそうだから、じゃ、調理は終わるね。皆さまごゆっくり」
「「「店長、逃げようとしてない?」」」
「いえいえ、片付けもありますから。あさとあかりはご飯休憩していいよ。カエデと実くんと春樹と康太も、もうすぐ終わる。お婆ちゃんも声かけとく。」
「じゃ、あさちゃんとあかりちゃんも、おいでぇ〜。あんたたち邪魔!」
「「俺たち?」」
「そ、この後は女子会よ。」
「はいはい、わかりました。」
「秋山先生、そちらにお邪魔します。」
「歓迎でござるよ。」
「「日本酒、瓶ごともらって行くぞ」」
「「「どうぞどうぞ」」」
ご飯が食べ終わった中堅、若手組は、飲み足りないお酒を求めて三々五々夜の帳の中に消えていった。居酒屋さんも儲けてくださいね。卸業の稼ぎも重要だ(悪)。
少し落ち着いてきた座敷に、食事休憩組と高校生組が揃った。お婆ちゃんとカエデもやってきた。僕がレジにいれば、1時間ぐらいは大丈夫だろう。
スノーとノエル、バックヤードの警備、頼むな!と頭を撫でといた。
「なんか、呼ばれそうな気がして、戻ってきた。」
社長がやってきた。
「暇なの?」
「柳田さん帰ったから、あっちの事務所で一人だと、寂しくて。」
「室長以外、誰もいないの?」
「秘書たちは本社。」
「明日からは数人こっちにもいる。」
「特務室に?」
「異世界店、繁盛しすぎです。しばらくこっちを社長室にしました。」
「「「ええぇ〜」」」
たまたま来てた、あさと福くんが一緒に驚いていた。
「まぁ、決めなきゃならないことも多いから、それはそれで助かります。」
「よろしくです。」
「明日、守秘義務魔法契約の追加、よろしくね。」
「え、まだしてない人たちですか?」
「まだ、詳しくは話してないもの。特務室が忙し過ぎて、社長室を一時県境に移動するとしか…。」
「もしかして、埼玉県と千葉県の仕事が忙しいとか言ってません?」
「なんでわかった?」
「「「はぁ〜」」」(嘆息)
「じゃ、魔道具持っていってください。」
「本社に来てくれない?りおんくんの方が上手くかけられるから。」
「まぁ、こっちに居ると日本人も魔素が少し貯まるらしいですね。」
「よろしくね」
「明日はお休み、午前中に顔出したら、昼間は家で寝てようと思ったのに。」
「ローテ表、チェックしました。」
「鬼ぃ〜。ブラック社長!」
「ふふふ、ブラック経営者の仲間入り、歓迎します。」
「はぁ〜」
「夕飯、カレーライスが食べたいんですけど、あります?」
「売り切れました。」
「レトルトも?」
「レトルトも」
「冷凍食品は?」
「冷凍食品も」
「レンチン、間に合ったの?」
「魔法でみなさん温めてました。」
「えぇ〜!」
「レンジいらない?」
「5台も置いたのに?」
「温めてほしい人もいます。2台に減らせるかも。」
「他のお店に格安で譲るよ。」
「じゃ、何食べればいいの?」
「牛丼は残ってましたよ。」
「じゃ、温泉卵つけて、唐揚げもある?」
「まだ、大丈夫」
「急いで、確保してきます。」
「温め、ジュリエット様に頼んでみては?」
「魔法見たいから、そうする。」
「あかりから、レトルトに穴を開けるの忘れずに…。とのことです。」
「忘れろってこと?」
「振りじゃないです。爆発するから、絶対開けてくださいね。」
儲かってるから乗っ取り警戒して1部上場を止めた規模の会社の社長、ちょっと面白過ぎ。誰のせい? こんなふうだけど、経営者として優秀なんだね。
ジュリエットさんに温めてもらって参加しようとしたら、女子会だからと秋山先生の島の方に追いやられてた。徹底してる。
はてさて
「私も混ぜてもらってええんかね?」
「女子会ですから、当然ですわ。」
「確実に後期高齢者ですが、…よろしく。」
「後期高齢者ってなんですか?」
「65歳以上が高齢者で、75歳以上は後期高齢者。って、政府が定めてるんです。」
「高齢者が元々年齢の高い人って意味なのに、それに後期って、命名規則が破綻してません?ずっと気になってるんです。」
と、あさがぼやく。
「じゃ、私は後期高齢者ですわ?」
「私は92歳ですが、エルフさんはおいくつですか? お若く見えるんですが?」
「私、122歳ですが、エルフは長寿なんで、まだ成人したばかりですわ。」
「ええですなぁ、人間は短いでね。でも子供の時は戦争がありましたけど、意外と色々面白い人生でしたよ。」
「大変だったのよね。」
「ほんと、この子達のおかげで、エルフさんやドワーフさん、お侍さんにまで会えました。私のお婆さんは、お侍さんの知り合いがいたらしいけど、私は今まで見たことない。」
「おばあちゃんのおばあちゃん、お侍さんの時代?」
「長生きするもんだろ。これからはゆっくりエルフさんと長生きしなきゃね。」
「こちらこそ、年齢の過ごし方、教えてくださいですわね。」
「はい。…お弁当いただきましょうかね。」
食事休憩組はお弁当を、お姉さんやことりちゃん達は、お酒を召し上がりながら、女子会がスタートしました。
「あさ、一つ聞いていいかねぇ? …お店の制服の色、『うぐいすいろ』で合ってるかね? 庭に来てる鶯はもう少し茶色かった気がるんじゃが。」
「そうですね。私も気になってましたわ。こちらにも鶯という魔鳥がいますが、もう少し茶色い色ですわね。」
「えっ、これ、鶯色じゃないの?」
「多分、萌葱色だよ。」
「私たちも、萌葱色って言ってますわよ。」
翻訳魔法、優秀です。勘違いまでは補正してくれてません。
「「「「男って、ダメね。」」」」
「「「私も気づきませんでした。」」」
あさを含めて、スタッフ女子全滅でした。
「じゃ、これから萌葱色で、萌葱色と白の縞々の制服ですね。」
「「「「「「はーい」」」」」」
制服の色は変わらないのに、色名が改められた瞬間である。
お婆ちゃん、ほとんど寝てるだけなのに、インパクトある登場!これからも期待が高まるスタッフである。
鶯色って、勘違いしてる人が多いんですって。調べてみると勉強にあるなぁ〜(汗)。
大婆ちゃんには長生きしてもらいたいものです。




