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異世界コンビニ『戦場のファミリーストップ』開店です 〜足立区から出勤、本社と提携。手作り特大角煮おにぎりが爆売れ。イートインは常連S級冒険者のほのぼの居酒屋に。  作者: 柿野たね
第1章 異世界でコンビニ始めました

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第28話  お弁当の温めは魔法が勝利!

【本日3話投稿】1話目です。


 開店3日目、すでに常連の方々でイートインが賑わって、ことりも仕事を終えて、お姉さま方に囲まれて、夜の帷が静かに降りて行った……。

 静かにではないな…

「いただきま〜す。」

「「「召し上がれ!」」」


「わたし、コンビニのイートインでお酒飲むの初めてです。」

「そうよね、イートインって、飲む雰囲気なかったり、おじさん達だけだったり、禁止のとこもある?普通そうよね?」

「あれ?ミナさん、お休みじゃ?」


「「「ミナちゃん、いらっしゃ〜い。座って座って、お休みだったの?」」」

「一人で自分の部屋を片付けてたら、寂しくなっちゃって、ご飯は誰かと一緒に食べたくて、来たらことりちゃん、お姉さま方と…。ずるいわよ。」

「へへへ、成り行きでこうなりました。」

「ヘルシーすき焼き弁当とマスカットのカクテル買ってきた」


「ミナちゃん、これ、安全対策で、裏返して着ておいてね。」

「あささん、ありがとうございます。」


「「「あさは、まだだめなの?」」」

「まだ、おにぎり作ってま〜す。ごゆっくり。」

「野郎どもがまだまだ来そうだから、迷惑かけるね」

「いえいえ、商売ですから、ありがたいです。」

「「「出来立て食べたい」」」


「持ってきます?」

「シャケと角煮と梅干しと唐揚げ3個ずつ!お願いします!食べるでしょ?」

「「「食べるぅ」」」

「「俺も!」」

「ことりちゃんまで(汗)。できたら持ってきますね。」

「「「「お願いしま〜す。」」」」


「ミナちゃんも楽しんでね。」

「お手伝い、しなくて大丈夫ですか?」

「気にしないで、疲れをとってね。上司の愚痴も大丈夫よ!りおちゃん以外は今いないから。」(笑)


「ミナさぁん、夕方すごかったんですよ。」

「何かあったの?」

「子どもも大人も一緒に大縄跳びしたんです!」

「大縄跳び?商品にあった?」

「店長が仕入れたんですって」


「「「そうそう、すごかったんだって?」」」

「わたし、レジだったんですけどね。おかげで暇で、お店の中から見てました。」

「えっ、そうだったんですか?」

「「ミナさん、そうなのよ!」」

「まぁ、その後大賑わいだったけどね。」


 それからまた、ことりとあゆみのコボルト忍者部隊の大縄跳びの再現中継、回数を重ねるごとに臨場感が増して行った。


「「「聞けば聞くほど、見てみたいわね」」」

「だから、お休みするの躊躇するのよね。」

「わたしも、眠いけど、帰りたくなくて、お誘いに乗ったわけです。」


「「わたしも帰したくないぃ〜」」

「あ、お姉さま方、ご飯食べたら帰ります。睡眠不足なんです。」

「寝不足は、お肌に悪いんです」


「おにぎりお待たせしました。」

「あささん、ありがとう!お支払いはこれで…。どこでも払えて冒険者Payって便利ね。」

「ギルドカード払いの時は、お店のカウンターに行くしかなかったの。」

「ひどい時には、数軒隣のお店で払うの。丁稚さんの付いてくるのよ。見張りよ、見張り。」


 ピッ!


「ジュリエットさん、ありがとうございます。唐揚げとコロッケはおまけです。」

「「「えええぇ、ありがとう。」」」


「ミナちゃんとことりちゃんがお世話になってますから。」

「あささん、女将さんって感じ」

「店長夫人ですもんね。」

「ことりちゃんもミナちゃんも、大人を揶揄うもんじゃないです。」(笑)

「わたし、あささんとそんなに変わらないですよ。」

「あ、そうだね。」(汗)


 はてさて


「美味しかったぁ、」

「お酒も美味しい…」

「リーダー、ご飯足りた?」

「おう、酒足りてるか?」

「今日はご飯日だから、大丈夫」


「お姉さま、ご飯日ってなんですか?」

「ことりちゃん、お姉さまってもっかい言って(もう一度言って)!」

「ジュリエットお姉さま?」


「こんな可愛い妹ができて、しあわせ!」

「「はいはい!気持ちはわかるわぁ〜」」


「激しい討伐とかの後は、魂が(たかぶ)るから、帰った後お酒をたくさん飲むのよ。」

「そうすると昼まで寝ちゃうでしょ!で、夜はゆったりご飯を食べて、体力と魔力の補強をするのよ。だから、今日は食べ物いっぱい食べてるでしょ。」

「そう言ってると、まだ食べたくなったなぁ」

「まだ食べてないご飯系ない?」


「夕方、天津飯丼入ってましたよ。ご飯の上にふわふわの卵を乗っけてぐ緑の豆が乗ってるんです。その上に甘辛い赤いタレをかけて美味しいんです。まだあるかな?見てきます。」


 お弁当コーナーに行って、大きな丸を作ることりだった。


「あるみたいですよ。食べますか?」

「「「「「食べるぅ」」」」」

「あったら、わしも食べるぞ」

「ドボルジンクさんも食べる」と

「ミナちゃんも食べる?」

「わたしはもういっぱいです。多分ことりちゃんも」

「魔法使うようになったら、このくらい食べるわよ。」

「ダイエットの心配なくなりますか?」

「ダイエット?」

「ちょっと油断すると、わたし太るんです。」

「痩せることをダイエットっていうの? 魔法使いは気を抜くと痩せすぎるから、ちゃんと食べないとダメなのよ。」

「街の女性がスタイルいい人ばかりなのは、そういうわけだったんですね。」

「「「うらやましい〜」」」


 運んで来たあさとことりも揃って、叫んでました。俺からすると健康的なんだけどなぁ。


「天津丼は5つだけでした。牛丼、カレー丼もあったので、持ってきてみました。どれにします?」


「たまご美味しそうだから、私は天津丼。」

「「わたしも」」

「わしもそれをもらおう」

「それがしは牛丼をもらって良いでござるか?」

「俺も牛丼」

「俺はそのちょっと怖いカレー丼を食べてみよう。見た目と違って香りが良い。」

「「「俺も、俺も…」」」


 持ってきたのは、周りの人たちも購入。足りなかった冒険者達はお弁当コーナーにダッシュして行きました。


「レジに行って、温めてきますね。」 

「あら、大丈夫じゃない?」

「「自分でできるわよね。」」

「そうじゃな、レジでは後ろにあったから、お願いしとったが、自分でできるのぉ」

「「「えっ?」」」

「ダンジョンでは自分で温めるのよ。見ててね。」


「ヒート」


 その一言で両手で持ってたお弁当からほのかに湯気が立ち上がった。


「あっため加減が難しけど、手に持ってると分かりやすいのよ」

「「俺のも頼む。」」

「俺たちは苦手なんだ。剣に魔法を(まと)わせて使うからな。」


「ヒートじゃのぉ」


「「すごぉい」」

「触っていいですか?」


「レンジより早くて、ちょうどいい感じです。」

「レンジだと、出した後じゃないと、触って確認できないわよね」

「魔法、覚えたら、学校でもできたらいいのに」

「「「やっちゃダメよ。」」」


 イートイン係のあゆみが怖い一言。一斉にダメ出しの大人達。


「息が合うわねぇ。」

「それより、このカレー丼って、なにこれ。香りがすごくいいんだけど。」

「異国の香りよね。」

「天津飯もいい香りだけど、ほのかよね」

「牛丼も美味しそう」

「早くいただこう!」


「そのカレーっての、もらうわよ。」

「俺のだ!」

「一口もらうだけよ。いいじゃない」

「「「私(俺)も味見」」」

「えええぇ〜」

「「「なにこれ、美味しい〜。もう一つ買って、3人で分けよ。」」」

「ごめんなさい、さっき売り切れました。」

「ええええぇ〜。じゃ、これ、分けて食べよ。」

「俺のだ!」


 スッと牛丼とカレー丼を入れ替えてカレーをゲットしたのはお姉さん達でした。


「俺のぉ〜」

「ここは女の子に譲りなさい!」

「俺よりはるかに年上で女の子って言われてもなぁ」

「死にたいの?」

「譲ります。」

「よくできました。」


 お姉さん、こわ!年齢ネタは絶対禁止!今日もあかりのインカム越し…。


「このカレーって、なんなの?美味しい。ちょっと想像と違った。」

「レストラン、食堂でも家庭でも作れる国民食なんですよ。」

「元はもっと香辛料たっぷりのインドって国の料理です。」

「カレーってのもあったわよね。」

「さっき、レトルトも含めて、みんな若い人が買っていきました。」


 ギロっ。テーブル席を睨むお姉様。

 さっと、カレーを隠す若手冒険者達。


「明日、また食べに来るわ。予約しとこ!」

「じゃ、ちょっといいやつ、注文しておきます?」

「そんなのあるの?」

「高級レストランの味、スパイシーブリティッシュカレーってのがあります。ご飯別です。」

「それ、頼んでおいて。ご飯も一緒に買うわよ。」

「ナンという、薄いパンも合いますよ。」

「それも、お願いね。」


 相変わらず、接客上手のあゆみ。ことりちゃんとミナちゃんは、ほろ酔いで遅れを取ってます。ま、就業時間外だから、いいですヨォ。


「他にもいろいろあるから、楽しんでくださいね。」

「どんなのがあるの?」

「横須賀・海軍カレーとか、海の幸のカレーとか、きのこたっぷりカレーもありますね。」

「レトルトのは長期保存が可能なんです。ご飯別です。」

「長期って?」

「保存袋にいつまでって書いてあるんです。」

「「「すごいわね。」」」

「あささん、レトルトカレーの棚とかって、作れませんかね?」

「それ、いいわね。あとで福の神とりおちゃんで相談してもらおう」

「「「「「「「絶対買う!よろしく!」」」」」」」

「「「「「「「「「「「「「「「「「「「俺たちもぉ〜」」」」」」」」


 ほぼ全員購入希望。これ入れるしかないな。


「ふくのか…。福くん、仕入れできる?」

「POSですぐ発注してください。遅くても夕方便で持って来れます。」

「何個ずつかねぇ?」

「倉庫の棚1段分、確保しときますか?」

「それくらいあったほうがいいよね。」

「あゆみ、冒険者さん温めはどうやってたの?」

 インカムで聞いてみた。

(魔法で温めてた人いて、膨らんで来たので、爆発する前にナイフでチョンと突いて穴開けてもらいました。次からは最初にチョンとしてもらってます。)

「爆発しなくて、よかったね。」

(危なかったです。レンジのように電波じゃないので、魔法だと温められるみたいですよ。ショートはしないみたいです。)

「じゃ、誰かできる人いそうだね。」

「いなかった時のために、ボウルを発注しておきましょう。」


 この時、広めのカレー棚を作ることが決まった瞬間であった(某公共放送風)。


「風の中のジュ…♪」

 イートインは静かに過ぎる事はなかった。お酒の暴走はなかったものの、お姉さま方に巻き込まれ、若手冒険者たちが、店内を右往左往して、大騒ぎの夜であった。この後は静かに過ごしてもらいたい。

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