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異世界コンビニ『戦場のファミリーストップ』開店です!〜今日も足立区から通勤。グルメS級冒険者、常連主婦と現代の魔道御庭番の強力タッグで“美味しいバトルの連続です!”  作者: 柿野たね
第2章 二日目・集中討伐ってなんと戦うの?

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第21話 集中討伐の翌朝は……静かだった。朝一番の大事な連絡は……交代でも温かい朝ごはんです。

「そうそう、あさちゃん、柳田室長が岡山行ってくれたんだって。」


「えっ?お義兄さんとこ?」

「うん。飛行機とタクシーで行って来たって。」

「夜、いらしたわよ?」


「ほんとありがたいよ……Zzzz……」


「ジジイ、昨日も畑行ったって!」

「片道40キロ、柳田さん、驚いてたでしょ!(笑)……りおちゃん、りおちゃん?……寝たのね。」


 二日間の激務で疲れが溜まってたのか、喋りながら眠ったようだ。

 ノエルもおばあちゃんの部屋へ出張中。実くんたちぐらい若かったら、ムフフの時間だったかも……。


 残念……。


 ……


 数時間の睡眠で目が覚めた……。仕事が溜まってると、自然と起きてしまうのは、フリーランスのサガなのかもしれない。体を起こして、ローテ表を作らねば……。


 データベースの依頼もこなしてるので、表計算のExceliはそこそこ得意である。……でも嫌いだ。トライ&ゴーが多すぎて、例の二重意識『俺』が出没するのが気持ち悪い……。覚えたくない関数を覚えてしまう。


 ……『お手伝いしてやるぞ〜』


 ほら!


 今回、初めてCOUNTIFを使った。縦に曜日、横に担当時間、名前を入れていって、誰が何回出勤してるかのカウントをするためだ。……これぐらいのことは1時間もあればできると思うと、気になって起きてしまうのだ。

 ま、一眠りできたのは、疲れてたからだろう。

……『そこ、セルの選択、間違ってないか?……そっちだろ!』


 『俺』よぉ〜……わざと嘘教えるの、やめてくれる?……こいつ新しい手法を覚えたらしい。

……『ちょっと見せてみろよ!』


 ローテ表、見たいって?……あとでなろう室長のOK出たら、配布しま〜す。



 ……


 朝5時半、開店30分前……。お店に実くんとことりちゃんとミナさん。それから、あゆみと康太と春樹の高校生組が揃っていた。……福副室長もいるか。


「おはよう!早朝からお仕事ご苦労様。」

「30分で準備だけど、お客様少ないと思うわ、……無理しないでね〜」



「では、一番大事な連絡〜」

「とっても重要な、……朝ごはんについてで〜す。」


「確かに!」

「一番大事ね!」


「朝食のおかずは調理室のテーブルのマジックバッグに入れとくから、8時になったら交代で食べてね。」

「『僕のご飯、ちょうだい』で、自分の分が出てくるようになってるよ。」


「「「なにそれ、すごい」」」


 本来は朝礼の時間だが、しゃっちょこばった時間は苦手だ。あさと二人で、挨拶と朝食の説明をした。


「いくつでも出るの?」


「あゆみ、もちろん、一つだけよ!」

「えぇ〜おかわりはぁ〜」


「いっつも、朝は、お代わりしないでしょ!」

「だって、マジックバッグが楽しそうなんだもん!」


「ご飯で遊んじゃダメって、ことりちゃんに怒られるわよ。」

「昨日、ジュリエット姉さまも、叱られてたよね!」(汗)


「欲張っても、自分の分だけよ。」

「は〜い」

「入れる時、あゆみの朝ごはん、春樹の分…。て唱えて入れると、覚えてくれるの〜」

「すごいだろ〜」


「「「魔道具すごすぎ!」」」


「魔法はイメージが大切なんですって。」


「「「そうなのぉ〜」」」


 こういう反応、全員揃ってるのが、若者らしいね。


「パンとおにぎりはおかわり自由よ〜」

「ベーコンとオムレツ、サラダとスープは一人分ずつ、出来立てをマジックバッグに入れてあるよ。」


「インカムつけといてね。……店内放送でインカムつけて!は『ノエルさんお散歩です』よ。」


「基本、あさと僕は調理と店内カメラの映像見ながらみんなに指示します。」


「ローテは、今日のレジ担当は春樹と実くん、康太ね。……この表、とっても見やすいわ。」

「朝一番、頑張りました!」

 ……『俺としては、手抜きすぎるぞ〜』


「見せてぇ〜」


挿絵(By みてみん)


「プロっぽくない!」

「眠かったから、適当になってます。春樹、データあげるから、あとで直して。」


「タダ働きはやりません。」

「じゃ、いいや!」

「ブラックぅ〜」


「調理担当はことりちゃんと後から来るカエデ、あゆみとミナさん。」

「たくさん作らなくて良いよね。」

「そうね。あとでギルマスに聞いてみるわね。」


「全員、手の空いてる時、必要な時は、品出しもお願いね。」

「表の通り、毎日誰か二人は休日です。」


「はい、みんなお仕事スタートよ!りおちゃんはオムレツ作ってね。」

「このローテーション、室長のOKもらったら、発表するね。」


「……りおんさん、それOKだそうでぇ〜す。」


「早や〜。」

「さっき、返事しといてって、メール来ました。」


「あ、トラックこっちだから、福の神も寮で寝てたんだよね。」

「はい!寮、快適でした!」


「いるの忘れてた!……ご飯、先に作るね。」

「俺、影薄いんだなぁ。神なのに…」


「えっ、福の神って、気に入ってるの?」

「気に入ってはいないですよ。でも会社中そう呼ぶから諦めました。」



「そか。直接呼ぶのはやめとくね。」


「影では呼ぶんですね。」(笑)

「朝一はみんなでお惣菜、おにぎり、サンドイッチ、お弁当コーナーの商品を並べてね。」


「「「はーい」」」


「その間にあさたちで、コロッケと唐揚げとおにぎりのパッキング。夜、作るだけで精一杯だったからね。」

「マジックバッグあってよかったね!」

「マジックバッグ様々ね!」


「昨日、作るそばから売れちゃったからね〜」

「あとは商品棚のチェックと店頭の掃き掃除。チェックしつつ開店準備です。」


 福の神の件は、華麗にスルー……。こっそり呼ぼう!


「じゃ、6時から営業スタートします。準備頑張ってねぇ〜。」


「「「はーい!」」」


 全員、元気な声で応えてくれた。


「昨日の集中討伐で疲れてみなさん寝てるだろうから、今日はゆっくり準備でいいと思うよ。」


「レジの康太とミナさんはマニュアル見ながら、適宜、確認してね。」

「ミナさん、あさや僕にも遠慮しないでね。そういえば、おばあちゃんは?」


「お家で寝てたよ。」

「おばあちゃんは御意見番だから、自由出勤で。」


「リストに入れ忘れたんでしょ。」


 ギクっ



 はてさて


 今日もドカンドカンと砲撃音… 流石に飽きた!


「開店時間ですね。ドア開けます。……いらっしゃいま……」





 どんなにキョロキョロしても、広場のどこにも、お客様が居ませんねぇ〜


「今日は誰もいらっしゃらないですねぇ〜」


「「「開店休業?」」」


「コロッケと唐揚げ、おにぎり作るのやめとく?」

「お昼の分以上にあるもんね。ひとまず様子見?」


「ミナさんと私、帰って寝ようか?」

「いやいや、あゆみは学校でしょ」


「そうだった、休めると思っちゃった!」(笑)

「私も、お休みいただいて、引っ越し準備しようかと思っちゃった」


「ミナさん、引っ越し準備に行ってもらってもいいわよね。」


「ミナさんさえ良ければ、それでもいいよ。突然で悪いね。」

「この後帰ったとしても、出勤半日、有給半日、使っていいよね。ファミプって半休ずつも使っていいんだよね⁈」


「大丈夫じゃない? 店長権限!」


「じゃ、朝の準備がひと段落したら、帰って部屋の片付けします。」

「突然悪いわね。」

「引っ越しは会社の配送係がやってくれるって聞いたので、早めに準備します。」


「福くんか柳田さんよね。」

「ひとまず明日の夜には簡単な荷物と一緒に戻ってきます。実家なので、全部運ばなくても大丈夫です。」


「あゆみは今日はお休みでいいわよ!」

「あゆみは学校から帰ってきてからも働く!事件見逃すもん!」

「事件あるって、決まってないよ。お姉ちゃんにそんなこと言わないでよ。」

「ママに心配かけるもんね。」(笑)


「はーい、じゃ、片付けや陳列。お仕事開始ぃ〜。時間あるから、マニュアル読みながら、仕事しよう!」

「調理係もお掃除手伝うかな。昨日適当だったから、やっといたほうがいいよね。」

「はーい、よろしくね」



 はてさて


「ごちそうさまでした。配達行って来ま〜す。」

「運転、気をつけてね。お昼ちゃんと食べて、休憩するのよ?」


「あささん、母さんみたいになってますよ。……お昼もこっちに戻って来ます。」


「一昨日からみんなの世話してたら、母親気分にもなるって…。」

「なにしろ、疲れてるから、無理しないでね。」


 7時前、福の神を運転席に鎮座(ちんざ)させて、配送車が出かけていった(汗)。それから1時間。



 ……


「ご飯できたよ〜。8時すぎたから、手の空いてる人はご飯食べていいよ〜」

「お店気にしながらの朝食だけど、普通の範囲でゆっくり食べてね」

「食べ終わったら、食洗機のトレーに並べて、お仕事再開ね」


「高校組は食べたら、そのまま学校行っても良いよ。」


「「じゃ、そうする!15分ぐらいから食べる。」」


「いつも朝ドラの時間内で食べてるから大丈夫なの……」


「お姉ちゃん、好きだもんね。……そんなとこ隠れてないで、カエデも一緒に食べてね!」


「あ、おはよう!あさちゃんに見つかったか!悔しい!……こっそり覗いてたのに。」


「あ、それで怪しい格好してたのね。……ごめんね。」


「お母さんもパートだから、二人で朝ごはん、食べて来た!……こっちで働きたいって、叫んでたよ!」


 お義姉さんの必死感が伝わって来ます。何かがギリギリ削られていく。



「「じゃ、私たち、先にいただきます。」」

「僕も」


「ことりの朝ごはん出てこい」

「朝ごはんください。」

「僕のもください。」


「「「すごいね!出てきた!」」」


 かなり適当でも理解するマジックバッグ、AI以上に賢い。


「「「このオムレツ、美味しい!」」」


「そだろ、そだろ。YouTubeでオムレツ動画アップしてます。」


「「「再生回数100万回?」」」


「数百です。」(悲)


「「シー、触れちゃいけなかったやつ。」」


「枇杷の収穫は、毎年何千回も見られてるよ!」

「梅干しとか?」

「お年寄りのアイドルよね。りおちゃんって。」


「悪いか!」

……『新しいの、作れよ!リベンジだ!』


「ベーコンもいいやつ? お店のじゃない!」

「それ、討伐隊のお土産よ。オークキングのベーコンだって。」

「昨日の討伐で獲れたやつ?」

「以前に獲ったやつを燻製にしたのなんだって」


 なんか、気を遣われたのか、話をはぐらかされた。


「龍の槍のお姉さんがくれた。」


 エルフの姉御から、ちゃっかり貢物をもらってるあゆみちゃんであった。


「サラダは足立区のスーパーの野菜だけど、プチトマトとモッツァレラチーズはお店のよ。野菜はコンビニの卸値の方が高いもの。」


「一日1度はクロスバイクでスーパー行かないと、気が滅入る主婦さん。いつの間に行ってきたの?」

「一昨々日(さきおととい)、買ってきた分よ。早く使ってしまいたかったの。」


「パンとおにぎりは、好きなだけ食べてね。冒険者さんほど食べると、お店傾くけど、あんたたちなら、大丈夫よ。」


「食べる前に、バーコード読み取って、経費清算しておくこと。」

「マジで食べるの仕事ってかんじだね。」

「後で困るのレジ係だよ。」


「「「はーい」」」


「あさちゃぁ〜ん、『朝ごはんください』っていったら、もう一皿出てきた!」

「もう一回言っても、出てこなかった〜」


「それって、あさちゃんのご飯って思ったのか?」

「そうかもぉ〜……今度試してみるね!」

「あさちゃんのご飯、で3皿ぐらい入れておくよ!〜」(笑)



 この間も数人の冒険者とお昼のお弁当を目当ての街の人が来店されたが、ごった返すようなことはなく、穏やかな時が過ぎていった。


「ねぇねぇ、りおちゃん、外を歩いてる人が、不思議な顔つきで見てるわよ。」

「出勤中のお役人さんやお掃除してる街の人たち、驚いたような顔でこっちみてるね。」

「昨日の今日で、真面目に営業してるんダァと呆れている雰囲気じゃない?」


 あさと二人で外を見てたら、見返された。たぶん本当に呆れられてたのである。


 あとで聞いたが、あれだけ忙しかったら、普通は少なくとも午前中はお休みするだろうというのが、こちらの感覚だったのだ。


「今日は朝の営業遅らせても怒られなかったんじゃない?」

「勝手に開店時間遅らせたら、足立区だったら、本社の電話が鳴り止まないわよ。」


「あ、その電話対応で、午前中ずっと受話器話せなかったことあります。」

「ミナさん、本当にあるんだ!」


「近所のコンビニ、職人さんのトラックで朝は混んでるもんね。」

「期待して、閉まってたら、僕も怒る」(怒)


 それでも、朝一からちゃんと営業するのが あさとりおん達だと思う。


「はい、大変ですよ!……休まないでくださいね!」

「みなさん、大丈夫、こっちでは大変なのはギルマスたちだから。」



 遅い朝ごはんとか買いに、この後、誰かやって来るのか。

 ……心配しながら、働いてる りおん達なのであった。


 事件を期待しながらあゆみは登校していった。

 その後を、春樹と康太が追いかけていった。


 青春だなぁ〜。義理の従兄弟と兄だけどね。


 事件はなくていいんだけど、お客様は、もう少し来ていただけたほうが嬉しいな。

 お昼前ぐらいからは、ギルマスあたりが来ると思うんだけど……。



 まぁ、ギルド総出の討伐があった翌日、起きてるのが普通じゃない。真面目に定時から営業してる日本人が、確実に浮いてるダンジョンの街なのであった。


 改稿疲れで作った表です。またいつか、手直しするかも!(汗)

 真面目に働いてるりおん達を褒めてあげてくださいね。


 【★★★★★】お願いしま〜す。

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