第17話 集中討伐終了、居酒屋イートインで地域の情報を聞いたら、怖かった!
シャワーを浴びる強者、出てくるでしょうか? 前話から気になって、夜も寝られません。
「「ただいまぁ〜」」
「「「帰って来たよぉ〜」」」
「「「「「大成功だったぞ」」」」」
「「「「お帰りなさぁい」」」」
「ご無事のおかえり、お疲れ様でした。」
「ご案じくださり、ありがとうでござる。」
「多少の怪我人は居たかしら、全員無事帰還してるわよね。忘れてきた子いる?」
「ジュリエット、全員いたニャァ」
「秋山先生、ジュリエットさま、お疲れ様でした。」
「店長、ギルマスが「こっちでも足と装備ぐらいは洗える」って言ってたから、先回りして帰って来たの。洗い場ある?」
「はい、シャワーは流石に無理ですが、装備と足元はあちらでお流しください。」
「店長、記念タオル、お渡ししてもいいですか?」
「うん、昨日渡し忘れたから、使って使って!」
「レンタルタオルセット、用意してもいいかもね」
「ありがとう」
「手前が男性、奥がお姉さま方、不届き者が覗かないように、私が見張ってます。」
「わざわざ見たいもんでもねぇから、覗かねぇって。」
「昼休みも手ぬぐいで拭ってる私の胸元をチラチラ覗いてたの、どなたでしたっけ?」
「見えそうだから、気になっただけだ!」
「「「「ギルティ!」」」」
「ジュリエットお姉さま、しっかり見張ってますね。」
「「「あゆみちゃん、おねがいね。」」」
今日も絶妙なコンビネーションのあゆみちゃんとお姉さま方である。
「足、気持ちいい、シャワーもしちゃおかしら。このシート下ろせば、見えないでしょ。」
「ことりちゃんも呼んで、しっかり見張ってますね。ボディシャンプーお持ちしますか?」
「昨日買ったの持ってるから大丈夫。隣の奴らの見張り、お願いね。」
「流石に下着は脱がない方がいいわよね。着替えも持って来てるから」
「俺たち、先に買い物してるぞぉ。…ここにいると冤罪かけられそうだ。」
「「「はーい、お酒とおつまみ買っといてねぇ」」」
ちゃんとシャワールーム増設した方がいいかな?
もう、いっそコンビニやめてスーパー銭湯にした方がいいかも!
あゆみや春樹たちアイドルにして、スーパー銭湯アイドル『純情』とかって、よくない?
問題無いようにと店舗入り口側に立って、成り行きを見張ってた僕、あさに睨まれそうな妄想をしないように、健全な妄想を膨らませているのであった。
健全か?腹黒すぎない?
「スーパー銭湯いいですね。ノウハウあるやつ、引っ張って来ますか?」
「社長、暇なの?」
「失礼ですねぇ、急いで業務片付けて、応援と明日からの相談と、邪魔しに来たのに」
「邪魔って、自己申告かい!」
「確かに、レンタルシャワールームはあった方が良いね。海の家のパッケージなら、マジックバッグでは運べるね。柳田さんにお願いしとくよ。ただし、スーパー銭湯はしばらく無理だよ。」
「やりませんよぉ。…最初流しといたけど…、心読めるの?」
「悪巧み考えてる顔してましたよ。投資回収してないのに、勝手に業態変えられてもねぇ。」
経営者って、すごい!あさ、ランクアップしてさしあげて!
問題無いように立ち会ってますって言い訳しつつ、入り口付近から立ち去れない男二人、シートの裏のお姉さまたち、妄想しない方が無理だよね。レジからあささん睨んでますヨォ。
こういう時はレジになぜか移動してる。
その影にはミナさんも…アラサー女子は鋭いのです。
はてさて、平和は続くのか!
「おまたせぇ〜」
「また買って来たのか?」
「スイーツって買ってないでしょ。」
「スイーツ?」
「この店オリジナルの可愛いお菓子よ。ケーキとかプリンとかっていうのがあるのよ。男ってこういうの気づかないでしょ。」
「これか?」
綺麗になったお姉さま方の手にはスイーツ入りの紙のレジ袋。リーダーの前には俺おすすめの牡丹餅が8つ、並んでました。
「あそこの棚眺めてたらさ、店長が「男性にはこちらがおすすめですよ、食後にどうぞ」っていうから、買っといた。食い物は色とりどりで可愛いから握り寿司ってのと、サンドイッチと、おにぎりもいるよな。そんなところで良かったか?」
「その黒スライムはちょっとパスかなぁ、他は可愛い。70点ぐらいあげてもいいわよ。」
「私は黒スライム、食べてみたい」
「このいちごのショートケーキっての可愛いでしょ。それから縞模様がおしゃれなティラミス。これ、いいでしょ」
「まぁ、女子っぽいな」
「あげないわよ。」
パクッ
「おいしぃ〜」
「いらねーよ!」
想像通りの展開、こちらでもスイーツは女子のものって展開が始まりそうです。でもねぇ…。スイーツ、男も美味しいのに。
「まぁ、今日はお疲れ様。さ、打ち上げダァ。飲むぞぉ食うぞぉ〜」
「あゆみちゃんが言ってたビール、生ビール缶買ってみたの。」
「私飲んだことないけど、お父さんのお使いで、買い忘れるとコンビニに走らされてたから毎日飲みたくなるらしいですよ。」
「コップ、お持ちしますね。」
「このまま飲めるんでしょ。いいよいいよ。飲み干せる!」
「苦手な方もいらっしゃるから、まずはお味見を」
「そう…?」
「あわあわで可愛い。」グイッ
シュパァ〜
「ちょっと苦いけど私は大丈夫!美味しい!」
「えぇ、泡可愛いけど、私は苦手。」
「私はレモンサワー缶の方がいいかにゃ?」
「じゃ、それも飲んだげる!」
コップと缶の両方をゲット、3缶集めたエルフの姉御とほっとするヒト族魔法使いと山猫娘とである。
「戦の後にはスッキリする味わいだな。乾いた内臓に染み渡る心地よさ。毎日飲みたいあゆみ父の気持ちがわかる。あゆみ父も毎日戦っておるのだな。」
「いえいえ、サラリーマンです。満員電車に揺られて会社でお仕事してます。」
「満員電車?」
「私たちのところの父たちは、毎朝、大きな箱にぎっしり詰め込まれて、1時間ぐらい運ばれて働きに出かけるんです。で、帰りも1時間ぐらい詰め込まれて運ばれ、帰宅します。立ったまま寝てる強者もいるそうですよ。
父は途中で誘惑に負けて、居酒屋で生ビール飲んで帰ってくることもあります。」
女子高生、説明雑…。
「そりゃ、毎日のように戦っておるではないか。奴隷もそんな酷い扱いはされんぞ。今度父上に、共に飲もうぞって伝えてくれ。」
「はい、伝えときます。」
義兄さん、コワモテドラゴニュートのパーティーリーダーさんからお酒のお誘いゲットしました。頑張ってね(遠い目)。義兄さん、コモドドラゴン好き?
はてさて
「このお寿司って、ご飯甘くて美味しい!上に乗ってる赤白ピンクの可愛いのって、何?」
「生のお魚の切り身です。鮮度の良い新鮮なマグロ、イカ、サーモン、タイ、ヒラメ、卵焼き、いくら、うなぎの蒲焼です。今日はお祝いだから、高級な方を仕入れておきました。小さいのは助六。いなり寿司と巻き寿司です。」
「「「「「(恐)生魚?」」」」」
リーダーさん、剣を抜きかけない。ジュリエットさま、呪文唱えないで。ヒーラーさん、ヒーリング詠唱しなくて大丈夫。
「大丈夫ですよ。生で食べても大丈夫な新鮮なお魚です。それでもギルマスが心配だというので、ヒーリングの魔道具を通してお店に並べてます。安全性、高いんですけどね。私たちのところでは、スーパーで大量に売られてたり、高級なお店で握りたて食べたり、回ってるいお店で楽しく食べたりするんですよ。私は、回ってる店のが好きです。ハンバーグのお寿司も楽しいですよ。」
「お寿司のコーナーにも『生魚ですが安全です。試してみてください』って、ポップ買いておきました。」
「書いてあったわヨォ〜。リーダーが買ってたから、楽しみにしてたの。お腹痛くなったら、私がヒールかければいいんだから大丈夫でしょ。おいしかったでしょ。」
「うむ、おいしかったがしかし、ヒルル、ちゃんと説明してからにして欲しかったぞ。」
「リーダー一番たくさん食べてたじゃない!気に入ったってことでしょ。」
「まぁな。」
「みんなで食べてお腹壊したんなら、明日一緒にお休みすればいいんじゃない?討伐終わったし。エルフの暮らしなんて、そんなものよ。長〜い人生1日の休日なんて、一瞬よ。」
みなさん落ち着かれたようで、何より。ヒーラーのお姉さん、ヒルルって名前なのね。AkeBのアイドルみたい。あだ名かな?
「あ、討伐…。お疲れ様でした。で、なんの集中討伐だったんですか?」
あちらの冒険者さんたちもずっと気になってたことをありさちゃんが聞きたいことを尋ねてくれた。聞きたかったですよね。
「あ、集中討伐?もちろんダンジョンで魔物を討伐して来たのよ。」
「「今日、あいつら、魔法弾打ってなかったにゃん(でしょ)?」」
「なかったにゃん⁈」
「静かだったにゃん⁈」
あゆみとことりちゃんも「にゃん」になってますにゃん。にゃん語は感染るんです。
「あいつらって、あいつら?」
「そう、創◯◯国、どこで聞いてるかわからんからねぇ。あいつらね、毎日獣人国マノッサに魔法弾打ってるでしょ?」
「あれにゃ、言い分としては獣人国側のテロに対応して拠点を攻撃してるって言ってるんだけど、ほとんど住宅や民間施設。それにどっちが先かは、関係国でも意見が対立してるにゃん。」
広報のお姉さん、酔ってるようです。語尾はにゃんに統一されました。
「1発殴られたら、1発撃ち返すって感じで、そりゃテロしたくなるわよね。最近は荷車に仕掛けた爆弾で自爆テロまでするんだから、…怖いのはわかるわよ⁈」
「でもね、毎日の魔法弾はやりすぎよ!」
「それは酷いけど、ダンジョンの街は永世中立なんでしょ?なんでダンジョンで集中討伐の日があるんですか?」
「それはなぁ、ダンジョン周辺の荒野に、テロを失敗した獣人国の人間が逃げ込んで、それめがけて魔法弾が撃たれたり、わざと獣人冒険者を誤射したりする奴がいるんだよ。誤射の場合は、結界魔道具でなんとかなるが、テロの奴らはかわいそうなんだ。獣人は魔法苦手なのが多いから。」
「うちも苦手にゃ。使えるのは拳に魔力を蓄えて殴る刀剣魔法、戦闘魔法ぐらいのもんにゃ。結界は魔道具持ってるにゃ。」
「なんとかなっても、怖いから弱い若手は上位パーティーと合同以外ではダンジョンに行き難いんだにゃ。」
「だから、集中討伐日を設けるようにしてるのさ」
「集中討伐の日は、打ってくるなって取り決めてあって、打って来たらそっちに向けて、極大魔法弾打ち込むぞって、警笛鳴らしてる。」
「姉御たち魔法使い冒険者の方が何倍も魔法弾大きいからね」
「「ひよっこ兵士なんかには負けないわよ(にゃ)」」
「特にじゃ、ここのところダンジョンの魔物が増えておったからのぉ。上級中級揃って、経験不足の若者も連れて、初級は上層部を、上級中級はそれぞれ得意な階層に、今日は一斉に潜っておったというわけじゃ。」
「今日、こちらに残っておったのは、くじで負けた街の防衛担当というわけでござる。」
「次回は優先で討伐組に入れるがのぉ」
あ、ドボルジンクさま。ドワーフさん、さまに昇格。
「一日1回は来ないとの…。この炒飯というのがうまそうじゃったから、これにしてみたが、そのお寿司つーのもうまそじゃの。生魚か?」
「お寿司はそれがしも購入致した。ドボルジンク殿もおつまみくだされ。」
「それじゃぁ、馳走になろうかの。そなたも炒飯食べるが良いのぉ」
「取り分け皿お持ちしますね。」
ドボルジンクさまは特盛炒飯4パック、秋山先生は桶盛りお寿司5人前を4つ。ちょうどお座敷は机を4つずつ合わせて、2列だったので一つずつ真ん中に置かれた。近くのテーブルにも配られた。集中討伐日は宴会と決まってて、いつもは広場で酒と食い物を持ち寄るらしいのだが、今日はイートインに入れるだけは、こちらに、溢れた人たちは広場に…。
居酒屋だけでは流石に入り切らないので、最初は広場、二次会居酒屋だったのだが、イートインがかなり大きかったので、ツメツメにして、イートイン主会場。広場残り、二次会居酒屋と相談したそうです。イートインは22時までだから、ちょうど良いということらしい。教えてよ!足りなかったらどうしよと、寿司桶10桶とか特盛各種とか大量に注文して、余ったら、ラベル改竄するしかないなぁとか悩んでたんだから。ねぇ、社長。
「それはやっちゃーダメなやつでしょ。会社が潰れる」
「あ、意外と真面目なんすね。」
店内モニタを見ていたら、社長が近づいてきた。顔に出てたか?
音声?ふふ、内緒!
閑話休題
↑話がそれた時、本編に戻す呪文。正しく使えた。
「でじゃ、魔素がたまって、魔物が激増しておったのでござる。あと1週伸ばしておったら、魔物暴走、スタンピードが起こっておったでござろう。」
「こっちには滅多に向かってこないで、だいたいあやつらのところに行くんじゃがのぉ」
「そっちなら、放っておいてもいいんじゃないんですか?」
「こっちに来ることもあるのにゃ、あやつら、獣王国が操ってスタンピード起こしてテロをやてると国際社会に嘘八百報道しまくるんにゃ。人の国の大手瓦版握ってるのはずるいにゃん。」
「まぁ、ダンジョンの管理は冒険者ギルドの本筋だから、気張ってやらかさなきゃというわけだ。ほい、これも追加だ。」
サンドイッチオードブルのパーティー皿を6つと一口ステーキ、生ハム、唐揚げ、ハンバーグ、鳥手羽の肉肉オードブルセットを6つ、おにぎり並べたお皿も6つ、持ちきれないので春樹と康太を従えて、ギルマス登場。今日の主賓ですな。
「ギルマス遅いにゃぁ」
「「「おそいわよ!」」」
「主賓は最後に登場って言いたいが、書類仕事をしてたんだよ。サブマスが怖いからね。」
「なんか言われました?」ギロっ
あ、サブマス。ギルマスが奥様同様に怖がってる方だ。コワモテ美人って奴?
「それにしても、多いわよ。テーブル組入れても食べきれないわよ」
「広場にも持っていくから、大丈夫だ。あっちに先に持っていってやった方が、よかったかな?」
「半分は持っていってね、もうちょっと持っていってくれてもいいわよ」
姉御はちゃっかりしています。
はてさて
あやつら、創世神国と獣人国の関係、あちらの大陸の境目あたりの国の問題とよく似てます。私たちには見えてないのか、見せてもらえてないのか、そんな問題がこちらでもあるようです。朝から、ドンぱちやってるのは怖いけど、どこの国にも属さないダンジョン街。中立の立場のエリアで開業できたのは、ある意味幸いだったのかもしれないね。
イートイン、居酒屋コーナーを覗くとついつい話が長くなってしまいます。次回はイートインの続きです。ダンジョンと死屍累々のお話をお聞きします。




