第12話 北千住でイタリアン!深夜打ち上げ恋愛談義で、うっかりブラックエルフ恋を告白
「そういえば、午後、営業止まってたんだって? 暴漢捕まえたんだって?」
「私じゃ無いですぅ。秋山先生ですぅ〜」
「さすが、秋山ちゃん、えらい!」
冒頭で心配してくださった酔っ払いのお姉さん、来店時と同じこと聞いてる。……からみ酒ですか?
上手く捌いてるあゆみグッジョブです。
「ということで、そろそろお時間となりましたわ。残ったおつまみとお酒、あゆみちゃん、箸つけてないものは袋に入れて差し上げてね。」
あさちゃんが締めの挨拶と指示をした。きっちり締めて、北千住で打ち上げダァ〜
「は〜い」
「お酒も瓶に残ってるのはよくキャップして同様に。
食べ残しは自主的にお口の中へ、入り切らないものはそのまま机の上に置いといてくださいね。イートインはお買い上げ商品ですから、お持ち帰り大丈夫です。」
「残さず食べるわよぉ〜」
「箸をつけたものは一晩置くと危険ですから破棄させてください。」
「今日も最後までお楽しみくださり、ありがとうございました。」
「あと25分ほどですが、ゆっくりお過ごしくださり、連れ立ってお帰りください。」
最後はあさちゃんと僕で交互にご挨拶した。
「寝てるお兄さんたち、起こして連れて帰ってくださいね。よろしくお願いします。」
寝てる冒険者たちも、お姉さんたちも思ったよりキレイに食事していた。食べ切れそうにないものは箸をつけていない。箸をつけたものは平らげてる。お酒もコップのものは綺麗になくなり、瓶は注ぐたびにきっちり蓋を閉めていた。酔っ払ってもこの状態。……新橋のサラリーマン、見習え!
冒険者さんたちはダンジョンの中で食事をするので、残すと魔物が寄って来て危険。足りなくなると飢餓危機。……食事は危険と隣り合わせなのできちんと食べる癖がついてるそうです。
側で見て片付け手伝ってたあゆみとことりちゃん、ミナさんが感心してました。
「お姉さん、ありがとうございました。また来てくださいね。」
お帰りの際、あゆみたちが笑顔でお見送りした
「お姉さんたちもおじさんたちも、えらいねぇ。高校の学食の方がひどいよ。女子は多いって平気で残してるし、男子は食べきってるけど。ゴミは放置。今日は片付け私ほとんど手を出さなくてよかったもんね。」
今晩の殊勲賞はあゆみちゃんだね。イートイン主任の候補決定!
さて、仕事は切り上げて、この後は初日打ち上げ会と称して、北千住へ!出発だあ!
深夜に高校生つれて、大丈夫かって?……一応保護者同伴です。まぁ、大目に見てください。
「お母さん、これから初日の打ち上げなんだって、行ってきていい?」
誘拐未遂事件もありましたが、イートインで楽しんでくださったお客様も無事お帰りになって、片付けも終了。こんな時間です、保護者の確認重要です。カエデに電話してもらっているところです。
「夕方、柳田なろう室長さんが来てくれたから、よろしくお願いしますって言っといたわよ。」
「えっ?……そうなの〜……あさちゃん、ママが柳田なろう室長さんから、連絡来てるって……」
「柳田さん、えらい!……さすがなろう室長!」
……『おめ〜ら、褒めてんのか、貶しとんのか、どっちや〜……なろう室長はん。怒っといたでぇ!』
「色々興奮してるようだから、お泊まりにしてもいいですか? 男の子はお店に、女の子はあさの家に泊めるかもって、なろうさんから、聞いてるわよ。」
「数分でも、真夜中あんたたちだけで帰ってくるより安心よ。
……私も行きたいわ、イタリアン。夕方頼めばよかった!」
「俺も行きた〜いって、なろうさんとりおんに言っといて。次からは誘え〜って。」
「パパ、りおちゃんもさっき聞かされたみたいよ。……」
スピーカーでみんな聞いてたから、柳田さんも困惑顔……。
「りおんさん、店長〜(怒)。こうやってご家族で『なろう室長』使ってるんですね!」
「まぁ、親しみを込めてということで……。」
「実。まさか君たちも陰で……。」
「あ、修一さんが広めました!」
「そうですか。あいつですか。帰ってから締めます!」
「じゃ、柳田なろう室長、あとはよろしく」
「社長〜辞表持ってきますよ!(怒)」
「まぁまぁ、『楽しくなろう特務室』ってことよね。今日はそういうことでご了承くださいね。……柳田特務室長!」
「『楽しくなろう特務室』それ、いい響きですね。正式採用します。」
あさの笑顔と、本音は怒ってない柳田さんの締めで、綺麗に集結した。……なろう室長が正式になっても困るなぁ〜新しいイジりワードを探すのめんどい。社長、正式認定は却下で!
実は春樹誘拐未遂事件について、柳田さんが兄貴と義姉貴に報告してくれて、篠山家は訪問もしてくれていたらしい。未遂で、安全対策も対策以上に冒険者の方が気をかけてくれたことを説明してくれたらしい。
PTSDも心配だから、今日は弾けさせておきたいと、色々企画してくれたらしく、兄貴夫妻も篠山夫妻も了承してくれてたらしい。特務室、グッジョブ。未成年4人を自室に引き込ませると様子が見えなくなり、ケアが難しいと判断したようだ。足立区から派遣の社員組3人も同様だ。
まさか、今の一連も柳田さんの仕掛けじゃないよね?(汗)
はてさて
酔って寝込まれたドワーフさんと秋山先生を警備の冒険者にお願いして、みんなで福副室長が運転席に座るマイクロバスに乗り込む。埼玉県民の池袋と同様に足立区民の集合場所、北千住にレッツゴーなのである。
「「「「イタリアン!イタリアン!」」」」
「あれ? 旦那にイタリアンって、連れて行ってもらったことない!社長、ランクアップしとこかな!そこそこ元子役!ぐらいでいいかな? 旦那は宿六にランクダウンで!」
「十条の時サイリア、毎日行ってた日もあるやん」
「サイリアと一緒にしたら、アルノ社長泣くよ」
「環七空いてるから、池袋でもよかったんちゃうの? 帰りもマイクロで……」
「僕が飲めないじゃないですかぁ〜」
「着いたらレンタカー返す時間だしね」
「あれ? ノエルは?」
「疲れたからまるとくっついて寝てた。」
「あさ、眠いから……布団引こうかね?」
「お店に置いて来たの? 大丈夫かなぁ?……お婆ちゃん、美味しいご飯食べてからね。」
「叔母ちゃん、スノーよ!」
「叔母ちゃん呼ぶな、あさちゃんて呼べって教えたでしょ。お姉ちゃんが若気の至りであんたたち産むから……(怒)」
「ひどい、私たちって、若気の至りの結果なの?」
「うん。兄貴のとこも似たようなもんかな!」
「えぇ、僕もぉ」
「りおん君、それは酷い言い方では?」
「あ、いつもの浅田家・篠山家ネタですから、ご心配なく。兄貴も義姉貴もちゃんとした大人の恋をして、こいつら授かりました。」
「やめテェ、親のあれこれは聞きたくなイィ」
「お、聞かせてやろうか。ちょっとオモロいぞ」
「「「「いい、本人に聞く!」」」」
「「りおちゃんとあさちゃんは、ネットで出会ったんだよね。」」
「「出会い系の走りだよね」」
「そうなんですか? なんでそんなこと甥っ子姪っ子が知ってるんですか!?」
「まぁね、ネタにしてるからね。自分をちゃんと持って、サイトを見極めれば、出会いはどこでも構わないんじゃない?って話してます。」
「ほぉ、叔父としては心配じゃないんですか?」
「出会いより、愛情は育てるのが大切なんだって教えてます。」
「ふむ」
「出会いはまぁ、共通点があるから興味を引いたんだと思うんですよ。だから、映画行こうとか、買い物行こうとか、友だち同士からスタートするのがいいよって。」
「すごいレクチャー」
「その次は手を繋いで歩いたりと、少しずつ一緒にいることを楽しむことが大切だよって、教えてるんです。けど……」
「「「けど……?」」」
「効果は無いようですね。職場が一緒ってのも素敵だと思うんで、期待してます。」
「いいのを色々このあと連れて来ますね(笑)」
福の神が、言ってるいいのは、追加のスタッフのことかな?(笑)
「「「「期待してま〜す。」」」」
「家族としては、あっちでバイトすると出会の半分が異世界人になるのでは? と、ちょっと心配してましたね。」
「本人がこいつって選んだ奴なら、獣人でもエルフでもドワーフでもいいって。姉さんもお義兄さんも言ってたわよ。」
「本音はちょっとは気に掛かってるらしいです。エルフさんや獣人さんとだと、こっちで暮らすことになりますからね。伴侶を向こうの友達や親戚に紹介できないでしょ?」
「ご家族で、そんなことまで話してるんですか?」
「こいつらのことを相談した時、異世界どうこうよりも心配だったのは、それだったみたい。兄嫁は春樹の妹とラノベ談義に花咲かせる人だし、義姉の旦那は異世界もののイラスト描いてますからねぇ。下準備はあったと言うことですかね?(笑)」
「変な家庭!」
「って言うより、今回のプロジェクト、浅田家で正解でしたね。」
「篠山家もすごいです。」
アルノ、福くん、柳田さんに変な評価をされた。
バスの中では、若い浅田家に押されて、助っ人チームは静かです。若いエネルギーは疲れないのか?
「僕はブラックエルフさんがいいです。」
「「「プゥ〜」」」×全員(直噴水)
「実、大惨事になるとこだったぞ!……飲んでなくてよかった!ジュースとかだったら、マイクロの掃除大変でしたよ!」
福くんが笑い転げて、最後の最後にかましてくれた実くんです。
「やっぱり、エリンさんが好きなんだ。」
「アフリカ人じゃなかったの?」
「行ったのはアフリカなんですけど、エリンさんはブラックエルフですよ。」
やっぱり、エリンさんはブラックエルフ。テイムしてるのは巨大アフリカライオンの魔物ってことね。そろそろお店に着いたから、あとはお店で聞こう!……。
「お店に到着しましたぁ。レンタカー返却してくるので、室長、皆さんのご案内お願いします。」
「おう、支払いは社長、よろしくです」
「えぇ、俺なの? 経費清算だからなろう室長でいいでしょ」
「社長!(怒)」
「はい。僕が会社カードで払います。」
「「「「大人の世界は世知辛い」」」」
「こんなの見習わないでね。」
「「「はい!軍曹!」」」×若手全員
従兄弟組と若手組で敬礼!
一日で、あさ派が出来上がっている気がする。
「会社カードにしてから、ポイントで自分の物は買えなくしたんだよ!……経理課と次の買い物に当てると取り決めたんだ。今日K社の社長、「俺は自由に使えるぞ」って自慢してきやがってさ!」
「「「アルノさん偉い!」」」
「感覚おかしいのは、K社の社長だよね。」
「自分から会社のことに使うと決めたアルノさん、偉いと思うよ」
「まあな!」
はてさて
「いらっしゃいませ。イタリアン料理『ベニスの泉』にようこそ。」
「「「???」」」
イタリアンはわかる。『ベニス』もわかる。なんで『泉』なの?
冒険者の食事のマナー、行儀の良さに、心底感心して、経団パーティーの社長の知人のポイント利用に呆れ、エルフのお姉さんに心配される。ほのぼの回、いかがでした?
冒険者の皆さん、ぜひ、よいお酒をお楽しみながら、あとしばらく打ち上げモードにお付き合いください。
冒険者、偉いなって思ったら、★★★★★くださぁ〜い。




