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第104話 ファミプのPOSシステムの謎が……「ママも、カエデのオリジナル漫画読みたいわ。」

「めでたく、ここに『ギルド・ファミプ食糧販売協定』が……成立した。」


 カエデがぼそっと語り、あゆみが爆笑しつつ聞いていた……。


「それなに?……カエデちゃんの新しい漫画のト書き〜?」


「だって、私の漫画、ファミプで売り出してくれるって、さっき聞こえた気がしたんだけど?」

「何それ〜?」

「調理してたら、階段のほうから、そんな話が聞こえてきたの〜……」


 その場にいた全員、ブラックウルフチームとその子どもの頭上まで、『?』はてなマークが……見えた!



「あ、言ってた!」


「修一さん、……やっぱり、言ってたでしょ。」

「カエデちゃんの叔父さんが、やばいって話と一緒にしてた。」

「ねぇねぇカエデちゃん、かっこいいお兄さんって感じね。……修一さんって、新しいスタッフさん?」


「あ、挨拶してないよね。……修一と言います。父がお世話になってます。」


「柳田さんの息子さんで、ことりちゃんの……従兄妹?」

「あ、僕らと一緒!」

「僕、カエデちゃん達の義理の従兄弟で春樹です。」

「カエデの妹のあゆみです。」

「双子の兄の康太です。」


「「「よろしくお願いします。」」」


 ちょうど隣で聞いていた研究室の3人も加わった……。



「福田琴子と言います。兄二人がお世話になってます。私もことりちゃんの従姉妹で幼馴染です。」


「俺は?幼馴染じゃないの?」


「惣領さまに、そんなこと言えません。」

「気にしないで欲しいのに……。」


「奥山マナです。ミナの妹です。寮に入るので、よろしくお願いします。」

「ご近所さんだぁ〜マナお姉さん、よろしくね。」

「あゆみちゃん?よろしくね。」


「末っ子パワー恐るべし。」(小声)


「りおちゃん、なんか言った?」

「いえいえ、別に……」


「田沼仁です。よろしくお願いします。」

「田沼さんて、意次(おきつぐ)さまの親戚?」

「春樹くん。江戸時代の老中、よくご存知で……。」


「秋山先生に守ってもらってから、剣客(けんかく)商売読んでます。」

「そうなんですね。意次は秋山先生のお婆様のお父上なんですって。僕はその分家の子孫です。」


「「「えええぇぇ〜」」」


「お前ら、聞いてなかっけ?」


「いろいろ喋りながらだったから、聞き逃してたかも。」(笑)

「お店で案内してたし!」


「さっき、先祖と子孫の初対面、……すごい感動的だったんだよ。」


「それ見逃したの、痛すぎよね!」

「痛恨の極みであります!」

「なんたる失態!」


 珍しく名場面を見逃して地団駄踏んでる、従兄妹軍団であった。


「りおんさん、この子たち、回転よすぎ!」(笑)

「修一くん、特に春樹は君の役に立つと思うよ。よろしくね。」

「春樹くん、失態しても大丈夫だから、よろしくね。」


「春樹、修一くんは冒険者Payのファミプ側の開発責任者だ。」

「え、すごい!初日から不思議で聞きたかったんですけど、どうやってPOSと魔道具で、データをやり取りしてるんですか?電気と魔力、繋げないでしょ。」


「春ちゃん、それ、すごいことなの?」


「あゆちゃん、手書きの手紙はメールで送れないでしょ。」

「電気と魔力、別物だから、普通じゃ繋がらないんだよ。」


「打ち直すしかないわよね〜」


 出会って早々にあゆみ相手にコンビで解説してる春樹と修一くん……。


「魔法で送ってる手紙をメールで送ってきたってことだよ。」


「え、魔法の中で、誰かがメールに打ち直してくれてるってこと〜?」


「あゆみちゃんのイメージは合ってるよ。みんなちょっと寄って、囲んでね。」


「この小さな部品の中で、コロボックルさんが打ち直してくれてるよ。」(笑)


「これ、水晶振動子ですか?」

「惜しいけど、物は一緒。春樹くん、詳しいね。」

「時計の中で、時刻を刻んでる水晶よね。」

「カエデちゃんも漫画のネタで覚えた?」

「うん。」


 修一は従兄妹組にだけ水晶の部品を見せて、さっとポケットに戻した。


「さっき、話したとこだから、今度また、説明するね。みんなの方が頭柔軟そうだけど……。」

「俺たちは理解力なかったってことか?」

「父さんとアルノ(にい)は疑問すら感じてなかったでしょ。」


「「まあな」」



「あ、で、私の漫画!」


「あぁ、その話だったね。柿野タネさんがなろうに【冒険者コンビニ『戦場のファミリーストップ』オープン!】って小説書いてるから、それをファミプのキャンペーンにして、カエデちゃんにも漫画描いてもらおうって盛り上がってた」


「すご〜い、カエデちゃんの漫画、ファミプの全国キャンペーンに採用されるの!」

「僕絶対買う!」

「春ちゃんありがと!」


「あ、それ、ママとお断りしようって、さっき相談してた。」

「あさちゃん、なんでぇ〜」

「カエデ、柿野タネって、りおちゃんだよ。」

「そうだと思ったよ〜。」


 はい、洞察力大したものです。柿野タネでございます。


「りおちゃんの原作を漫画にするだけじゃ、つまらないでしょ。」

「ママも、カエデのオリジナル漫画読みたいわ。」

「この世界を題材にするにしても、カエデを通して、世界に伝えて欲しいじゃない。」

「これ、私の娘の作品よって自慢したいの。原作モノって、制約多いから、せっかくのカエデらしさが消えそうだわ〜」


「それは、理解できるよ。私もそれは捨てたくないな……。」


「ということで、カエデに聞いて、話が来たらお断りしようって、話してたのよ。」

「私の娘は、『赤塚不二夫を越えるわ!』って思ってるから。」

「私、ギャグ漫画じゃないよ。」

「蛭子……?」

「ヘタウマもやってない!」

「楳図……?」

「紅白のボーダーシャツは着ない!グワシもできない!」

「浦沢……?」

「……『モンスター』は超えたい!」

「りおちゃん本棚の影響大ね!」

「一番の目標は『薬屋』超えだったわよね!」

「それは絶対!アニメ化するゾォ〜!」



「どうやら、お願いする前に、断られたみたいですね。」(汗)


「すいません。修一さん。……でも、いま【異世界コンビニ『戦場のファミリーストップ』隠密(くノ一)女子社員奮戦記〜コスプレで異世界を翻弄する!】を構想中です。出来上がったら、ファミプの出版部に持ち込むつもりでした。」


「それダメェ〜絶対却下。」

「エレンとしては、めっちゃ嬉しい〜。くノ一のコスプレ準備する〜」


「えっ?ことりちゃん、なんで?」

「えっ?えっ?なんでだろ?」


「なんでかなぁ〜……エレンさんのコスプレ、今度見せてくださいね。」

「私もコスプレくノ一、メインキャラだよね!」

「もちろんです!」


「主役は、譲るしかないわね〜。」


 ちらっとことりに目をやるエレン……

 そりゃ、実録になってしまうから、お庭番チームとしては困るよね……。

 柿野としては、御庭番vs漫画家の原画争奪攻防を、楽しみにしている。(悪)


「出来上がったら、僕に見せて、きっとキャンペーンの主任させられてると思うから。」

「はい。よろしくお願いします。」

「ことりのことは、放っておいていいからね。」ニコッ


「ねぇねぇ、修一さんて素敵な大人ね。」

「うん、あゆみちゃん。かっこいいね。」

「ねぇ、外に止まってたポルシェって、修一さんの?」


「あ、4人だから、僕の車で来た。」

「かっこいいね!」

「私も見てくる!」


 カエデはダッシュでスケッチブックを持って、外に飛び出した。照れ隠しでもあるかな?


「かっこいいけど、後ろ狭くて、も少し広い車が良かったです。」

「喜んでるのは助手席の仁さんだけよね。」

「今度、助手席に乗せてくださいね。」

「琴子、幼馴染に昇格させてくれたら、いいよ。」

「惣領の方が、上だと思いますが?……今度考えときます。」(笑)


 うわ、さすがくノ一、手玉に取ってる。玉転がし?一枚上手の答え。頑張れ惣領!



「なんか、わからん話やにゃぁ〜」

「漫画って、読んでみたいわよね。カエデ、描き終わったら見せるのですよ。忘れることは許しませんわよ。」

「ジュリエット、遅い。カエデはさっき、外に飛び出して行ったにゃ〜。」

「かっこいいポルシェってのをスケッチしに行ったわね。」

「ヒルル、乗ってきた車ってことは、馬車かにゃ〜?」

「かっこいい馬車って、戦車(いくさぐるま)かしら〜?」


「あ、やば!」

「気をつけてくださいね。ジュリエット姉様たちは、事情をご存知です。修一さん、揶揄(からか)われてますよ〜」


「ことり先輩、申し訳ない。」


「はい、ここでは先輩です。」エヘン!


「じゃ、一休みして、その後、エリーご要望の『蒸らし炒めの野菜の甘いミノタウルスのカレー』のお料理レシピを紹介します。」


「やったニャァ〜」


 カエデちゃんの描いた、【異世界コンビニ『戦場のファミリーストップ』隠密(くノ一)女子社員奮戦記〜コスプレで異世界を翻弄する!】ぜひ、読んでみたいですねぇ。楽しみです。


ところで、カレーは、どうなったんでしょうね?


「母さん、僕のあの試食会って、どうなったんでしょうね……?」

「おかんが言うにはな、もうすぐ始まるって話やで。」

「おかんが言うんなら、始まるんやろうな」


 うーん、かなり古いネタと、少し古いネタ。合わせ技は、難しい〜。

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