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【第1章終幕目前】異世界コンビニ『戦場のファミリーストップ』開店です 〜足立区から毎日通勤。なぜか本社プロジェクト!S級冒険者はミノタウルスと野菜のカレーで、ほのぼの居酒屋タイムの常連です。  作者: 柿野たね
第1章 異世界でコンビニ始めました

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103/126

第103話 いつでも買えるなら、『少しでも毎日買い物したいのよぉ〜』

「ギルマス、ファミプに納品する食料品は、農家から全て1割プラスで買ってください。」


 「「「「ええええぇぇ〜」」」」


 期待が上がりすぎてたので、反動からか、その場のほとんどが叫び声を上げた。

 落ち着いてたのは、あさと従兄妹組だけだった。


 鴉瑠之は社長として、

『農家から1割高く買う。損するだけじゃないか。……無理無理!』


 柳田は、

『何か考えはあるのだろうが、りおんさん優しさだけでは商売は成り立たないですよ。』


 ジュリエットは妹分のために、高くなることに反対して、


『高くなったら、今まで通り八百屋さんで買うしかないわね。りおんとの付き合いは、イートインで十分ということよ。天童がいればわたしはいいのよ。』(赤)


 みんな心の中で呟いていた。


 エリーとヒルルは念話で……、

『ねぇ、高くなるんだって。八百屋さんで買う?』

『いろいろエリーに聞いてたから、何か考えがあるのよ、あのりおんよ。もう少し聞いてましょう。』


 実とことりは小声で……、

「プレミアム価格は、浸透しにくいから、大変だよね。ファミプも定着できてないよね。」

「エリーさんたちに質問してたことに、解決策あるのかも。もう少し聞いてみよ。」


 修一、

『りおんさん、何思いついたんだろ?楽しみだ。』



 その場にいた、ほとんどがそんなふうに、特にファミップ関係者は、あっけに取られていた。ギルマスが……


「今までの査定に1割プラスでいいのか?お前たちが損するぞ?」


「大丈夫です。」


「りおん、大丈夫って、本当に商売になるのかい?」


「アルノ、大丈夫だよ。……シナモン、ファミプの野菜の納品基準、こちらに合わせて、決められるよね。」

「それくらいは、私、野菜のバイヤーもしてたから、大丈夫よ。肉も果物もわかる。」

「農家さんからは、その基準に合ったものだけ、買い取ります。」


「やっぱり、プレミアム価格で1割高く引き取るのね。」

「シナモン、そういうことだよ。」

「それ以外の取引は、今まで通りの割合でOKです。」


「プレミアム価格は、なかなか浸透しないよ。デパートじゃないからね。」

「価格が1割高かったら、買わない人が多くないかにゃ?」

「無理しないほうがいいと思うわね。」


「エリー、あっちのファミプ基準って、厳しいんです。」

「そうなのかにゃ?」

「そこまではしませんけど、買って損したと思わせる商品は(はじき)きます。安定して美味しい野菜だけを農家は収めます。だから手間賃で1割高く払います。」


「それは安心だけど」

「それから、ファミップは欲しい時に、欲しいだけ買えます。」

「どういうことにゃ?」

「毎週2回、買いだめしなくて良いってことです。保存食で保存しなくても大丈夫です。」


「あ、だからストレージのことをドボルジンクに聞いていたのか?」

「ギルマス、そうです。それに、納品場所も隣にありますし。」

「あ、買取もここか。」


「ファミプなら、買いだめしなくても、いつでも買える。新鮮なお肉が毎日食べられる。」

「そう思ったら、高くても買ってくれるかもしれないでしょ?」


「うちは便利なジュリエットがいるけど、半蔵クラスじゃないとマジックバッグも買えないにゃ。」


「コンビニは、毎日寄れるお店。が基本コンセプトなんです。……ですよね社長。」

「りおん、いつでも同じものが買える。も大事だよ。」


「アルノ、そういうものなのか?……だから、あの爺さん、毎日かわいい店員から買ってたのかにゃ?」

「ギルマス、クロちゃんになってるよ。」

「ミニステップ、思い出したからな〜。」


「ファミプはお気に入りじゃなかったの?」

「シナモン、うちから近所のファミプ、猫の行動範囲だと、ちょっと遠いわよ。ライフは頑張ったんだよね。」

「一度だけニャァ〜」


 ギルマスはクロちゃんの記憶だと猫語になる。……メモっ!


「そのおじいさんは、店員と喋りたかったんだよ。あの子可愛かったから。」

「あら、リオちゃん、詳しいのね。……あとでそのあたり、家で詳しく聞きたいわね。」

「あさちゃん、冤罪ですよ。」


「あとでゆっくりね。」(怒)


「明日、りおちゃん、無事生存してるかな?」


「「「だめだとおもう。」」」


「「「うんうん」」」 ×全員



 はてさて


「で、エリー、ヒルル、みんな買ってくれるかしら?」


「あさ、すでにみんな、買いに来てるからにゃ。おにぎりやお弁当が気に入って、毎日着てる主婦、多いにゃ。」

「イートインが気に入って、毎日居座ってるエルフもここにいるわよ〜。……文句あるかしら?」


「子どもたちも、買い物しなくても、広場で遊んでるわよ。ママたち、お迎えついでに買い物してるわ。」


「約束してなくても、ここにくると友達と会えるのもいいにゃ。」



「こんにちわぁ〜」

「いらっしゃいませぇ〜。」


 お店に子ども達とママ友さんたちがやってきた。


「あ、アイもいるにゃ。遠慮して、子ども達とジュース飲んでたにゃ〜」

「聞いてていいのかな?って思いながら……、ジュリエットが私も含めて、結界張ったから……。」


「主婦の一大事ですわよ。省くなんて、かわいそうでできるわけないじゃない?……りおん、そうでしょ。」

「その通りですね〜。」


「金銭の話も終わったから、ちょうどいいにゃ。りおん、みんなに聞いてもいいかにゃ?」

「お願いしたいぐらいです。助かりますよね。……社長。」

「エリー、こっちからお願いするよ。」


「エリー、なんか怖いこと?みんな真剣な顔してる。」


「大丈夫にゃ。お店のこれからの相談してたんにゃ。」


「私は、聞いてて、嬉しいって思ったわよ。うちも家族多いのに、マジクバッグ小さいから。」

「アイもそう思ったにゃ?」


「あのね、いま店長さんや社長さん、ギルマス達で相談してたのは、ファミプで、お肉と野菜とキノコと果物、売ってくれるかもって相談だったんだよ。」

「そうにゃ。」


「しかもね、いつも美味しい野菜やお肉を吟味しておいてくれるんだって。お店のストレージで保存してくれるから、毎日新鮮な食品が少しずつでも買えるんだって。」


「のぞママ、それいいね!」

「いいもんだと、ちょっと高くなる?」

「ちょっとぐらい高くても、新鮮なのが買えるなら、嬉しい!」

「お肉干すと、少し減った気するしね。」(笑)

「少しぐらい高くても毎日通うほうが、面白いわよ。」

「傷んで捨てるものもあるから、1割ぐらいなら、その分がなくなると思えば、大丈夫かも」


「でも、いっぱい高いと嫌よ。」

「あ、1割です。いま、そう相談してましたよね。りおちゃん。」


「うん。手間増やすから農家さんから1割高く買おうって、相談してました。」

「1割ぐらいなら、問題ないわよね。」

「パパの食べる量、減らすわ。」


「悪いけど、大量買いは八百屋に行くしね。」

「それぐらいなら工夫でなんとかなるわよ。」

「いつも買えるお店があるほうが、嬉しいわ。」


「安心して、いつも買えるなら、『少しでも毎日買い物したいのよぉ〜』……よね。」

「あさの標語だね。」(笑)


「なんなのにゃ?」


「結婚した頃、毎日よく買い物行くねって言ったら、あさが怒っていった一言。」


「『少しでも毎日買い物したいのよぉ〜』って怒鳴ったの!」(照)


「それ、いいにゃ!せ〜の」



「「「少しでも毎日買い物したいのよぉ〜」」



 声を揃えて、その場の主婦全員、シナモンも義姉さんも、もちろん、あさやエリーも声を合わせて大きく叫んだ!


「男ども、よく心に留めておきなさいよ。私もそう思うわ。『少しでも毎日買い物したいのよぉ〜』」


「アルノ、決まりでええかの?軍配は女性たちの勝利じゃの。」

「はい。りおんの提案、飲みましょう。ギルマス。ご了解いただけますか?」

「こちらとしては、農家の収入も上がり、助かるばかりだな。」


「「よろしく願います。」」



 ギルマスと鴉瑠之社長、トップ二人が固く握手をした。


 万雷の拍手で口々に、交渉成立を喜んで、交渉は締め括られ……た。



「めでたく、ここに『ギルド・ファミプ食糧品販売協定』が……成立した。」


 とカエデがボソリとつぶやき、あゆみが爆笑した……。


昔、『少しでも毎日買い物したいのよぉ〜』とはっきり言われて、諦めた柿野たねです。クロスバイクで毎日走りまくって、その後ですけど、実際骨折したこともある奥様が心配で、ちょっと聞いたら、言われた言葉です。


 主婦って、「何も買わなくてもお店に行きたい」って、92歳の義母も語ってます。毎日スーパーまで散歩して、涼みがてら買い物して帰ってきます。

 世の亭主たちは、心して、覚えておかねばならない言葉です。

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