第102話 野菜とお肉の値段交渉です。農家とお店と消費者のWin-winが大切ですね
「ギルマス、野菜のギルドからファミプへの卸値はおいくらですか?」
事務室で相談終わってイートインへ。ジュリエットに遮音結界をゆるめに張ってもらって、野菜の販売交渉スタートです。
「アルノ、卸価格だな。……そうだな……バランスが難しいな……。」
「お肉も野菜も生活必需品ですから、うちとしても……高くはしたくないですね。」
「エリー、街で野菜を買ったら、いくらぐらいか教えてもらえるにゃ?」
「りおん、語尾憑ってるにゃ。」
「エリーが取り憑いたにゃ〜?気をつけてないと、憑るにゃ〜。」
「野菜は1個いくらで売ってるにゃ。重さは知らにゃいにゃぁ〜!」
「ニンジンとじゃがいもと玉ねぎは、1個6リオンぐらい。日によって違うけどね。」
「あの大きいのが、その値段?」
「安いわねぇ〜」
「今すぐ八百屋に直行したいわ!」
「スーパーベルスス負けてるわね。」
「ヤオホーは完敗ね!」
「ディスカウント卸のSBCは?」
「こっちに札束持って、買い付けに来るわよ!あのお爺ちゃん社長!」
「使えないけどね〜。」
あさとシナモンとカエデママが叫んでる。
「アスパラガスは高いにゃ。1束40リオン。でも、美味しいから買っちゃうにゃ〜!」
「1束はスーパーと同じぐらいだったわね。ちょっと高めね。」
「栽培に手間がかかるって。聞いたにゃ。」
「レタスは……、トマトは……、」
あさとエリーの確認合戦が続いた。さながら野菜戦の様相だった(汗)
「アスパラガスを除いて、近所と同じぐらいの価格だけど、1個ずつが倍ぐらいだから、これから、この店で買うわ!」
「「わたしも」」
「プチトマトは一カゴの量が違ったわね」
「いいけど、3人とも、自宅用だけにしてね。メルルリとかで売っちゃダメだよ。」
「りおんの言うとおり、売れすぎて、こっちがインフレ起こすと、何のためにしてるのか分からなくなるからね。」
「私もって言いそびれました。」
「「私も〜」」
ことりたち独身組も女の子は買いたかったらしい。(笑)
「寮で使う分は、買っていいよ。」
「「「ありがとうございます。」」」
「ミノタウルスのお肉はいくらぐらいですか?」
「ステーキにするサーロインだと、1枚二百〜三百リオンだにゃ。」
「「「大きさ倍以上は!激安!」」」
「しかも、赤身は噛むとほろっと蕩けて、霜降りみたい……。」
「結構濃厚な味と香りも良かったわね。」
「「美味しかったわよね」」
「「「美味しかったぁ〜」」」
朝試食した全員の顔が緩みっぱなしだ。
「食堂で食べると1枚五百〜千リオンだな。」
「コカトリスは……、オークは……、」
エリーとあさの銃撃戦が再開した。
「お肉も足立区よりお手頃ね。」
「「「買いだわ!」」」
「ミナお姉さん、……これでやっとお肉が食べられるわよ。」
「マナさん、長い間、苦労かけたわねぇ〜。」
「「お父とお母にも、持っていきましょうね。」」
「そこの二人、いきなり登場して、足立区姉妹をやるんじゃない!」
「阿佐ヶ谷の本家のコントよりリアルじゃん!」
「寮の部屋、どうだったの?」
「新築で、可愛くて、楽しかったです。」
「キッチンの丸窓、可愛すぎです。」
「台所も使いやすそうです。」
「俺たちのところは、スタイリッシュでしたよ。」
「部屋ごとに、色使いがすこずつ違ってるんですね。」
「モノトーンが、かっこいいです。」
「好きな部屋、今なら選んでいいからね。」
「「「「はーい」」」」
「修一くんも見てきたの?」
「はい。食材の価格設定には役に立ちそうにないですから。」(汗)
「今日から泊まれるけど、泊まってみる?布団も新しいのがそこにいっぱいあるよ。」
座敷収納を指差して説明。買ったばかりだもんね。
「明後日からの土日、お店休んで引っ越しと棚替えだから。」
「寮に入るんなら、いいよ。」
「うちの駐車場も空いてるわよぉ!」
「あささん、不動産営業禁止!」
「商売敵からの越権行為だって!訴えてやるわよ〜!それでもいいのぉ?」
「修一、お前の車は会社の駐車場にしておけ。」
「なんで?」
「こだわってるんだろ?盗難防止だ。あと、ことりたちが不安になる。」
「ポルシェの横に、止めたくないです。」
「毎月500円高いんでしょ。」
「庶民のふりしてもダメ!琴子と二人で特許使用料で儲けてるでしょ!」
「あ、そうだ。ドボルジンク様の工房分と合わせて、りおんさんには、水晶変換子の使用料、今月から支払われます。驚かないでくださいね。」
「はぁ、俺なんかしたっけ?」
「『水晶振動子みたいに魔力を電気に変えられたら、簡単なのに。』って最初に閃いたの、りおんさんでしたよ。」
「あ、そうか。」
「ドボルジンク様の工房の取り分も、お渡してくださいね。コボルザンクさんの作業分も含まれてますから。明細はこれです。」
修一から明細書が渡された。
「また、円からリオン問題か〜!どうしよ?」
「りおんがリオン問題で悩んでおるのぉ。」
「いくらなの?」
「まだ、このお店の分だけなので、合わせて2万円かぁ〜。」
「You動画の収益とおんなじくらいだね。」
「リオン、いくらじゃ?」
「工房の分が千リオンです。」
「コボルザンクの晩酌の支払いに当ててくれればええのぉ。」
「はい。振り込まれたら、そうしますね。
「お爺、いいのかの」
「おぬしが頑張って稼いだ、小遣いじゃのぉ。」
「りおんさん、ギルドカードの使用ができれば、『かんたん送金』できますよ。」
「あ、ギルドの口座にお金貯まってるね。日本円からの為替屋できるかも……。」
「りおちゃん、我が家の給料問題、解決しそう?」
「そうなるといいね。」
「まぁ、そうしてもらえると、我が社としても問題の解決に向えますね。」
「「柳田さん、そうなの?」」
「社長、兄妹揃って、ボケないでいいです。」
「ボケてない。素直に聞いた。」
「もっと悪いです〜」
「僕らのバイト代も安泰?」
「春ちゃん、そうなるの?」
「あゆみちゃん、そうなる様に、修一さんの仕事、いっぱい手伝おう!」
「「「 OH!」」」
「手伝……おう!って掛けた?」
「全然〜りおちゃん深読みすぎ!」
吹けない口笛を吹くふりをしてるあゆみ。掛けてたな。
「コボルザンクさんの口座に振り込めるかも、そうなったら、それでもいいですかね?」
「今回は、晩酌代がいいです。何だか嬉しいから。」
「じゃ、今回はそうしますね。」
「ギルマス、他にも相談があるので、価格交渉、続けますね。」
「お、いいぞ」
「この街の価格はわかりました。商店への卸値とギルドへの納品価格は、どうなってますか?」
「農家の納品価格に卸価格は3割乗せてる。それに5割を乗せて、店で販売してる」
「小売価格の約5割が農家だのぉ。納品は農家がギルドへ持ってくるのぉ。」
「ギルドは市場の機能なのよね。商家が商品を自分で運ぶのよ。」
「だから、ギルドの取り分は控えめなんだ。」
「エリーさん、お買い物は週何回?」
「普通は、初めの日の前日と、水の日にまとめ買いが多いにゃ。肉はストレージやマジックバッグを持ってれば、そこに入れるにゃ。」
「無い家が多いから、買った日は肉を焼いて、残りは干し肉にするわね。」
「ただ、肉も野菜も取り合いで、行った日にないと困るから、多めに買って帰る様にしてるわね。エリーたちが……。」
「その代わり、ジュリエットは、お肉や青物野菜を風干しして、保存してくれるにゃ。」
「エリーさん、ヒルルさん。ありがとうです。ジュリエットもちゃんと役割あるんですね〜。」
「りおん、なんかアイデアあるの?」
「ドボルジンクさま、ストレージの量、この街の1週間分の食材消費量、入れられますよね。」
「大丈夫じゃのぉ1月分でも貯められるのぉ」
「では、僕からの提案です。」
「え?何も聞いてないけど?」
「アルノ、いま聞いてて考えたから、まだみんなにも話してない。」
「でた、りおんさんの閃き!」
「修一くん、それほどじゃないよ」(笑)
「ギルマス、ファミプに納品する食料品は、農家から全て1割プラスで買ってください。」
「「「「ええゑえぇぇ〜」」」」
鴉瑠之、シナモン、柳田、修一、ジュリエット、エリー、ギルマス、その場にいた一同が叫んでいた。
あさと従兄弟組は、またかって笑っていた。……慣れたのね!
ファミプ本社で商売のプロの人たちが驚く仕掛け。というか、日頃から店舗の運営で、いろいろやってるからこそ、即座の判断で、難しいって思うんでしょうかね。でも、やりとりを分析してた人は、ちょっとわかってるかも。
こちらの冒険者さんたちは、りおんの考え、予想つきますよね。りおんが何を考えてるのか、次の話もお楽しみに。




