033・素顔のナナさんと全裸ガチャです!
『バブルダンジョンのクリア達成!』
『初踏破ボーナスとして、10連ガチャチケットを1枚進呈します!!』
お、10連ガチャチケットもゲットです!
やったぁ〜♡
ボクが、ナナさんのとってもカッコ良い姿を見れたことの楽しさと、ガチャチケットをゲットできたことの嬉しさで喜んでいると、ナナさんがこちらに戻ってきました。
「ユメヒコ、ツユリ、ただいま」
「おかえりなさい、ナナさん!」
「最後の一撃、ほんとにすごかったね……!」
「でしょでしょ。いやー、毎回あれがボス戦で出てくれたら、面白いんだろーけどなー。……まぁ、なかなかそうはいかないだろうから、過信はダメなんだろーね」
「コーン」
イナリ様もコクコクと頷いています。
イナリ様も、キラキラ光っていてカッコ良かったですよ!
「コーン♫」
あ、お鼻を顔にスリスリされたら、くすぐったいですよ〜。
「信じらんねぇな。バブルタートルが一刀両断かよ……」
「アンタのおみくじ、マジでどうなってんのよ。ピーキーにも程があるわ」
小玉を全て処理し終わった火蜂さんと土門さんも、こちらに戻ってきました。
「いや〜、あんなのされたら、私たちの立つ瀬がないね〜」
「むちゃくちゃだけど……、ちゃんと戦えるんだね……」
雲水さん、なんだか苦笑いをしていますね。
島風さんもまだ少し驚いている様子です。
「戦えるっつーか……。けど、確かに瞬間火力はあたしより遥かに上か……」
「わたしの全力射撃よりも、ね。けどアンタ、あんなの毎回出せるわけじゃないんでしょ?」
「うん、分かってる。ねぇ、ユメヒコ、ツユリ。アタシたちの仲間って、まだ他にもいるんだよね?」
「はい、いますよ! 斎藤さんと深森さんです!」
「斎藤さんは拳闘士で、最前線に立って私たちを守ってくれる人。深森さんは、……狙撃手兼司令塔みたいな人だね」
「なーる。だってさ、土門姐さん」
「ふぅん……。ま、ピーキージョブだって自覚があって、仲間との連携で隙が埋まるんなら、それに越したことはないわ」
「つーか、だったらなおさら中坊だけで来るなよ……。戦えるのは分かったが、お前らが危なっかしいことには変わりねーからな」
「深森さんは今、アネゴをしていますので! それより雲水さん!」
「ひえっ。な、な〜に〜?」
ボクは、たたたっと駆け寄ると雲水さんの手をきゅっと握りました。
「やっぱり雲水さんは、皆さんに指示を出すのが上手だと思います!」
「そ、そ、そうかな……!?」
「はい! だからこれからも、たくさん手分けしてあげてください! そしたら火蜂さんも、土門さんも、島風さんもすごく喜ぶと思いますから!!」
「わ、分かったから、そんなキラキラした目で見つめないで〜!?」
雲水さん、なぜか耳まで真っ赤になって俯いてしまいました。
ボクが手を握ったまま下からお顔を覗き込むと、「ひえ〜、火蜂さ〜ん」っと泣き声が。
「おらっ、ユメヒコ。ウチの雲水をイジメるんじゃねー」
「痛い!?」
火蜂さんに、頭をゴツンと叩かれてしまいました。ぴえん。
▶︎▶︎▶︎
泡ダンジョンを出たボクたちは、火蜂さんたちと別れて統括局に戻ってきました。
「ここで、このマナ石を買い取ってもらえるんですよ!」
「へぇ〜。これでいくらぐらいになんの?」
「どうだろう……? 2万円はいくかな?」
「ふーん、そんなもんなんだね」
換金窓口にマナ石を出すと、合計2万3000円ほどでした。
わーい、大金です!
「自分たちで倒した分だけで、これかぁ……」
「大きいバウンドボールとバブルタートルのマナ石、思ったより高かったね」
「そうですね! 今度は皆で行きたいですね〜」
そうして、統括局を出たところで。
ボクたちは、3歳ぐらいの男の子の手を引いた、強めのパーマをかけたお姉さんとすれ違いました。
「わっ、ツユリ、今の見た?」
「うん……! すごく可愛い男の子だったね……!」
「かわいかったですね〜! とってもお利口さんに見えました〜」
それにしても、今の方はお姉さんでしょうか?
それとも、お母さんなのでしょうか?
いずれにしても、顔立ちのよく似たお二人でしたね。
「まぁ、でも、可愛さならユメヒコも負けてないし?」
「そうですか? でも、ナナさんが言うならそうなんですね! やったぁ〜」
「う、うん。ユメヒコ君は、その、……か、かわいい、よね……」
露璃さんにも可愛いと言ってもらえました。
嬉しい♡
「あ、そうだ。ユメヒコ、ツユリ。この後まだ時間ある?」
「ボクは大丈夫ですよ!」
「私も、もう少しぐらいなら」
「じゃあさ、ウチに上がってかない?」
「ナナさんのお家ですか?」
「うん。2人とも、家近いんでしょ? つーかユメヒコは隣なんでしょ? ちょっとだけ、お茶してかない?」
「良いですね! 露璃さんも、良いですか?」
「分かった、良いよ」
ということで、ボクたちはナナさんの住む307号室にお邪魔することに。
「お邪魔します!」
「お邪魔します」
「はいはい、どうぞー」
入ってみると、ナナさんのお部屋はボクが住んでるお部屋より少し広いことが分かりました。
角部屋だからでしょうか。
けど、お部屋の中は段ボール箱とかハンガーラックとか衣装ケースとかがたくさん置いてあって、ボクの部屋より狭く感じます。
「ごめんねー、まだ全然片付いてなくて。そこの椅子にでも座っててー」
そう言われたので、ボクと露璃さんはダイニングテーブルの椅子に座ります。
テーブルの上のチラシとかをまとめて隅に寄せていると、キッチンのほうから「あれー、紅茶パックどこに入れたっけなー」とか「包丁、いや、ナイフか……?」みたいなナナさんの声が聞こえてきます。
15分ほど待つと、3人分の紅茶とロールケーキを持って、ナナさんがキッチンから出てきました。
「お待たせ。粗茶ですが〜」
「ありがとうございます!」
「あ、ひょっとして、このロールケーキって……」
「え、こないだユメヒコからもらったやつなんだけど、もしかして、ツユリも理解る?」
「うん。ピョンシェールの銀縞ロールケーキだよね」
「あの時のロールケーキですか! これ、露璃さんに持たせてもらったやつなんですよ〜」
「そうだったんだ! ツユリ、やるじゃ〜ん」
「その、母がそういうのに詳しいから……」
そんなわけで、3人で紅茶を飲みながらロールケーキを食べます。
うーん、美味しい!
しっとりとした生地で、たっぷりふわふわのクリームが包まれていて、一口食べるごとに幸せになります〜♡
「うわっ、これ、ほんとに美味しい」
「うん。滑らかでコクがあるよね」
「美味しすぎて、いくらでも食べられちゃいそうです〜」
食べ終わってすっかり満足したボクたち。
【では、ここでー?】
【全裸教!!!】
【の時間なんだなもし】
はい!!!
【ガチャ最高♡ ガチャ最高〜♡】
ボクは、ぴょんと椅子から立ち上がると、リビングの真ん中の荷物を隅のほうに寄せてスペースを作ります。
そして、学生服を脱ぎ始めました。
「え、ユメヒコどうしたん?」
「へっ? あっ、まさか……!?」
脱いだ学生服を畳み、シャツを脱いで畳み、肌着を脱いで畳んだあと靴下を脱いで畳みます。
そしてズボンのベルトに手をかけたところで、ナナさんが「は、はあっ!?」と大きな声を出しました。
「ゆ、ユメヒコ……!? な、な、何してんの!?」
「実は、ガチャの時間なのです!」
「はあっ!? 意味分かんないんだけど!?」
「あの、ナナさん、実はね……」
露璃さんが、ボクの全裸ガチャについて説明をしてくれています。
その間にボクは、ズボンを脱いで綺麗に畳みました。
「全裸で!? ガチャ!!? ば、バッカじゃないの!?」
「うん、そうだね……」
「ユメヒコ、アンタ、って、ぎゃあっ!? ちょっと目を離したスキにもうパンイチじゃん!?」
はい!
全裸にならないといけませんので!
「けど、露璃さんのお部屋でも思いましたが、やっぱり同級生の女の子の部屋で脱ぐのは、ちょっと恥ずかしいですね……!」
「ツユリの部屋でも全裸になったん!? お、おんしゃあ! なんしよらぁ!?」
「な、七奈さん……?」
【お、とうとう出た】
【ナナ氏の御国訛りなんだなもし】
「あ、しまっ……!? その、今のは……!」
ナナさんが慌てた様子ですが、ボクはそれどころではありません。
か、かわいい〜〜!!
「ナナさん……、今の言い方、すごくかわいかったですね!」
「へあぇっ!?」
「もっかい! もっかい言ってください!!」
「な、なんで……!?」
だって、かわいかったんですもん!!
「ナナさん! お願いです! もう一回だけ、さっきの言い方で言ってください!」
「いや、だって、そんな……!?」
「お願いします! お願いします!!」
ボクが必死に頼み込むと、ナナさんは耳まで真っ赤になったままそっぽを向き、それから小さい声で、
「……お、おまん、まっこと変わっちょらあ……」
と言ってくれました。
【ギャップ萌え最強】
【隠れ方言ギャル。100点】
【耳まで真っ赤ナナちゃん、最高】
ありがとうございます!
『ピロリン♫ 金村 七奈の絆値が+1されました』
『絆値ボーナスとして、単発ガチャチケットを1枚進呈します!』
「あー、もー……、ほんとマジで……」
「じゃあ、パンツも脱ぎますね!」
「結局脱ぐの!?」
ボクがパンツをずるっと脱ぐと、露璃さんとナナさんが揃ってお顔を真っ赤にしました。
「あわわわわ……!」
パンツも綺麗に畳んで、と。
「ユメヒコ、もう何でもいいから早くやって終わらせて!?」
分かりました!
「ポチッとな!」
どぅるるるるるるるるるるん♫
という楽しいメロディのあと、ウィンドウ上に次々とカプセルが表示されます。
バシュンッ、銀!
ポンッ、緑!
ポコンッ、銅!
ポンッ、緑!
ポコンッ、銅!
バシュンッ、銀!
ポンッ、緑!
ポコンッ、銅!
バシュンッ、銀!
ときて、最後の一つは、
ゴロゴロ、ドンッ!!
という雷のエフェクトとともに、キラキラと金色に光るカプセルが現れました。
「いぇい! 金カプセルです!」
ボクはウキウキとしながら服を着直すと、低レアのものから順番にタップしていきます。
緑カプセルからは、
『消費:マナポーション(低)』
『装備:桜のヘアピン』
『装備:ひまわりのヘアバンド』
銅カプセルからは、
『衣装:ミニスカポリスセット』
『職業:弓士』
『職業:盾士』
銀カプセルからは、
『消費:マナポーション(高)』
『消費:ライフポーション(高)』
『衣装:本格ミリタリ服セット』
そしてそして、金のカプセルからは、『御宝:限定カラー防水カメラ』が出てきました。
「あ、服着てる……」
「ユメヒコ、ちょこちょこ行動がバグってるよね……」
お顔真っ赤なまま俯いていた2人も、近寄ってきて一緒にウィンドウを見ます。
「御宝、っていうのがあるね」
「はい! 以前はゲームソフトが出てきました!」
「限定カラーのカメラ……? まさか、ね……?」
ボクが、御宝カメラに意識を向けると、ボクの手の中にポトっと現れました。
とっても綺麗な花柄模様のカメラですね!
形はゴツいですが、小さくて手の平に収まる大きさです。
「コンパクトデジタルカメラ、かな? たぶん、防水とか防塵タイプの?」
「あーっ!?」
「わっ。びっくりしました」
「やっぱこれ、『ミナニカ』の限定カラーのやつじゃん!? うわーっ! マジで!?」
突然大きな声を出したナナさんが、ボクの手の中のデジカメを食い入るように見つめます。
「ミナニカ、とは?」
「ユメヒコ知らないん!? いや、知らないか! 簡単に言うと、世界的に有名な写真家で、彼女の圧倒的美的センスによる極彩色の花柄デザインは、あらゆるコレクションで賞を取ってんの!」
「あ、たぶん、私の母も好きな人だ。カレンダーとか小物入れとかで、こういう柄のものを使ってたと思う」
「そんで、そのミナニカが、数年前に限定受注生産でデジカメを売ったことがあって、これがそれなの! これ、もうどこでも買えないやつなの!」
なるほど。
確かに、充電口が古い形をしてますね。
【マイクロBタイプで、SDカード方式か。探せばどこかで売ってるか?】
【大きめの家電量販店なら、まだあると思うんだなもし】
【引き出しの奥を探すほうが早い気もするで】
「それが、こんな未使用品みたいな状態で……! これ、だいぶヤバいよ。カネに糸目を付けないファンなら、3桁万円出してもおかしくないよ!」
「100万円……!? す、すごいね……!」
「マジすごいんだって! ……ユメヒコ、これ、どうするの?」
どうするの、と聞かれたボクは、思わず首を傾げました。
「カメラって、写真を撮る以外の使い道があるのですか?」
「へっ? いや、そういうわけじゃないけど……」
「ですよね。なのでこれからは、ユメヒコ組で何かする時はこのカメラを持っていって、たくさん記念写真を撮りましょうよ」
たくさん、思い出を残せますよ。
もちろんスマホのカメラでも写真は撮れますけど、こういうのは、雰囲気とかも大事かな、と思いますし。
「……ははは。すごいね、ユメヒコは」
「うん。ユメヒコ君って、本当にブレないよね」
「じゃあ、カメラゲット記念にさっそく1枚撮ってみますか?」
ボクが電源を入れようとすると、ナナさんが慌てます。
「え! いや、この部屋の中で撮るのはちょっと……!? ま、まだ片付けできてないし……!?」
「あと、たぶん、SDカード入れないと保存できないし、そもそも充電はある?」
あ、ほんとですね。
電源、入らないです。
「じゃあ、今度ユメヒコ組の皆が揃った時に、集合写真を撮りますか」
「そうしようか!」
「私、家に充電コードとSDカードがないか、探してみるね」
そんなこんなで、この日はお開きになって、それぞれ家に帰ったのでした。
▶︎▶︎▶︎
翌朝。
ボクと露璃さんとナナさんの3人で仲良く登校したところ、ジャージ姿の朝倉さんに呼び止められました。
そして。
「たいへんユメっち! 今朝起きたら、足に変なアザができてたの!」
見てみるとそれは、間違いなく、ダンジョンジョブの紋章だったのでした。
……わーお!




