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011・大爆死、……からの御宝ゲームパーティーです!


 そのままガチャの正装になろうとしたところ、深森さんに「待て待て待て待て!?」と止められました。


「おまっ、斎藤! バカかっ!? 脱げ脱げじゃないんだよ!! ユメヒコくんも、普通に脱ぐな!?」


「えっ。だって、ボクは全裸教なので」


「……裸族ってこと?」


「いえ、全裸ガチャ信者です」


「聞くたびに新しい謎を出すなよ!?」


 ボクは、メニュー機能の画面を見せつつ、ガチャについて説明します。


「なるほど……。そのガチャから出る勧誘チケットの効果で、僕とか斎藤とかと知り合ったってことなんだな」


「ほーん。そうだったんだな」


「いや、お前は知らずに脱がしてたのかよ!?」


「だってコイツ、俺が初対面の時も……。あー、いや。今のは無し。忘れろ」


「はっ?? お前まさか、もう見たことあるってこと??」


「だから忘れろって!」


「もう2回も見てますよ!」


「忘れろ!!」


 深森さんが斎藤さんの髪の毛を引っ張ろうとしています。

 斎藤さんは深森さんの両肩を押さえて突っ張っています。


 仲良しですね!!


「とにかく! ユメヒコくん、いくらなんでも僕たちみたいな異性の前で気軽にホイホイ脱いだらダメだぞ。その、全裸でガチャをするなら、僕たちが帰ったあとでやりなよ」


「でも、深森さん! こんなに楽しいことは、みんなでワイワイやったほうが良いと思います!」


「それはそうだけど! ダメなものはダメなの!!」


 ちぇっ。分かりました。

 仕方がないので、ちゃんと服を着ます。


【ユ、ユメヒコォ!!?】


 3人で一緒にガチャでワクワクしたいですからね!


 ボクは体操服とジャージを着直しまして、靴下も履きました。


 それからガチャ画面を開き、10連ガチャチケットを使用します。


「いきますよー、ポチっとな!」


 どぅるるるるるるるるるるん♫


 という、いつもの楽しいメロディが流れます。

 ボクと斎藤さんと深森さんは、ウィンドウに表示されるガチャ画面をじっと見つめました。


 来ました!

 ウィンドウ上に次々とカプセルが表示されます!


 ポンッ、緑!

 ポンッ、緑!

 ポンッ、緑!

 ポンッ、緑!

 ポンッ、緑!

 ポンッ、緑!

 ポンッ、緑!

 ポンッ、緑!

 ポンッ、緑!

 バシュンッ、銀!


 …………あれー?


「……おい、なんか同じのばっかじゃないか?」


「な、なんだこのグロ画像……!? あの命懸けの戦いでもらったチケットの結果がこんな……!? あ、あって良いのかこんなことが……!!」


【ヤバい】


【吐きそう】


【あまりにも凄惨すぎる……!!】


 カプセルを開いてみると、ソウル(小)が4つ、ライフポーション(低)が3つ、マナポーション(低)が1つ、ヘルメットが1つ、ソウル(大)が1つでした。


「とりあえず、このヘルメットと、前回手に入れた膝サポーターは深森さんの装備にしましょうか」


 少しでも防御力を上げておきましょう!

 深森さんもボクに負けず劣らず防御力が低いですので!


「いやいやいや!? ユメヒコくん、こんなヤバいガチャ結果でよくそんな平静でいられるな!?」


「えっ。だって、どれも役に立つものばかりですよ?」


 ソウルは皆さんのジョブレベル上げに使えますし、ライフポーションは軽い怪我なら治せるじゃないですか。


「まぁ、クソヤギにやられた俺の傷も、それで治せたしな」


「ポジティブすぎる……! 僕、もうなんか気分悪くなってきた気がするんだが……」


 お酒を飲み過ぎましたか?

 それなら気分が良くなるように、次の10連こそは楽しい結果になるよう祈りましょう!


 ボクはガチャ画面を開き、再び10連ガチャチケットを使用します。


「そーれ、ポチっとな!」


 どぅるるるるるるるるるるん♫


 という楽しいメロディが流れます。

 ボクと斎藤さんと深森さんは、ガチャ画面をじーーっと見つめます。


 ……来ました!

 ウィンドウ上に次々とカプセルが表示されます!


 ポンッ、緑!

 ポンッ、緑!

 ポンッ、緑!

 ポンッ、緑!

 ポンッ、緑!

 ポンッ、緑!

 ポンッ、緑!

 ポンッ、緑!

 ポンッ、緑!

 ポコンッ、銅!


 …………あれれーー??


「なんか、さっきより悪くないか?」


【というか、最低保証割ってるんだなもし】


【ホンマや。10連なら銀1個は出るはずやのに】


「な、なんだこれ……!? なんだこのカスみたいな結果は……!? お、おええーー!!」


【吐いた】


【大爆死じゃん】


【ユメヒコォォ……!!】


 カプセルを開いてみると、ソウル(小)が3つ、ライフポーション(低)が2つ、マナポーション(低)が3つが出てきました。


 あと、新しいスキルの「ジャンプ」と、新しい衣装の「ピシッと執事服」も出てきました。


 うーん。なるほど。


「どれもお役立ちアイテムばかりですね! さすがガチャ機能、ハズレがないです!」


「いくら俺でも、その感覚がおかしいってのは分かるぞ」


 だって、ジャンプはぴょんぴょん避けるのに使えそうですし、執事服は斎藤さんにきっと似合いますよ?


「はぁっ、はぁっ、はあー……。僕、倒れそう……」


 しかし、やはりそろそろ金色の輝きが見たいですね。

 新しい勧誘チケットも、欲しいところですもんね!


【…………ユメヒコォッッ!!!】


 はい、分かりました!

 ボクは手始めに靴下をポイポイっと脱ぎました。


「ユメヒコ?」


「……ユメヒコくん?」


「実は、単発ガチャチケットも10連一回分あります! せっかくなのでこれも使っちゃいましょう!」


 本当は11枚あるんですけど、10連分貯めて回したほうが気持ち良さそうですからね!


 今回は、単発10連でいきましょう!


「よーーし、ポチポチっとな!」


 どぅるるるるるるるるるるん♫


 単発ガチャ、1枚目。……緑!

 単発ガチャ、2枚目。……銅!


「おっ?」


 ボクは、上のジャージを脱ぎました。


 どぅるるるるるるるるるるん♫


 単発ガチャ、3枚目。……銅!

 単発ガチャ、4枚目。……銀!


「はっ? おいおい……!?」


 ボクは、下のジャージを脱ぎました。


 どぅるるるるるるるるるるん♫


 単発ガチャ、5枚目。……銅!

 単発ガチャ、6枚目。……銀!


【ガチャ最高♡ ガチャ最高〜♡】


 ボクは、体操服を脱いでパンイチになりました。


 どぅるるるるるるるるるるん♫


 単発ガチャ、7枚目。……銀!

 単発ガチャ、8枚目。……()!!


「すげぇ。マジか」


「た、多段式脱衣ガチャ……!? というか、ほんとに、結果が上がってる……!?」


 どぅるるるるるるるるるるん♫


 単発ガチャ、9枚目。……緑!


 ……ここは!


【迷わず脱げ、ユメヒコォッッ!!!】


 はい!!


 ボクは、パンツをポイっと脱ぎ捨てて、とうとう正装になりました。


 うーん、解放感♡


 テンションが上がってきたボクは、その場でドタドタ足踏みをしました。


「ラストだー、いけいけー」


「お酒、お酒飲まなきゃ……! シラフじゃ耐えられない……!! ぐびぐびぐび!」


 そしてとうとう、最後の1枚。

 単発ガチャ10連目を回します。


 どぅるるるるるるるるるるん♫


 結果は……!




 ……ゴロゴロ、ドンッ!!


 …………金!!




 やったあ!

 初めての金カプセル2個引きです!


 やはり全裸になったら当たりが良いですね!!


「ほ、ほんとに全裸だと引きが良くなった……。ウッソだろ……」


「こりゃもう次からは、最初からこうだな」


 さて、それではカプセルを順に開封します!


 緑カプセルからは、

『装備:ヘルメット』

『技能:くるっとターン』


 銅カプセルからは、

『消費:ライフポーション(中)』

『衣装:旧式スクール水着』

『衣装:ぴょんぴょんバニースーツ』


 銀カプセルからは、

『装備:ポーションバッグ』

『装備:ガッチリブーツ』

『装備:バズーカライト』


 そしてそして、金のカプセルからは、『御宝:ゲームソフト(格闘)』と、『採用:???・善野 露璃』と書かれたチケットが出てきました。


 やったあ、また勧誘チケットゲットです!


 ……というか、あれ?

 善野さんって、()()善野さんですか……?


 それにこの御宝って……!!


 ボクがいそいそと服を着直してから御宝ゲームソフトに意識を向けると、手の中にポトっと現れました。


 そのゲームソフトを見た深森さんが、大きく目を見開きました。


「ゆ、ユメヒコくん!? まさかそれ、キン鉄′15か!!?」


「知ってんのか、深森」


「当ったり前だろぉ!? バグ技とハメ技の多彩さが売りの伝説の格闘ゲーム、ザ・キングオブ鉄ストリート2015。略してキン鉄′15を知らないゲーマーはいないからな!?」


「俺はゲーマーじゃねえから知らねぇが、すごいモンだってのは分かった」


「斎藤にも分かるように言うと、プレミアがついてるから使用可能なソフトだけの中古品でも買えば3万円はする。未開封新品なら10万円以上だ」


「御宝じゃねえか!!」


 そんなに人気なんですね!

 てことは、ものすごく面白いんですね!


 ボクは早速箱を開けて、中のソフトを取り出しました。


「げ、あっという間に開封しやがった。……まぁ、ユメヒコだしな」


「あ、あ、開けたんなら、もう売らないよな!? 僕の部屋にゲーム機あるから、ちょっと取ってくる!」


 ほんとですか!


「じゃあ、今からみんなで遊びましょうよ!」


「うん!! 斎藤も、やろう!」


「俺も? ……まぁ、やるか。格ゲーなら、昔ゲーセンでそれなりにやったからな。そう簡単には負けねーぞ?」




 ということで、寿司パーティーからのゲームパーティーです!


 ゲーム機を抱えて戻ってきた深森さんと、テレビを抱えて戻ってきた斎藤さん。


 ガチャガチャとケーブルを差し込み、ゲームソフトを入れて電源オン。


 ぶぉーん、と画面が光り、タイトルロゴが現れます。


『THE KING OF TETSU STREET 2015』


「きたああああああ!!」


「うおっ、テンション上がってんな……」


「当然だろ!? 神ゲーだぞ神ゲー!!」


 さっそく対戦モードを選択し、キャラ選択画面へ。


「あ、このスク水ニーソランドセルの子は最強キャラだから、使用禁止な」


「ふざけた見た目してるな……」


「見た目に騙されるなよ斎藤。コイツ、リコーダー吹いてるだけで永久コンボ入るからな」


「は??」


「ボクはこの狐耳の子にします! かわいいです!」


「その子、耳にも当たり判定あって、しゃがんでも中段が当たるから注意な」


「へー!」


「……クソゲーか?」


「神ゲーだって言ってんだろ!! あ、せっかくだから僕は、主人公のテツにするぜ!」


「それ主人公の名前なのかよ!? じゃあ俺はこのムキムキ巨大レスラーにするか」




 初戦は、ボク対斎藤さんです。


「おらおらおらっ! ……おっ?」


 開始カウントの「2」のタイミングで、斎藤さんがパンチ。


 ボクのキャラがいきなり吹き飛びました。


「えっ!?」


「あん? テキトーにボタン押したら攻撃できたぞ?」


「あー、それ開始前でも攻撃判定あるんだよ」


「は?」


「面白いだろ?」


「クソゲーじゃねぇか!!」


「お返しです! パンチパンチキック! パンチパンチキック! パンチパンチキック!」


「おい、待て、全然コンボ終わらねーぞ!?」


「このゲーム、10割コンボが簡単に出せるから、先にハメないと負けるんだぞ」


「んなことは先に言えや!?」




 その後も、


「うわっ!? 今のも当たるのか!? このデカブツ全然避けらんねーじゃねぇか!!」


 とか、


「ジャンプで避けたら逆に食らったんだが!? どういう当たり判定だ!?」


 とか、


「挑発成功したら、相手が強制スタンしますよ!」


 などなど、ツッコミが止まりません。


 けど、


「おっしゃあ! 決まったぁ!!」


「うおおおお! 10割入った!!」


「今度はキャラを交代してやりましょう!!」


 気がつけば、3人でわいわい盛り上がっていました。


 なんだか、とっても楽しいです!




『ピロリン♫ 斎藤 金衣鳥の絆値が+1されました』


『絆値ボーナスとして、単発ガチャチケットを1枚進呈します!』


『ピロリン♫ 深森 初月の絆値が+1されました』


『絆値ボーナスとして、単発ガチャチケットを1枚進呈します!』




「……はぁ。クソゲーだったけど、けっこう楽しかったな」


「だろ? これがキン鉄′15の魅力なんだよ!」


「ボクももっと強くなりたいです! また皆でやりましょうね!」


 なんだか、今日一日でずいぶんと仲良くなれた気がします。


 そして、ふと時計を見ると、もうだいぶ遅い時間になっていました。


「じゃあ今日はこのへんで解散だな」


「うん。……あ、そういえば、勧誘チケットはどうするの?」


 深森さんが、ボクの手元を指差します。


 そこには、


『採用:???・善野 露璃』


 と書かれた、先ほど手元に呼び出した勧誘チケットがありました。


「これはですね……、明日使ってみようと思います!」


「明日?」


「はい! 学校で!」


「……学校??」


 ボクは、にこっと笑いました。


「だって、善野さんってクラスメイトで、ボクの()()()()()ですから!」


「……はぁ!?」


「マジで!?」


 こうして、新たな仲間の予感を胸に、ボクはすやすやと眠りについたのでした。


『続きが気になる方は、いいね、ブクマ、評価、感想、レビューをお気軽にどうぞ。ユメヒコと作者の励みになります』

『次回から、新シーズンに突入します。ますます活躍するユメヒコに、どうぞご期待ください。ここまでお読みいただき、まことにありがとうございました』

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