45_リーノと大型従魔預り所
更新遅れてすみません。
副反応にやられてました..orz
クエストカウンターで用事を済ませたライガは、ギルドの建物を出て大型従魔預かり場へと向かう。
すると今から向かおうとしている預かり場から、ものすごい勢いで走ってくる人物を目にした。
しかも、何やら大声で叫んでいる。
「ラ~~イ~~ガ~~~!」
「...。」
その人影が、ライガの目の前で立ち止まる。
「なあなあ、お前がテイマーになったって本当か?一体何のテイマーだ?ホーンラビットか?ロックバードか?パイソンか?石狼か?何だ?ひょっとして、フェンリルか?それともドラゴンか?なあなあ、何なんだ!しかも、何でお前なんだ!ずるい!ずるいぞ、ライガ!何で、俺じゃなく、お前なんだ!何が違うんだ?ステータスレベルの違いか?スキルの数か?それとも顔なのか?」
いや、顔ってなんだよ!
「良い顔の奴には、幻獣にも好かれるのか?何でだ!幻獣への愛なら、俺だって負けないのにいぃぃ~~。」
「“運”だな。」
あ...撃沈した。
「まあ、落ち着いてくれ。ちゃんと見せてやるから。
ヴェルデ、出ておいで。」
「ピー!」
「ほ~ぅすばらしい!なあなあ、触っても良いか?」
「ああ。」とライガが答える前に、リーノはヴェルデに手を伸ばしていた。
「あ~ツヤツヤしてるこの肌触り、何とも言えない!足の爪も小さいのにちゃんと尖ってるし、目もつぶら。しかも金目!シッポ...シッポはどうなってる...」
とブツブツ呟きながら、気がつけば、ヴェルデをこねくり回していた。
「...。」
そして、ヴェルデは固まってしまっている。
「お、おい!それ位にしておけ...。」
ヴェルデの首回りにあった突起をリーノが触った瞬間、ヴェルデはリーノの指をカプっと噛んだ。
「あぁぁ~~!」
「ヴェ、ヴェルデ!離しなさい!!」
「で、ヴェルデちゃんの主が、何でお前なんだ。」
「偶然、卵が割れた時に、目の前に俺がいただけ。」
「...。はぁ~。良いなぁ~。」
「はは。」
「なあ、ヴェルデちゃんて、リザードじゃないだろ。」
「...。」
「首回りに突起...え...まさかドラッ」
思わずライガはリーノの口を手で押さえる。
「いいか。ヴェルデはリザードの変異種だ!」
「ぉ...ぉぅ。」
「ところで、リーノ。」
「何だ。」
「ドラゴンの成長スピードって、どの位か知ってたりするか?」
口に含んでいたコーヒーを思わず吹き出すリーノ。
「オイっ!おまえなぁ...。」
「はは。後学の為だ。」
「全く。元々ドラゴンは長命種だからな。他の幻獣に比べたら、成長スピードは遅いと思うぞ。」
「そうか。」
しばらく、袋生活でも大丈夫か?
「ところで、リーノ。さっき噛まれた指は大丈夫か?」
「ああ。大丈夫だろう。”状態異常“も出てないし。まあ、念のため、後で医務室に行ってくるさ。」
「悪いな。」
「いや、あれば、こねくり回して、うっかり逆鱗に触れてしまった俺が悪い。気にするな。」
「おう。」
「まあ、もし悪いと思うのであれば、またヴェルデと一緒に遊ばしてくれ。」
「ヴェルデが嫌がらなければな。」
「お、おう。」
「おーい!すまんが、誰かおらぬかぁ~!」
と預かり場の入り口の方で、呼んでいる声が聞こえた。
「おっと、お客さんだ。またな。」
「おう!またな。」
リーノは状態異常は出ていないって、言っていたが、大丈夫だろうか。
やっぱ、早い方が良いな。よし、今日の帰りに、スヴェトラーナさんの所に行って、本買ってから帰るとするか。
「よし、ヴェルデ。戻るか。」
「ぴー!」