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シェルフィン皇国 埋没 その1

新しい国のお話です。

まだ設定があやふやですが、見切り発車(笑)


 大陸から離れた海の真ん中にあるシェルフィン皇国。

 大小さまざまな島を統括する形で成り立っている国である。その数約21。言葉の通じる民族が確認できただけでこれだけだ。無人島やら突き出た岩礁のみの島、はたまた海底火山が噴き上げて島を形成中、なんてのも含めれば優に60を超える。


 島国だけにそれぞれの島民の結束は固い。だが、その島だけではやっていけないのも事実である。

 島々を結ぶ定期船は人だけでなく日常のあらゆる品をとどけ、そしてその島の品を別の島へと持っていく。島の自治は長が握り、その長を中央の島に住む皇帝が統括する。




 シェルフィン皇国中央都シンシル。旧神殿、今は皇帝が住まう宮殿を中心に栄える島である。一般の者が宮殿の足元に街並みを作り、日々の生活を支えている。研究施設に勤めるものも住んではいるが、それは既婚者や家族がいるからだ。大部分の研究者は独身であり、彼ら彼女ら専用の施設が街の一画に設けられている。


 その施設の管理をしているのが冒険者ギルドとなると、聞いた者たちが一様に首をかしげる。研究と荒事、どうやっても結び付くとは考えにくいからだ。


 そんな冒険者が今日もギルドの窓口にひとり、受付嬢に向かって怒鳴っている。

「そんな弱っちい奴らの護衛をどうして俺らがやらなきゃなんねえんだよっ!」


 カウンターを叩きながら抗議する大柄な熊獣人に、新米らしい受付嬢は半泣きだ。

「そ、そう言われましても、これは決まりですので…」

「だから! その理由を聞かせろってんだよっ! オレはなぁ、国じゃちっとは知られた腕なんだ、ドラゴンだってやれる力があるってのに、ここじゃ自由に狩らせてくれねぇ。おまけに研究肌のヒョロ虫を護衛しろとだけ言われてんだ、腹の虫がおさまるかってんだよ!」


「研究員を護衛するのがそんなに嫌ですか? あなたは」

「せ、先輩!」

「なんだよ、おめぇは」


 新米の後ろに立った女性が言葉を掛けながら肩を叩いて交代を促す。半泣きだった新人が横を抜けていくのを見やりつつ、その席に座る。

「ギルドの受付担当、ハシュミルと申します。で? どうしてご不満ですか、クーランダ様は?」


「ご不満だらけだよっ。オレのような高ランク冒険者になんで子守りみたいなことしかさせねぇんだって、さっきから言ってるだろうがっ!」

「あら、高ランクだからこそお願いしているんですが、それがご不満と? あなた、ランク詐欺の冒険者ですか?」


「……今、なんつったおめぇ」

「事実ですか? それはいけませんね。すぐに降格の手続きをしますから」

「オレのどこがランク詐欺なんだっ!!」


 カッとした熊獣人が、持っていた大型剣を予備動作抜きで目の前のカウンターにたたきつける・・・直前。


「そういうところですよ」

 剣が止められていた。カウンターの上5センチのところで、しかも相手は素手。

 軽く添える形だが、微動だにしない。


「な、に?」

「これくらいのことができないとここには座れないんですよ、シンシルのギルドはね」

「うおおぉぉっっ!?」


 グイっと引っ張られて、手もなく剣を奪われた熊獣人。さらに。

「大事な仕事を続けている研究員を馬鹿にする冒険者は必要ありません。お引き取り下さい」

 くるりと返した剣の切っ先を喉元に突き付けられ、固まる。


「それとも降格処分を受け入れますか?2ランク下げて街なかの依頼を受けるか、すぐに出国するか。どちらがよろしいですか?」

「わ、わかった。すぐに、出ていく、からっ」

「よろしいでしょう。遅滞なくお願いしますわね。ああ、それと」


 ヒュッ、と音を立てて剣が後ろの壁に突き刺さる。かすったほほから血が一筋。

「貴方の所属ギルドには通告させていただきます。もう少し品行を改めないと降格処分対象であるとね」

 がくがくと膝を震わせながら頷いた熊獣人、剣を引っこ抜くとギルドを逃げ出していった。


「全く、力だけの冒険者はこれだから」

「あ、ありがとうございます!」

「貴方も新任早々大変なのに当たっちゃったわね。ただ、ギルドにはああいうのも多いから、早く慣れて頂戴な」

「はいっ。精進しますっ」

「そう。後はお願いね」

「「「「「はいっ」」」」」


 ギルド職員一同の返事を受けて、二階へと上がる。奥の部屋のドアを開けて、応接セットに座る人間に声をかけた。

「お待たせしたわね、イチ」

「ああいえ、お先にいただいてますよ」

 そこには、のほほんとお菓子をほおばるイチが居た。





読んでいただき、ありがとうございます!

まだ途中までしか決まっていないので、正直終わりが見えません。

大丈夫かな? 

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