2話
体調が回復した頃、退院しても問題なしと診断された。
姉たちに家まで送ってもらい、そのまま玄関で別れようとした時、姉から待ったが入った。
少しだけ中に入れてくれる?とお願いされ、特に断る理由もなかったため、了承して久々に部屋の鍵を開けた。
「換気するから、ちょっと待ってて…」
「ゆっくりでいいからね」
入院していたことを抜いても、人の気配がなさすぎる部屋。
こんなとこでも妹の現状をまざまざと見せつけられ、もはや迷いはないと旦那に目くばせした。
「ごめん、私のわがまま決行するわ」
「僕はいいけど、ちゃんと妹ちゃんの意見は聞いてあげな」
「…そのつもりだけど、おそらく今のあの子は・・・」
申し訳なさそうに戻ってくる妹に顔を向ける。
久々に会った妹は、感情の起伏が薄く、話しかけてもどこかぼんやりとしていた。
昔はあんなにゲームや漫画の話で盛り上がって笑っていたのに。
病院のベッドで眠る妹に、血の気が引いた。
妹の職場はもちろん、こんな状態になっていると気づかなかった自分自身にも怒りを覚えた。
私の可愛い可愛い妹。永遠の別れなんて、まだまだ早い。
だから私は、これから旦那に迷惑をかけると分かっていながら、わがまま突き通すことにした。
「ねぇ、一緒に暮らさない?」
お読みいただきありがとうございます。
もう少し導入部が続きます。
お付き合いただければ幸いです。




