1話
死んで異世界転生ではなく、死にかけた後にVRMMO内で徐々に精神的肉体的に回復していくお話です。
のんびりゆったりした話を書ければと思います。
※VRMMOの世界観は、細部は異なりますが、別で書いているお話の設定を併用しています。
「目が覚めたのね…!!」
良かったと涙ながらにナースコールを押しているのは、遠くで暮らしているはずの私の姉。
何があったのか分からず、話しかけようとした声はカスカスで言葉にならなかった。
数日前、道端に倒れていた私。
診断結果は、過労による衰弱。
早朝の散歩中だったご婦人に運よく発見され、ギリギリのところで助かったらしい。
すっ飛んできた姉は診断結果を聞き、入院手続きと同時に私の勤め先を調べ上げた。
姉は私と違って頭がよく、とても優秀でちょっとシスコン。
だから私の勤務体制や職場環境の真っ黒具合を知るや否や、大いにブチギレた。
後から来た愛しい旦那さんが宥めても、全然収まらないほどに。
そんなこんなで、今は会社を潰す勢いで色々…、それはもう色々と動いているらしい。
「だから、もう仕事に行かなくていいの」
「頑張って入った会社だって分かってる。けど、あんな最悪な環境にあなたを戻したくない」
「…、うん」
「勝手にごめんね…」
姉の謝罪に首を振る。
私の為にしてくれたのだと、ちゃんと分かっているから。
会社から解放されて嬉しいはずなのに、私は喜ぶでもなく、ただぼんやりと窓の外を眺めていた。
お読みいただきありがとうございました。
VRMMOは3,4話くらいからスタートします。




