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厄介な遺産の始まり

人間の理性と創造主の正義——その狭間で揺れながら、アークは決断を下した。神の命に従うことこそが、唯一の正しい道だと。

ミラフを殺したい衝動に駆られながらも、それを抑え込み、全能者の意志に身を委ねる——その強さを持ち合わせていたアークは、くるりと背を向けた。ゆっくりと窓際へ歩み寄り、そのまま通りへと身を投げた。

一方、サンテルの遺体の傍らで一部始終を見守っていたユアンは、血まみれで右の眼窩を押さえるミラフの姿を目にした。ユアンは罪悪感を込めた微笑みを彼女に向けると、続いて窓から飛び降りた。

「あれは一体、何だったんだ?」通りでアークに追いついたユアンが問いかけた。「計画は二人を殺すって話だったろ?」

「創造主には別の考えがあった」

ユアンは深いため息をついた。

「お前、日に日に危なくなってきてるぞ。……少なくとも、牙は手に入れたんだろうな?」

「ああ」

会話はそこで途切れた。その夜、二人はあまりにも疲弊しきっていて、八ブロック以上歩くことすらできなかった。歩き続け、商品の荷下ろしをこなし、さらに小競り合いまで経験した——そのすべてが彼らの体力を削り尽くしていた。結局、二人は路地の地面でその夜を過ごすことに甘んじた。




新しい日が訪れ、夜明けが首都を強く照らし出したが、冷たい空気はまだ街を支配していた。首都の朝は中心部が混沌としている一方で、彼らのいる場所は主要地域から外れていたため、それほど混雑してはいなかった。それでも、家を出る人々、制服を着て学校へ向かう若者たち、通りを渡るいくつかの馬車が目に入る。道幅は馬車三台分はあり、十分に広かった。

「何を食べる?」

それが、ユアンが起き抜けに口にした最初の言葉だった。

まだ死んだ犬の死体にもたれかかるアークが答える。

「首都の広場に行こう。きっと広くて、色んなもので溢れてるはずだ」

「行き方、わかるのか?」

「聞けばわかるさ」

こうして、決して親切とは言えない人々に道を尋ねるという小さな試練を経て、彼らはようやくその巨大な広場にたどり着いた。それは想像以上に広大で、入り口に立っても果てが見えないほどだった。広場は丘の上に位置し、昨日彼らが隊列と共に通ったメインゲートの脇にあった。

「呪われたよそ者め、字も読めねえのか?」

「この馬鹿野郎が、俺の時間を無駄にしやがって。みんなあそこへ行く方法を知ってんだよ。一番の間抜けだってな」

二人はうつむきながらその場を離れた。

「なんて無礼な連中だ!」ユアンが怒りをあらわにした。「道を教えるくらいで死ぬわけでもあるまいに」

ゲートから二ブロック進み、一つ路地を下がり、丘を登るだけだった。傾斜はそれほど急ではなかった。

そこに辿り着くのは、ある意味では簡単だった。主要な道路のほとんどがそこに繋がっており、あちこちに標識が設置されていたからだ。

道理で、アークとユアンが尋ねた人々が全員怒ったのも納得できる。彼らは標識さえ見れば、簡単にたどり着けたのだから。

広場の立地は一見奇妙だった。街の中心ではなく、端に位置していたのだ。遠くに住む者たちにとっては明らかに不便だった。

しかし、そこは間違いなく素晴らしい場所だった。到着した瞬間、人通りが途方もなく多いことに気づく。端から端まで貫く通りは五台の馬車が楽に通れるほど広いが、それでもすべての人と馬を収容するには不十分だった。

一見すると一直線に見えるが、それは錯覚だった。両側には細い路地が伸び、小さな公園へと続いている。その公園はさらに多くの店や商業ビルに囲まれ、広場は単なる商業施設ではなく、憩いの場としても機能していた。

そこはまさに驚異的だった。王国で生産されるあらゆるものが揃っている。サンブリの大森林からのエキゾチックな果物、オルニール産のトウモロコシ、ティミトリの織物、ザ・ユーティから運ばれた干し牛肉、メルコン州の穀物——そのすべてがそこにあった。

「信じられない……ここには何でもあるんだな」アークは店先を歩きながら、目を輝かせて言った。「見ろよ、シトリム製の武器、力を増幅する道具、祝福された鎧に呪われた鎧まで……ありえない」

彼の興奮は高まる一方だった。

「まさか、あれがサンブリタン・ブラックベリー・ワインか?覚えてるか、ユアン?パルニクがあのワインを少しだけくれて、それから俺たちを路上に放り出した前のこと……なんて思い出だ」

彼らはさらに歩き、あらゆる種類の肉で溢れる店の前に立った。

「ここにはリスまでいるんだな」ユアンが店先を観察しながら言った。

さらに進むと、公園へと続く路地の一つで、この二人の最大の弱点——猫娘たち——を発見した。

彼らはパン屋の前に立ち止まった。そこはまさに驚異の空間だった。あまりにも多くの可能性が目の前に広がっている。腕ほどの長さのある大きなパン、小さなボール型のパン、チョコレートでコーティングされたもの、ピーナッツが乗った赤いパン——それらは天井から吊るされ、様々な色合いを醸し出していた。クッキーも多種多様で、まさに二人にとってのパラダイスだった。

圧倒された二人は、ショーケース越しに涎を垂らしながらパンを眺めていた。

「何かお手伝いしましょうか?」

カウンターの向こうで、若い女性が声をかけた。

「お嬢さん、あるパンを全部ください。俺たち二人で、それぞれ二つずつな」ユアンが注文した。

アークは金のパスカルを差し出した。

二人は、少女がパンを包んでくれるのを待ちきれずに待った。十分後、可哀想なほどに、少女は彼らが注文したすべてのパンが詰まった大きな袋を、倒れそうになりながら抱えて現れた。

「はい、どうぞ。良い一日を。またお越しくださいね」少女は耳まで裂けるような笑顔で彼らを見送った。

「ねえ、あの子、私の男をそんな風に見ないでよ。私が…」とカナリー。

パンの袋を手に、彼らは小さな公園のベンチに腰を下ろした。遠くには壮大な王宮が見え、それが街並みにさらなる趣を加えていた。

「なんて美味いんだ」ユアンが満足げに言った。

「見てくれよ」アークがパンを示す。「この縁に何が入ってるんだ?こんなに美味しいなんて」

「間違いなく、これはご馳走だ。一生これだけで生きていける」




彼らの横では、人々が広い階段を上り下りしていた。階段の上は別のテラス(店舗が並ぶ)へと続き、下ると街のメインアベニューへと繋がる通りに出る。

しかし、いつものように、人々の中に悪が現れた。

一人の少年が群衆の中を必死に走ってくる。その後ろを三人の兵士と一人の王室親衛隊員が追っていた。少年は階段を駆け下り、人々を押しのけながら進み、その過程で罵声を浴びせられる。後方では、兵士たちが彼を見失わないように追跡を続けている。

「こら、小僧!止まれ!」親衛隊員が怒鳴った。

彼らは少年を捕まえ、今や少年が必死に握りしめていた何かを奪い取ろうとしていた。

「お願いです、取らないでください!母さんに届けなきゃいけないんです!」少年はもがきながら懇願した。

「じゃあ、母さんによろしく伝えろ。次はもっと強い奴を寄越せってな」親衛隊員は一突きで少年を地面に転がした。

彼らは少年から奪った物の所有者となり、来た道を引き返そうとした。

少年は必死に自分の物を取り戻そうと、彼らについて行き、袋を返してくれるよう懇願し始めた。

アークは彼らが視界に入った瞬間からすべてを見ていた。何も言わず、立ち上がり、気づかれない距離から彼らを追い始めた。何が起こっているのか知らないユアンは、習慣でアークの後を追った。

「どこへ行くんだ?」ユアンが尋ねた。

「シーッ」アークは唇に指を当てた。

少年と親衛隊員の諍いは激化し、周囲の人々の注目を集めていた。

王室親衛隊員は少年の態度に業を煮やし、威厳と権威を込めて叫んだ。

「このガキを路地に連れて行け。黙らせろ」

兵士たちは即座に従い、一人が乱暴に少年の腕を掴んだ。少年は泣き出した。

「離せ!」少年は蹴りとパンチをまき散らした。「どこへ連れて行くんだ?」

兵士は仲間を伴い、少年を汚い布切れのように、誰も見ていない路地に放り投げた。何が起ころうとしているのか、誰にも目撃できない場所だ。兵士たちは少年を見下ろし、指をポキポキと鳴らした。

「俺たちのような人間に逆らうとどうなるか、思い知らせてやる」一人の兵士が言った。

その瞬間、アークとユアンが屋根から飛び降り、二人の兵士の上に落下——即座に彼らを絶命させた。

三人目の兵士はまだ、自分をじっと見つめる二つの影の存在に気づいていなかった。少年はそれを見て、兵士の背後を指さしながら吃り始めた。もはや兵士を恐れているわけではない——背後に立つ二つの影を恐れていたのだ。兵士は少年の反応を見て笑ったが、さらに近づいて少年を傷つけようとしたその時——アークが剣を振るい、男の喉を切り裂いた。

兵士の遺体が地面に倒れ、その音が王室親衛隊員の注意を引いた。彼は少年が痛めつけられているのを覗き見るような気持ちで路地に入り——そして自分の部下たちが血溜まりの中で横たわっているのを目にした。その傍らで、二つの影が彼を凝視していた。

彼が経験した恐怖は言葉では表現できない。その感情は彼の足を麻痺させ、命令に従わせなかった。

「さあ、戦え。お前はこれより恐ろしい敵と戦ってきたはずだ。なぜこんなに震えている?」

もう自分を奮い立たせることはできなかった。

光のごとき速さで、短剣が彼の頭蓋に突き刺さった。それはパルニクがアークに与えたナイフだった。

路地に倒れ死んだ後、アークはその遺体に近づき、ひっくり返し、ナイフと少年から奪われた袋を回収した。それは食べ物ではなく——金のパスカルと宝石だった。

「小さな泥棒め」

アークが囁くように言った。微笑みが彼の顔に浮かぶ。少年は彼に、自分が同じ年頃に生計を立てようとしていた頃の自分自身を思い出させた。

「ほら」アークは袋を少年に投げた。「俺はお前のコインを一枚もらっておく」

恐怖と驚きに打たれた少年は、涙を流しながらその場を去り、袋を強く抱きしめた。

「私の願いを聞いてくださり、ありがとうございます、創造主様。これで家族がようやく食べられます」彼は走りながら言い、いくつかの涙が目からこぼれ落ちた。

路地で、アークとユアンは見つめ合った。

「あの袋の中には何が入ってたんだ?」ユアンが尋ねた。

「パスカルと宝石だ」

ユアンの表情が変わった。困惑が広がる。

「泥棒だったのか……なぜ止めなかったんだ?」

「奪った側には、それ以上のものがあるはずだ。それに、彼は母さんに届けると言い、命がかかっているかのように奪われた物を取り戻すことにしがみついていた。あの袋が犯罪組織の物ではなく——彼の生きるための唯一の希望だったと信じたいんだ」

アークはまるで今言った言葉が世代を超えて響くかのように、通りを見つめた。

「ありがとうの一言もなかったな」ユアンががっかりして言った。




夜が首都を包み込んだ。アークとユアンは休息できる宿を探すことにした。街は非常に広大だったが、宿を見つけるのに苦労はしなかった。リンブリンの夜は昼とそれほど変わらない。何千もの馬、馬車、人々が仕事から家路へと戻り、夜も昼と同じように人通りが絶えない。

「すみません、お嬢さん。一泊いくらですか?」アークが尋ねた。

適当な宿を見つけた後のことだった。

「あっ……二、二……銀のパスカルで一泊です。三枚目を追加されれば、朝食も付きます」受付の女性はアークの存在に緊張し、頬を染め、目を輝かせていた。

「はい、どうぞ」アークは銀貨を二枚、カウンターに置いた。

「こ、こちらです」少女は鍵を手渡した。「あの階段を上がってください」

「どうしてあんたに寄ってくる女の子はみんなそうなのよ!はっきりさせなさいよ、アーク!」とカナリー。

彼女が怒る時の口調は可愛らしかった。

アークとユアンは指示された通りに階段を上がった。

「なんて素敵な方なんだろう……」二人がいなくなったのを見て、少女は頬に手を当て、感情を抑えようとした。

「すみません、お嬢さん」暗青色のローブを着た女性が声をかけた。「部屋を一ついただけますか?」

彼女は金のパスカルを一枚差し出した。

「広い部屋でお願いします」

受付の女性はそのリクエストに少し赤面した——なぜなら、女性の背後には同じ装束をした二人の男性が立っていたからだ。受付係が何を想像したかは、もうお分かりだろう。そして彼女が想像を膨らませるにつれ、最初の時よりもさらに顔が赤くなった。

「鍵をお取りください、お嬢様」作り笑いを浮かべて、彼女は言った。

彼らが借りた部屋はそれほど広くなかったが、二人を収容するには十分だった。アークは椅子に座り、まだパンを食べている。彼の傍らではユアンがベッドに横たわっていた。

「これからどうするつもりだ?」ユアンはバター付きのパンを食べながら、仰向けに尋ねた。

「わからない」アークは口にパンをくわえたまま答えた。「あの受付の子が、どうやって俺を見ていたか、見たか?」

「ああ、お前は本当に色男だな。彼女の目が輝いてた。お前から何かを欲しがってるのは明らかだ」

「それに彼女は可愛い。髪はきちんと整ってて、いい香りがした。あの真珠のヘアバンドが彼女を愛らしく見せてた」

剣が小さな光のきらめきを放った——彼女は嫉妬していたのだ。




ドアの物音が二人の注意を引いた。振り返ってそれを見ると、鍵が開く音が部屋に響き渡った。二人は即座に立ち上がり、防御態勢を取った。

ドアが開き——二人の男と、前に立つ一人の少女の姿が現れた。一行は暗青色のローブを纏っていた。二人の男はフードを深く被り、顔は見えない。一方、少女は顔を晒していた。可愛らしく若々しい顔立ちで、ローブと同じ色の三つ編みが肩に揺れている。彼女の体つきは特に際立ってはいない——痩せ型で、きれいな腰のライン。彼女の最も魅力的な部分は太ももだが、もちろんローブがその大部分を覆っていた。

「オルニールギルドは、牙の引き渡しを要求します」彼女が言った。

アークもユアンも答えなかった。ただ、自分たちが置かれた状況に興味をそそられているようだった。

「話す気はないようですね」少女は腰に手を当て、歯を見せない美しい笑みを浮かべた。「まあ、平和的に済ませることも、あまり一般的でない方法で済ませることもできます。そして見たところ——あなた方は後者を選んだようですね」

少女は手を伸ばし、彼らを指さした。その手は白い光の輪に囲まれ、複数の記号が浮かび上がっていた。

「いきなりか?挨拶もしてくれないのか?」アークが言った。

「私が自己紹介する必要はないと思います。結局、十秒後にはあなた方は死んでいますから」

「そうか、それなら」アークは剣を抜いた。「名前すら教えてくれない女性のために、遠慮する必要はないな」

「よく言ったわ!」とカナリー。

剣が赤く輝き始め、刻印が浮かび上がる。まだ炎には包まれていない——アークはまだ、それ以上の力を解き放つ感情的な準備ができていなかった。

「男って、いつもこんなに脆いのね」

少女は力を使い、輪を輝かせた。そこから一本の糸が飛び出し——途中で二つに分裂し、それぞれが二人に向かって伸びた。

予想通り、アークは横に動いて回避した。ユアンは動かない。代わりに、彼はメイスを糸と自分の間に差し出した。糸は武器に巻きつき、凄まじい力で横に引きずり、ユアンの手から奪い去った。直後、少女の部下の一人が両手のダガーでユアンに襲いかかった。

アークは回避した後、即座に少女へと突進した。少女はまだ攻撃後の体勢を整えておらず、もう一人の部下が彼女を守るために立ちはだかった。男はアークの首を狙って斬りかかったが——アークはわずかに足を動かし、しゃがみ込んだ。

「は?なんでそんなに速くしゃがんだ?」男は思った。「くそ……ダウミ!」

攻撃の途中、男は軌道を変え、下から上へと斬り上げるようにアークを襲った。

相手の剣先が突然変わったのを見て、アークは剣を背中の後ろに構え、敵の攻撃を正確にブロックした。そのまま百八十度回転して男と向き合い、顔面に一撃を叩き込んだ。慣性の力で男は後方へ吹き飛ばされた。

しかし、別の問題が待っていた。ダウミは十分な時間を得て体勢を整え、アークに向けてさらに致命的な一撃を放った。アークは辛うじてそれをかわす。だが、この攻撃は最初のものとは異なっていた——それほど強力ではなかったのだ。さらに、糸は完全に消え去らず、ダウミは左手でそれを掴み、鞭のように振るった。近づきすぎたアークの体を打ち据える。

ユアンは不利な状況だった。武器を失い、機動力も乏しい。敵の絶え間ない攻撃に圧倒されているように見えた。それでもユアンは、致命傷を負わないように体の一部を犠牲にしながら、なんとかブロックを続けた。その過程で彼は傷を負った。

しかし、彼の犠牲は実を結んだ。敵が彼の足を切り、無防備になった瞬間——ユアンはその隙を逃さず、相手の顔面に直接打撃を叩き込み、壁へと吹き飛ばした。

現場を通りかかった受付係は、部屋の騒ぎに気づき、何事かと近づいた。ちょうどその時、ユアンが敵を床に押さえつけ、殴打を繰り返していた。

「これ、気に入ったか?ああ?俺は大好きなんだよ!」ユアンが叫んだ。

受付係はそのすべてを聞き——状況を完全に誤解した。非常に気まずくなった彼女は、顔に手を当て、赤くなった頬を隠しながらその場から走り去った。

「どうして素敵な男性たちは、いつもこうなっちゃうのかしら……」

ユアンは、敵が戦い続ける力を残していないのを確認すると、自分のメイスを探した。それは自分からそれほど遠くない場所にあった。体を伸ばし、なんとか掴み、持ち上げて——とどめの一撃を放とうとした。

その時、ダウミはアークと死闘を繰り広げながらも、仲間が死の数秒前にあることに気づいた。迅速に行動しなければならない。彼女のもう一人の仲間も状況を把握しており——アークが仕掛けた攻撃の一つで、彼の武器がダウミの糸に絡め取られた。その直後、男からの腹部への蹴りで押し出され、彼の体は武器からもユアンからも離れた場所へと吹き飛ばされた。

だが、彼らは油断しなかった。ダウミはアークの全身を糸で縛り上げ、動けなくした。

「アーク!」剣の少女が叫んだ。

男がゆっくりとアークに近づく——殺すために。

アークを制圧したダウミは、ユアンの方向に手を伸ばし、詠唱した。

「いかなる者も、運命が定める糸に干渉することなかれ。光の麻痺よ、贖い給え、そして汝が選びし戦士に力を与え給え」

その瞬間、ユアンは動けなくなった。まるで全身に電気ショックが走ったかのようだ。光の糸が彼の体から溢れ出し——数秒前に彼を殺そうとしていた男の体へと流れ込む。徐々に、男は完全に回復していく。今や力がないのはユアンだった。

「あいつは……奴のエネルギーを吸い取って、仲間に与えている」アークはその光景を見ながら理解した。

比較的元気を取り戻した男は、ユアンから距離を取り、ダガーを手に取った——彼を殺す準備だ。

「急がなければ……ユアンが死ぬ」

アークは心と体をリラックスさせ、目を閉じ、集中した。

数秒後——彼の全身が熱を帯び始め、彼を縛っていた糸を焼き切った。彼を殺そうとしていた男は、アークが解放されようとしているのを見て、急いで彼を殺そうとした——しかし無駄だった。アークは自分の周囲に灼熱の輪を生成し、男がそれを突破することは不可能だった。

落ち着いて、右手を前方へ伸ばす——そこには処刑されようとしているユアンがいた。

彼が目を開けた。その瞳は激しい炎のように輝いていた。

輪は次第に小さくなっていく——彼の力が今、アークの手に集中し、螺旋を形成しているからだ。輪が完全に消えた瞬間、男はアークが何かをする前に殺そうと襲いかかった——が、それも無駄に終わった。

十分な力が蓄えられた時——アークは詠唱した。

「ドゥーム」

彼の力のすべてが、彼の手から一気に放出された。彼の周囲の一部と、彼が狙った男を完全に焼き尽くす。部屋の壁さえも破壊し、通りへの開口部を生み出した。

「やめろ!」ダウミは閃光を見て叫んだ。

部屋は焼け焦げていた。カーテンは炎上し、カーペットは炭化し、アークが立っていた周囲は真っ黒に焦げていた。ダウミには傷一つなかった——彼女は光の糸で身を覆い、力の大半を費やして生き延びたのだ。しかし、彼女の傍らには三度熱傷を負った仲間が横たわっている。目の前にはユアンだけがいた。彼も火傷を負っていたが、それほど酷くはなかった。

彼を殺そうとしていた男は——もはやこの世にいなかった。灰だけが残されていた。

仲間の死と、もう一人の重症を目の当たりにし、怒りに満ちたダウミは、残りの力をすべて集めた。ユアンの両側に、光の糸で形成された二本の巨大なナイフを作り出す。

アークは、かろうじて立ち上がろうとするユアンの方へ走り出した。ナイフが彼を貫く前に——アークはユアンに体当たりし、二人は先ほどアークが作り出した壁の大きな穴から通りへと落下した。

創造主の思し召しか——二人は通りを通過していた馬車の荷台の上に落ちた。




このすべての出来事が起こった宿屋の屋上——夜の闇の中、フードを被った二人の人物の姿があった。一人はもう一人が歩けるよう支えながら、遠ざかる馬車を見つめていた。

そのうちの一人の顔は完全に焼け焦げており、わずかな空気を求めて喘いでいた。もう一人は——怒りと無力感に満ちた顔をしていた。仲間が生き続けるのを助けること以外、何もできなかったからだ。


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