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 私は一度、夢の話をした事がある。宇宙で花を咲かせたい。それは単純に、夜空に浮かぶ星空が花びらの雫のように見えたからだ。そんな話を常連客としている流れで宇宙空間で植物を育てられないかなって話に広がり、それに近い研究をしている大学を教えてもらった。

 その大学には到底行けっこない。塾通いをしても無駄だし、推薦もない。似たような研究が出来る大学を探しているけど、推薦で行けるレベルだとどうしても妥協が必要になってしまう。似たような研究は出来るかも知れないが、少しズレてしまう。

 宇宙物理学を学びたいの。

 精一杯の囁きに、空気の流れが止んだ。

 それって本当?

 ガタンッと音を出しながら若い客が悲鳴を上げる。

 やっぱり! それって僕の通っている学部じゃん!

 若い客の叫びに驚いたのは当然かも知れないが私だけではなかった。

 おや? 奥野君じゃないか? どうしてここに?

 って久富教授! さっき挨拶したじゃないですか?

 はて? そうでしたっけ?

 店に入った時目が合って頭下げましたよ。

 いやぁ、そんな記憶ないけどなぁ。まぁ、奥野君は存在感薄いからねぇ。そんな事よりどうしてここに?

 ・・・・はぁ、僕が教授にここを教えたはずですけど?

 そうでしたっけと常連客が言うと、若い人は項垂れる。

 僕はほぼ毎日来てるんですけど、誰も覚えてくれないんですよ。久し振りだねって声をかけてはもらえますけど、それもここ数ヶ月の事ですしね。中学時代から通っているんですけど!

 何故か私が睨まれる。

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