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日中のメイン客は中川さんだ。店が遅れても困る事は少ない。
どうして誘ってくれなかったんですか?
奥野さんが母に突っかかったけれど、それはあなた達の問題でしょと言われ沈んでいた。
いよいよだな。とは父の言葉で、強張った表情に見ている側が笑ってしまう。
問題ありませんよ。かなでちゃんは完璧ですから!
何故か自信満々の久富さんの言葉に、父は渋面で、母は満面の微笑を浮かべる。
それでは行って来ますと久富さんが言い、私達は発表を見に行った。
ネットで見れるよね? どうしてそうしないんです? 店で皆で確認すればいいじゃないですか?
私がそう言うと、父に似てきた渋面で久富さんが言う。
そろそろその中途半端な敬語やめてもいいんじゃない?
理解のない表情は意外と作り易い。
これからは同志なんだしね!
理想とは違う言葉に哀しむ程の余裕もなく、だからどうしてなの! と語気を強める。
ほんの少しだけど、こっちの方が発表が早いんだよね。
久富さんのその言葉に大きく頷く。その後に続く、それにさ・・・・ なんて言葉は聞こえないふりをするのが丁度いい。感情を焦らすのは女性の特権だと教わっている。
自分の番号は記憶の中。文字を認識する前に光り輝く箇所を見つける。そこにあるって事は明白で、その時点で涙が溢れる。
なんで泣いてるの? と久富さん。分からないよと私は言う。
近付き知る合格の真実。
よかったねとの言葉は嬉しかったけれど、涙の理由が分からず思わず首を横に振ってしまう。
そっと頭を撫で撫でしてくれる久富さんに少しだけ甘えながら家路を急ぐ。何故だろう? 電話で伝える気が起きなかった。




