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ただいま! 少しでも元気よくと思い声を出して店に入ると、不思議な輝きに店内が包まれていた。
私には見えた。
そう言う事なの?
私の言葉に頷く父と母。
受かりましたよ!
私の言葉を合図にその輝きが柔らかく薄れていく。
そして私と久富さんの目の前に集中する。
かなでちゃん、おめでとう!
笑顔の教授が私の肩に手を乗せる。
私がそっと握り返すと、すっとすり抜け久富さんの肩を掴む。
これから先は君に任せるからね。
その言葉にようやく目の前の教授の姿が見えたかのようにハッと目を見開き、勢いのままに涙を溢す。
教授は事件の為に海外へ行き、そこで殺された。戦争に巻き込まれた形になっているが、真実は分からない。教授の研究は世界中から注目されていたようだ。
今日から大学かぁ! なんだかおっちゃん泣けてくるなぁ。
キッチンの裏からただいまと店に帰ってくる私を見て中川さんが言う。
さっきそこから見てたでぇ! 中々に綺麗やったな!
もう! そんな事言うから着替えて来たんだよ! そんなからかい方してると訴えられるからね!
おやおや、恐ろしい時代になったねぇ。
中川さんは父に向かってそう言い、二人の世間話が始まった。
私は空いているカウンター席に腰を下ろしてコーヒーを楽しむ。教授が最後に残した論文を読みながら。
チリンッとドアが開く寸前の合図が聞こえ、論文を置き立ち上がる。
浮かび上がる人影を迎え、元気な声を出す。
いらっしゃいませ!
今日も新しい一日が、続いていく。




