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8月9日 12時34分 工魔科学帝国マンス中枢紅魔城城下 噴水広場の演説台 帝国第三古代結界の跡地~「禁術 自爆魔法 ギガンテ 禁術 生命再生魔法 ザーリク同時発動」

 「君の加護は何だい?私が推測するには、、、」

 勇者ラルフはゆったりとそれでいて戦場においてはまったり過ぎる言いかたで目の前の天海衆第三代総大将ラティオに問いかける。しかしラティオはそれに対して何も答えず、大太刀を鞘から抜かずにラルフに対して振るう。その横薙ぎを舞い散る桜をつかむのが困難なように、ひらりひらりひらひらとラルフは軽く躱す。


 「私が推測するには、先ほどの隕石は加護によるものだろう、龍人族の領域である空中と言えはいえど、地上最速である元剣聖ランスロット・アレクシア以上の異常な速度が出ていた。あれ何だったかな龍星の加護だったかな?流星の加護だったかな?たしか?君は勇者ラルフと加護を使わずに戦うつもりかい?」


 そんな戯言を気にもせず、ラティオはラルフに大太刀をふるい続ける。ラルフも慣れてきたのかするすると躱していく。軽く早く丸くいなしていく。ラルフが躱した後ろの景色がパズルのピースのように割れていく。それはラティオの振るう一撃の膂力と威力を示すパズルの1ピースのようでもあった。


 「かなしいね、其れだけの才覚と才能でありながら、お話ができないというのは人間というのはしゃべるために生まれてきたのだろうと思っているのだけれどね、、、せっかく現世に少しの間とはいえど蘇ったというのに、ここを黄泉に変えるつもりなのかな君は、別にそれはそれで見てみたいものだけれど、私は優しいからあまり無駄死にというのは好きなじゃないんだ。ここで君がひいてくれるのならば見逃してあげてもいいよ。これは注意喚起でもあり忠告でもある君のような中二病の坊やにも私はしっかりと礼儀を払って生きていきたいんだ。とは言ったものの私はもう死んでいるのだけれどね。何だろう、私はおしゃべり大好きだからさここで君とずっとしゃべっているというのも悪くはないのかなとか思ったりもするのだけれど、まあそうはいかないか、ここに生きる民がいる限り、ここに灯る勇気がある限りそれに対して報いるというのが私のような勇者の仕事なのだろうからね。とは言ったもののここに生きている人間なんて最初から一人もいないのだろうな。かのネロ君が作った国だというのならそうなのだろうな。」


 しゃべり続けるラルフに対してラティオは黙々と太刀をふるい続ける、立ち話をするつもりはあまりないらしい。


 「そろそろ話してくれもよくないか?お姉さんがゆったりとまったりと語りかけているというのに何が目的なんだい?なぜ君はこの国に来たんだい?これは私の推測なのだけれどね、もしかして君の家族でも人質に、、、」

 そういった瞬間ラティオの太刀筋が変わる。さっきまで冷静なように見えたラティオとは一転して腕白で意地っ張りな子供のように強く早く硬く太刀をふるう。それを言葉にすることはないが、家族という単語が出た瞬間ラティオの目に宿るものが変わった。


 「二等流 二刀流 首欠けのキングギドラ」

 そう言ったラティオは自身の持つ大太刀を瓦割の要領で叩き割り、分解し分裂させる。するとその大太刀の姿が変わる。二本の日本刀に、、、それはまるでヤマタノオロチのようだとラルフは見ていて感じた。


 ラティオの動きの速度が上がる。二本の日本刀をまるで双剣のように扱うラティオの動きはたとえラルフであっても捉えきることができない。勇者ラルフの右腕が吹き飛ぶ。当たり前みたいに、、、

 「おいクソババア、俺の目の前で二度と妹の話をするな、、、出ないと俺は冷静から意地っ張りに変わるぜ」

 「私は家族と言っただけで妹だなんて一言も言ってないのだけれどね。まあやっとしゃべってくれた。良かったよ。そうだね男の子なんだから、冷静よりも少し意地っ張りでわんぱくで短気なくらいがちょうどいいのかもね」

 そういいながらゆったりと自身の傷口を無詠唱無動作無作法に治癒する、勇者ラルフ。


 「仕方ないなこれはいやはや致し方ないなアレをやらざる負えない。」

 そういった勇者ラルフの近くにある魔力反応が爆増していくのがこの場にいるラティオには伝わる。それは暴力的でもあるが少し静かでまるで導火線に火をつけた爆弾のようだとラティオは感じた。


 「自爆魔法なんて使う奴は私は二流だと思うんだよ、だって死んじゃうからね、、、」

 「んあ?」

 「私だったらこう使う」

 「禁術 自爆魔法 ギガンテ 禁術 生命再生魔法 ザーリク同時発動」


 禁忌×禁忌。禁忌の中の禁忌による怪物のような破壊が今巻き起こる。

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