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8月9日 12時39分 工魔科学帝国マンス中枢紅魔城 正と裏を繋ぐ城内大廊下~「次元残を残さぬ次元斬ディメンション・エクスカリバー」

 剣眼ソドスフィアによって剣聖の加護スキル【視線を剣にする剣】を無詠唱で使用可能にした元剣聖ランスロットアレクシアはガルダの楔のような鎖を【視線を剣にする剣】と【空気抵抗を切り裂く剣】で弾き飛ばす。おはじきのように弾かれた鎖は紅魔城城内を破壊し解体したのみでアレクシアの元の届くことはない。


 血だらけかつ傷だらけで竜巻のような魔力反応をまき散らす、ガルダは思考を施行することをやめていた。ただ目の前の愛すべき弟であるレオン・ライオネルが愛したメイドを殺すことだけを鑑み考える。衝動を暴走的に感じる。


 「お前を殺すには本気では足りない、狂気でも足りない、殺気だ。俺の中に眠る殺気を全て叩き出す。まるで1239(いつ咲く)かもわからない花を引きちぎるみたいに、、、」

 ガルダは独り言ちるつもりで言った。

 「狂人的凶刃といったところか、、、その楔のような鎖には何かがあるな、触れずに殺す。剣眼解放」


 アレクシアは【視線を剣にする剣】と【空気抵抗を切り裂く剣】と【次元を切り裂く剣】の三連無詠唱同時発動によって、ガルダを音速を超えた次元を刈り取る不可視かつ不可避で不可逆的刃で切り刻む。アレクシアがそれを施行した瞬間コンマ一秒でガルダの体から血が噴水のようにあるいは火山の噴火のように噴き出る。ただでさえ血だらけのガルダの体に無数の穴が開く。ハチの巣のようでもある。しかしガルダは動きを止めることはない。ガルダが持つ加護は不動なのに只々戦いのために動き続ける。


 「不動の加護スキル【チェーンジェイル】」

 ガルダライオネルはそう唱えると、右手に持った鎖を紅魔城の壁にめがけて其処らかしこ四方八方に叩きつける。その草すら生えない鎖はガラスや壁を割っていく。適当に振るわれた楔のような鎖はアレクシアの剣眼をもってしても縦横無尽が過ぎるために弾ききることは出来ない。


 紅魔城のいろいろな場所に当たるたびにガルダの不動の加護は発動する。黄金色の異次元から伸びた鎖のような何かが、打ち付けられた場所に張り巡らされる。それは不動の加護がその場所に顕現し顕界したことの証明だ。


 血だらけの暴力はその張り巡らされた、黄金の楔のような鎖に向かって飛ぶ。それを立体的なボクシングのリングのようにして不動の加護の効果であるベクトルストップをはさみながらガルダ自身の体を弓につがえた矢に見立てるようにして飛ばす。


 最初のベクトルの矢印を表示させる。色は白色。そしてまたその飛ばした先にある楔のような鎖を使って体を反射させる、次は灰色。そしてまた反射させる。次は青色。また反射させる。次は赤色。そして次は紫色。最後の反射をさせる。色は最高ベクトルである黒色。


 そこには楔のような鎖はない。ただそこにいるのはこれから冥土に送るメイドだけだ。


 地上最速故に最強と言われた。元剣聖のランスロット・アレクシアもその超高速反射に対応することは出来ない、なぜならば反射するたびにベクトルストップつまり一瞬の無敵にして攻撃が無効化される時間が挟まるため、ソドスフィアでは対応できない。徒手空拳ならぬ徒手剣でその一撃を耐えきるしかない。


 「ストライクショットお兄ちゃんによるメイドを冥途から冥土に送るキック」


 ライダーキックの要領と膂力でガルダはランスロットの元に向かっていく。


 それを血が少しにじんだ手でガルダが壊したガラスの破片を握ったアレクシアは、、、

 「次元残を残さぬ次元斬」

 ガラスの破片がまるで聖剣のように光り輝く。

 「ディメンション・エクスカリバー」

 

 「ぶった切る」

 「ヴち殺す」

 その光の破壊と暴力の竜巻が衝突する。工魔科学帝国中枢紅魔城の第一階層の大廊下に衝撃の嵐が吹き荒れる。あらゆるものを吹き飛ばす。


 その光はゆったりと開けていく。まるで宵の明星みたいに。その光が明けた先倒れていたのは、、、


 一人の女性だった。一人のメイドだった。一人の冥途をあるいて冥土に向かう途中の女。ランスロットアレクシアだった。


 

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