8月9日 12時42分 工魔科学帝国マンス中枢紅魔城 禁書庫 人形の実験場~「ネロさんは1242《いつ死に》ますか?」
256人へと増えた轟さんを使った犯人当て密室殺人ミステリーバトルが今始まる。
まず30人ほどの轟さんがネロさんへと向かっていく。
轟さんはネロさんを除いた帝国の戦士の中で当たり前のように最強なので、一歩足を踏み出しただけで地面に爆音のような音が轟く。その脚力と爆発属性を帯びた魔力その二つを使って戦う。わかりやすい強さを持った近中距離型のファイター。実験場が悲鳴を上げていく。この国の唯一の生命の泉が枯れていく。多分フォニイさんも轟さんもこの戦いを望んではいない、しかしこの場にいる全員が何が正しいのかを考え鑑みた結果としてこの戦いが起こっているのだろう。
ネロさんはその獅子の咆哮のような轟さんの獅子奮迅の攻撃を結界術と体術の手練手管を巧みにまた匠のように使って軽く躱しながらいなす。
「あんたと出会ったのはいつだっただろうか?」
256人の轟さんのうちの一人がゆったりと話しかける。否騙り×語り掛ける。
「たしか、工魔科学帝国創立10周年の来賓会だったんじゃないかな?二次会だったか?三次会だったか?はたまた大惨事だったか?覚えてはいないのだけれど」
「ああそうだったな、、、」
256人の内の轟さんのうちの一人がまた語る。偏った思考で騙る。
「こんな回想の入り方をするんだね、なんだか不思議な感じだ」
「俺とあんたの会話なんてこんなものだろう」
また一人の轟さんが返す。
「そっからなんで俺は改造人間になったんだ?」
「君の才能がどうちゃらこうちゃらとか言ったんじゃないかな?」
「そうそう」「あんたが騙すみたいに言った言葉で騙されて、そんで気づけばこの国の人形だよ」「ぼったくりバーかよ」「クソ王子」「まあだましだましやっていたのは」「お互い様か」「帝国の設定と決定にそむいて悪かったな」
「こちらこそ無理をさせていたみたいで、、、それはそれは悪かったね轟君」
「もっと」「もっと」「人を気遣う気持ちを見せたほうがいいぜネロ三世さん」「じゃねえとよ」
「じゃないとなにかな?」
「悲しい」「かなしい」「戦いになる事」「は間違いがない」「それが嫌なんだったら」
「嫌なんだったら?」
「もう少し反抗期の息子に」「も目を駆けとけよ」「否目をかけとけよ」「誤字ったな」
そういった瞬間、轟さんが一体破壊される。ここで轟さんの数が255体に減る。そこに間髪開けず轟さんはラッシュを仕掛けるように人員を流し込む。
「馬鹿な息子それでも愛そうって使い方あってる?」
「あってんじゃねえか?」「しらねえけんど」「そういう」「とこ」嫌いだぜ、、、轟さんはそう言いたかったようだがそう言うことはなかった。やっぱり嘘はつけないのだろうなと感じた。
「あんたは俺たちに対してどんな感情を持っていた?」「やっぱり」「無感情か?」「それとも」「本当に」「俺たちの事を」「愛していたのか?」「そんな事とか」「聞いてみてもいいか?」
「うん構わないよ、、、僕は君たちの事を愛している。あの人がどうかはわからないのだけれど、多分あの人だって嫌いではなかったと思うんだよな」
ネロさんは誰かを思い出すかのように言った。誰の事を思い出しているのかはわからない。その瞬間ネロさんの頬に少しだけかすり傷ができる。この人が見せたこの戦闘での唯一の隙だったのかもしれない。否好きだったのかもしれない。
「あんたは完ぺきってなんだと思う?」「幸福なことか」「無欠なことか」「無駄がない事か?」「永遠に生き続けるという事か?」「あんたが神様なら何を」「選ぶんだ?」
「何を選ぶかな?幸福で無欠で無駄がない事は確かに欲しい、そんな奴がいたら永遠に生き続けてほしいとも願うだろうね。だったら全部なのかな?」
「あんたは本当に親」「というもの」「に」「向いていないな」「あんたは絵空事と」「他人の」「事」「それを掛け合わせて考えてしまう」「愚か者だぜ」「やっぱり」「あんたは」「俺が」「、、、」殺さなくちゃならないとは言わなかった。否言えなかったのかもしれない。轟さんらしいと言えばらしいけれど、それを見て轟さんという人物は真っすぐな人なのだなと僕は感じた。
「あなたは他人の生命と自分の生命どっちを優先しますか?」
これは轟さんをペーストした僕が聞いた言葉だ。
「どうだろうね、レオン君はどっちを優先する?」
速攻でばれていたが別にどうでもよかった。
「自分ですね、それが人間ですから」
「僕は他人を優先してしまうのだろうな、だから人形なんだろうね」
「あんたは」「いつまでた」「っても」「、、、」轟さんは少し悲しそうな声でネロさんに向かって言った。
轟さんは僕が裏切ったらネロさんを裏切ると言っていた。でも実際のところは自分一人でも裏切っていたのではないかと思う。優しくて正しくてそれなのに全部が間違っているこの人の事を真面目で愚直な轟さんは放ってはおけないだろうから。できるなら、自分で殺したいと願うだろうから、、、フォニイさんも実のところ同じような気持ちなんじゃないかなと僕は勝手に想像し妄想し予想した。
「ネロさんは1242ますか?」
僕は少し失礼なことを聞いた。
「いつでもいいよ」
ネロさんは適度に適当に答えた。
「そうっすか、、、」




