8月9日 12時15分 工魔科学帝国マンス中枢紅魔城城下 噴水広場の演説台 帝国第三古代結界の境界~帝国第三古代結界の決壊「俺様‼の遺伝子。爆誕降誕大降臨‼カオスの輪廻が今始まる。フォカッチャ」
レオン・ライオネルの兄であり兄でしかないガルダ・ライオネルは血だらけになりながら六魔女の絶対的かつ決定的で結界内では決壊することの無い連携を崩す手段を彼女らを観察しながら考察し洞察していた。
まずこの六人の中でガルダが最も警戒しなくてはならないのは、ジャンヌと名乗っていた黒のロングとチェンジの加護を持っている青のツーブロック。理由はシンプル六魔女の全員がジャンヌとガルダをくっつけるための間合い管理を決定的かつ絶対的に徹底し設定し続けている。おそらくジャンヌの使う鎌の間合いに入った瞬間ガルダはカモられる。
そして青のツーブロックの位置替えは最もシンプルにそれが行える。だが位置替えの加護には詠唱が必要なので少しラグがある。その分ジャンヌよりかは少し楽かつラフに立ち回ってもよいだろうとガルダは結論付ける。
次に警戒すべきなのは金髪のポニーテール。理由はシンプル彼女の無重力の加護はガルダのベクトルが溜まりすぎているとスタンダードにスタンしてしまうスタンディングしているだけなのならジャンヌの運動性能なら一気に距離を詰められそのまま六魔女側の詰め筋に入ってしまう。
残りのアントワネットと呼ばれていた紫髪のダメージウォールとヨサノと呼ばれていた緑色の結界はガルダは無視してもよいだろうと考え鑑みていた。理由は単純かつ淡白でダメージウォールは触れた面だけでガルダ自身に作用させることは出来ないので、アントワネットが近づいてくるのならガルダの得意な近距離戦で殺せばいい。
そして次に決壊の要であるヨサノ。ヨサノの死は結界の決壊を意味するので確実にヨサノからガルダの知覚できる距離に近づいてくることはない。それは相手もあえて言わずともわかっていることだろうから、ヨサノを前線に出すことはあり得ない。よって今回の戦闘においてヨサノについて考える必要はない。
最後に赤の坊主。こいつに関しては謎。加護もわからない。謎の若手。変な虫は無視するしかないなとガルダは結論付けた。
脳内でNOがないようにガルダは一つこれに対抗し回号となりうる新技を考えた。
「これからやんのはウルトラスーパーお兄ちゃんタイム。エンペラー賢者お兄ちゃんタイム。兄の中の兄の時間。不動の加護スキル【ベクトルストップ派生チェーンジェイル】」
ガルダは大きく生きるためかつイキるための息を吸う。
「ジャングルジムをやろうじゃん嬢ちゃん」
ガルダは楽しそうに微笑んだ。
ガルダは高速で拘束することのできる、不動の加護が付与された、鎖を楔のようにまるで何かにとりつかれたかのように乱暴に不埒に不完全にはたから見れば不思議かつ不可思議に振り回す。
「無重力の加護スキル【アンチグラビティ対象アントワネット、ヨサノ、ジャンヌ、私、ナイチンゲール、ヒミコ】」
金髪のポニーテールが六魔女全員にアンチグラビティをかける。それによって適当かつ適度に振り回された鎖を六魔女の全員が簡単にふわふわと浮かびながら硬く早く丸く躱す。
「自棄になったか。それは無意味で無味乾燥な魔力の無駄遣いだ」
ジャンヌが煽る気も語る気もなく言った。
「そっちじゃねえ、、、」
ガルダが狙ったのはヨサノが管理する立方体の結界の壁だった。壁に対して何度も何度もベクトルストップの鎖を楔のように打ち込み続ける。
その壁に不動の加護が適応されたことを示す異次元から伸びた金色の鎖が何本も貼られまるでアスレチックのような形を形作る。
その立方体に張り巡らされたリングにある一つの不動の鎖を使い、まるで弓から矢を飛ばすみたいにガルダは自身に不動の加護を適応する。
最初はヨサノに向かうような緑色の矢印ができる。そのベクトルを利用して無重力状態で浮いているヨサノにライダーキックの要領と不動の加護の応用で体を飛ばす。それを当然のようにヨサノは回避し無重力を使って回遊する。しかしヨサノの近くにあった壁にも当然のように当確のように等間隔に不動の加護の鎖がある。
それをまた不動の加護を使い、ベクトルストップで弓から矢を飛ばすみたいにガルダ自身に自信の持てるベクトルストップを付与する。次は、赤色のベクトルが金髪のポニーテールに向かって伸びる、さっきよりも数段早く軽く硬い速度でそこに向かっていく。
それを間一髪ポニーテールはかわす。しかしその軽く硬く丸く早く躱した先にも当然のように等間隔の鎖がある。またもやガルダは不動の鎖を使い、弓から矢を飛ばすみたいに自身に自信を持った不動の加護を適応する。
「チェックメイト ストライクショット超絶おにいちゃんライダーキックアタック略してアナルファック」
ガルダは青色のツーブロック先ほどナイチンゲールと呼ばれていた、少女に向かってベクトルを伸ばす。その色は紫色だった。
それを間一髪回避しようと加護を詠唱するナイチンゲール。
「位置替えの加護スキル【チェンジアントワネットとわた、、、】」
おそらくアントワネットの面熱の加護スキル【ダメージウォール】を発動してカウンターを狙いに行ったのだろう。
しかし、言い切る前にガルダの右足はナイチンゲールの顔面に直接直撃している。まず頭蓋骨が割れる鈍い音が成りたち鳴り響く。
「言わなかったか?加護の詠唱にはラグがあって俺をラフにし楽にしてしまうと、、、考え鑑みてみれば、イってねえか。」
頭が風船のようにパチンという吐き気のする音を立てて弾ける。血の雨がガルダを飾り付ける。
ガルダは器用にその先にトランポリンまたは蜘蛛の巣のように置かれた不動の加護の鎖を使って勢いを殺し落とし着地する。ナイチンゲールの首元から流れる血のシャワーを浴びながら今傲慢に降臨する。降誕する。行進する。一つのお兄ちゃんというカオスが。
「俺様‼の遺伝子。爆誕降誕大降臨‼カオスの輪廻が今始まる。フォカッチャ」
一人の魔女が死んだときその結界内に六魔女でもない、ガルダでもない一人の足音が入る。ガルダはその女性の顔に見覚えがあった。逆に言えば顔にしか見覚えがなかった。その顔つきがガルダにとってあまりに優しすぎて野菜しか入ってないスープのようでもあった。
「・・・・・・」
その女性は何もしゃべらない。
「あんたハアルプの姉貴か?いや違うな、否血げえな、もしあんたがハアルプの姉貴だとしたら魔力出力が小さすぎるし、そんな野菜スープみたいな優しい顔はしねえ。それにハアルプの姉貴は回復魔法を使えないはずだよな。なんで右腕があるんだ?」
ハアルプ【オルタ】が失ったはずの右腕を見ながらガルダは言った。
「なんでわかるんだよ、キッショ、、、とは言えないな。ここまでの状況証拠があればわかって当然で必然だ。」
その女性は微笑んだ。
「だれだ?」
「誰だと思う、、、」
「まさか?勇者ラル、、、」
その瞬間、その女性が無くなったはずの右腕を立てる。女性の右手にある勇者の加護を示す紋章が光り輝く。次の瞬間結界が崩壊し決壊する。まるでガラス細工をたたき割るみたいな音を立てて。
右の方向を見るとヨサノの右腕が吹っ切れたみたいに吹き飛んでいる。そこから血が出るよりも早く手の中に収まった十字架が雷のような雷鳴のような何かに破壊される。
それをやったのは、本物の勇者、殺さなければ死なないと言われた怪物、勇者ラルフの勇者の加護スキル【雷神】の光速の雷だ。
「加護の詠唱なんてぬるい真似しているから、君たちはいつまでたっても弱い浅い甘い。まるでアサイーみたいにね。これはオルタにも言えることだけどさ。あと結界の固有条件がビッチのマンコくらいガバガバでぬりいな、結界の部分分離なんて無茶なことをやっているから当然と言えば当然なのだけれど、魔力の量を制限すればほんの数秒で入れるというのはさすがにガバガバすぎるかな。まあでも考え鑑みてみれば魔力の出力制限なんて悪趣味で無意味なことをするやつは私ぐらいの物か、まあ出力は高めるより下げる方が難しいからね、現にオルタだってできないわけだから。別に結界の固有条件が悪手か?と問われれば難しいところだね。ここだけ見ると、魔力の扱いってちょっと料理の味付けとかと似ているよね、、、それにそこの緑髪の子を責めることもできないな結界の部分分離は自分自身で作った結界でやるだけでも難しいのに、それを魔族が10年以上前に作った結界でやれなんて言うほうが無茶だどうやったって無理が出る。でもやっぱり結界条件は勇者ラルフもしくはオルタの出入りを制限するくらい限定的なものにしないとそこら辺にいる単細胞以外は中に入れちゃうぞってあとで然るべき叱りを入れてやろう‼おそらく結界の魔術残滓を見るに発動する直前で何らかのイレギュラーがあって条件を変更したって感じなのだろうけど、やっぱネロ君はアドリブ弱いな。ああごめんごめん私ってしゃべる始めると止まらないから普段はしゃべらないようにしているんだ悪かったね」
ガルダは話半分に勇者ラルフの話を聞いていた。帝国の第三古代結界が決壊し崩壊する。その光の円柱が割れていく様がガルダにはまるでガラスの雨のように思えた。




