8月9日 12時04分 工魔科学帝国マンス中枢紅魔城城下 噴水広場の演説台 帝国第三古代結界の境界~六魔女の結界下での連携は絶対であり断じて接待ではなく決壊することはない。
レオン・ライオネルの兄であり兄でしかない、兄の中の兄であるガルダ・ライオネルは今、窮地に立たされていた。理由は簡単で単純で淡白だった。彼にとって世界のすべてであり勇者であり誰よりも愛し哀しAIしているレオンが時計の針が一時になった時、工魔科学帝国第一王子ネロ・グリフィスに処刑されてしまうからだ。
それを止めるため、ネログリフィスを殺したいのに目の前には六人の立ち話ができる、立場ではない敵がいた。この血だらけの凄惨的場所には適さない敵だった。黒色のドレスにピクシーハットをかぶる彼女たちは自身を自信をもって六魔女と名乗っていた。
「私たち六魔女が、レオンライオネル様の兄であり兄でしかない、兄だから兄にしかなりえない貴方を殺します。」
魔女長ジャンヌと名乗った彼女はネロ・グリフィスから受け取った、帝国第三古代結界を展開するのに使った十字架を近くに知覚している緑色の髪の毛のショートボブの女に渡す。
ガルダは早々に想像する。おそらくあれが噴水に展開された特大結界を作る触媒だ。あれを最速で最早で最短につぶし。結界を破壊してネロを一時になる前に殺す。それが、、、
「俺のお兄ちゃんだ、、、」
一瞬で緑髪の女に向かって鎖を放つ。
「無重力の加護スキル【アンチグラビティ対象ヨサノ】」
金髪ポニーテールのピクシーハットが緑髪に向かって手を向ける。
ヨサノといわれたその少女はまるで重力でも存外に存在しないみたいに、ガルダの鎖を軽く硬く早く躱す。放った鎖は地面をエグいくらいにえぐるだけだ。
十字架を持った緑髪の女は次に呪文を唱える。
「光の導きは我に、結界の成り立ちは魂を素とし、ここに明滅する命滅契約とする。帝国第三古代結界部分分離、立方体一辺50m展開」
その瞬間ヨサノが持っていた十字架が光を放つ。命滅するように明滅する。
ガルダは危険を試験的に私見的に察知し、後ろに下がる。しかし、ただの空気だったはずなのにそこには壁ができている。周りを見ると、光の壁に囲まれている。それは一面50mほどの四角の6つの面が立方体を形作るようだった。
ガルダは今起こっていることを脳内でNOがないように、整理し整頓し精査する。おそらくヨサノは噴水広場と城下を分かつ巨大結界を部分的に借用することで立方体のリングを高速で構成し調整し統制した。
ガルダが推測するに、この立方体から出ようとするのは硬い石のような意思があっても意味がない。なぜなら、これは先ほど展開された超古代結界の一部だからだ。あの結界はガルダの加護【不動】を使った最高にして最硬のベクトル発散でもびくともしかなかった。そこであがいてもオナニーと同じだ。恣意的な自慰行為だ。意味がない。
「ちょうどいい、、鳥かごの中に入った鳥どもぶっ殺すぜ」
ガルダがそういった瞬間、一番ガルダに近い位置にいた、紫色の髪の毛のベリーショートのピクシーハットがガルダに近づく。それを知覚したガルダは軽く早く捌くように鎖で防御を固める。しかし、、、
「トリックオアトリート。命くれないと殺しちゃうぞ!お兄さんもっと柔軟に状況を取り入れないと、取り残されちゃうよ。面熱の加護スキル【ダメージウォール】発動」
その女が触れたのは、ガルダではなくガルダの背後にある立方体の面だった。面倒くさいことが起きるそんな予感と悪寒がガルダの脳裏によぎった。その創造的な想像の通り、その面が爆発するような魔力反応に代わり、その瞬間ガルダの背中が燃え上がるような燃え盛るような燃え滾るような熱に襲われる。
ガルダの背面が爆発する。天地がめぐるめくように変わり、ガルダは吹き飛ばされる。
「不動の加護スキル【ベクトルストップ】対象俺」
ガルダは自身に不動の加護を適用することで動きを一瞬止める。逆方向の壁に向けて紫色に伸びるベクトルの矢印と異次元から伸びる黄色い鎖のような何かがガルダの周りを加工し囲う。まるで自殺でもするみたいに自害でもするみたいにガルダは鉄血にして熱血にして冷血な拳を自身に向けて反対方向に放つ。
血が噴き出るが、何とか吹き飛ばしされた分のベクトルは終息し収束して、態勢を体勢とともに安定させる。しかしこれは仕方ないガルダのベクトルストップはベクトルを一時停止するだけで加護の効果が切れればそのまま吹き飛ばされるだけになってしまう。
いったん落ち着いて状況を高速で拘束を解くように整理する。おそらく紫色のベリーショートはヨサノが作った結界に触れることで発動する加護をもっている。それで吹き飛ばされた。
あれには攻撃性能もあるが、恐ろしいのはあの程度の予備動作で紫色という黒色を除けばもっとも強いベクトルが表示されるほどのノックバック性能。おそらく紫色のベリーショートはジャンヌの間合いにガルダを入れることを狙ってきた。これらの事から、ジャンヌと正面衝突するのは正直危険であり穏健ではないとガルダは判断する。
思考の施行中にまたもや加護の呪文が唱えられる。
「無重力の加護スキル【アンチグラビティ対象ガルダ・ライオネル、アントワネット】」
見れば金髪のポニーテールがガルダと紫色のベリーショートに手を向けて何らかのスキルを発動している。
その瞬間ガルダとアントワネットと呼ばれていた女性の体がふわりと浮き上がる。否、ものすごいスピードで打ち上げられていく。一瞬で50mの立方体の屋根面へとガルダの思考ではたどりつけない速度でたどり着く。
「面熱の加護スキル【ダメージウォール】発動」
アントワネットがそういった瞬間、屋根面がまた燃え盛り燃え滾り燃え上がる。その熱の爆発によってガルダはまた吹き飛ばされる。
「無重力の加護スキル【アンチグラビティ対象ガルダ・ライオネル、アントワネット】解除」
金髪ポニーテールがそういった瞬間重力とともに衝撃のベクトルがガルダを遅くはない速度で襲う。
ちょうどガルダが落ちるであろう場所で青色のツーブロックがまた何かを唱えている。
しかしジャンヌでないのなら、距離は詰められても問題ないとガルダは判断した。
「結界内位置替えの加護スキル【チェンジ対象私とジャンヌ】発動」
その瞬間青のツーブロックとジャンヌの位置がガルダにとっては癪なことに逆になる。
「こんなのもあんのかよ!」
「不動の加護スキル【ベクトルストップ】」
またもガルダは自殺的で自傷的なベクトル変更をする。それで何とかジャンヌとの距離をとるジャンヌの振るった鎌はぎりぎりで空を切る。
驚異的な連携だ。一人一人の加護は鳥かごの中の鳥のように大したことはないが、連携すると最高にして彩光にして最硬。目の前にいるジャンヌの持つ鎌がガルダには死神を連想させた。
その思考をしていたさなか、地割れのような地震のような地響きのような地鳴りがガルダのいた場所に伝わる。否ガルダのいた場所だけではない。この街のすべてが揺れている。その地鳴りの咆哮がした方向を見つめるととてつもない数の粉塵のような何かがまき散らされている。あれは工魔科学帝国マンスの一番外側の城壁の外だ。後ろには悠然とそびえるパオシェン山脈が見える。
その粉塵はよく見ると、一つ一つが刃のようになっている。六魔女もそれを花火を眺める無邪気な少女のように見つめている。
次の瞬間帝国超古代第三結界が起こった時と同じような光の円柱が工魔科学帝国マンスの一番外側の城壁に降ろされる。
「第四古代結界が降りたか、剣聖がきたな、、、」
ジャンヌが破壊的な怪物を見るみたいにゆったりと答えた。




