8月9日午前4時44分 工魔科学帝国マンスへの旅路~工魔科学帝国への誘拐を威風堂々正々堂々白昼堂々宣言する幼馴染
「で?行き先はどちらになさるのですか?正々堂々、威風堂々、白昼堂々、僕のことを誘拐しに来た愉快な誘拐犯ジェーン殿」
僕は夜風に白色の長い髪の毛を揺らめかせる誘拐犯(幼馴染【ロリ】)に向かって話しかける。
「行き先は工魔科学帝国マンス中枢紅魔城、禁書庫。我が愛すべき兄ネロ・グリフィスの元です。」
その時僕の思考は一瞬膠着する、そういえば彼と姓が一緒だ。出会ったときにいきなりあなたを正々堂々誘拐しに来たなんて言われたものだから、頭から抜けていたが行方不明になってから彼の妹になったのだろうか、、、
「一つ聞いてもいいか?」
一つどころか何個でも聞きたいことはあったのだが、自分の思考の志向が施行できなかったので一番気になった一つを聞くことにした。
「構います」
「どっちだよその返答は」
「スリーサイズ以外の事ならば答えるという意味です」
「僕を言語学者か何かと勘違いしてないかお前」
「いいえ、言語学者ではなく、自分自身のメイドと混浴プレイを楽しむようなマッドサイエンティストだと評価しています。」
「おいそれ!マッドサイエンティストに失礼だぞ、彼らは日夜まじでマッドでまじでバッドでまじでブラッドな研究を続けている努力家だ。これは幼馴染からの命令だ。謝りなさい」
「すみません!大変な変態は目の前にいる大変態だけでした。」
「よろしい!」
否、よろしくない。
◇◇◇
「お前が行方不明になってから帝国の王族ネロ一族の養子になったという事か?」
「まあそのようなものです、、、」
「なんであっても唯々諾々かつ支離滅裂に答えるお前にしては、歯切れが悪いな」
「私は、、、」
「お前は?」
「人形なのです」
目の前の幼馴染が言った、人形という言葉をうまく飲み込むことができなかった。リカちゃん人形のようにつぶらな瞳をしている彼女ではあるが、それが自分の事を人形のようにかわいいというようなコミカルな自虐ではないことは彼女の口元を見ればわかった。ジェーンは昔から思ったことが口に出る。それは言葉ではない、物理的で些細な口の動きだ。しかし幼馴染である僕には一瞬見破ることができる。今であっても、、
「その人形という言葉への理解は王国の傀儡みたいな意味であってるか?」
「はいそのような意味もあります」
あまり深くは聞いてほしくなさそうだった。
「じゃあ話を変えよう、お前スリーサイズはいくつだ?」
「二進法ですか?」
「んなわけねえだろ、十進法だ」
「左から見ると94、102、70右から見ると94、51、70」
「お前の体は錯視か!じゃあ身長は何㎝だ」
「本当に聞きたかったのはそれですか?」
「ああ、お前がさっき言った人形という言葉少し気になるところがある。だから慎重に身長を教えてくれ、ジェニーこれは幼馴染としての質問だ」
「じゃあ答える必要はありませんね、今の私はネロ。ネロ・ジェーンなのですから」
「せっかく誘拐デートに付き合ってやっているんだからこれくらい良くないか?」
「デート中の付き合ってもいない女性にスリーサイズを聞くなど道程であり童貞でありいつまでも同定の貴方には早すぎます」
「正々堂々正直に痛いとこ着くよなお前は。でもさ、いつまでも同定なのはお前じゃないのか?」
この質問にジェーンが答えることはなかった。
◇◇◇
歩いていると工魔科学帝国マンスの朝日に照らされる赤色の街並みが見えてきた。
「工魔科学帝国マンスがなぜ赤黒いか知っていますか?」
隣の幼馴染が閉ざしていた口を開いた。
「元々魔族の領地だったから、魔界でしか取ることのできないエビルレンガが使用されているからだろ」
「はい、そうです。外見は魔界のようなのに住んでいるのは人間ですよね?」
「まあ、そういうことになるのかな」
「その赤黒い街並み以外にもゴーレムや空を飛ぶ地面などこの街は魔族の文明を利用することで類を見ない速度で発展していきました。レオン君はこの街は魔族の町だと思いますか?人間の町だと思いますか?」
「それは見る角度によって違うだろ。魔族に聞いたのなら今だって魔族の町だって答えるかもしれないし、人間に聞いたのならここは人類の町だと答える人が多い。そんなの角度しだいだ」
「そうです。私のスリーサイズもそういうことが言いたかったんです」
「嘘つき。適当なくせに」
「どうでしょうね」
彼女はそういうと口元にやりと曲げて笑った。




