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名柄川羽海という女の日常  作者: TASH/空野輝
ヨーロッパ、フランス編
35/51

フランス観光…… その4

 バイクで次に向かう場所はノートルダム大聖堂、別に自分は無宗教だが、これも見ておきたい建物の一つだった。まだ呼吸が乱れてるけどもう凱旋門を出る。

 もう見る事は無いでしょう。


 INAZUMA250、乗り心地は悪く無い。メーターもデジタルでSUZUKIいつもの配置メーターだ。そして250cc特有の乗り回しのよさがこの細い道が多いフランスの道をスイスイと通れる。そして何よりデザインだSUZUKI特有の露骨なデザインがこのフランスという街に馴染む。やっぱり世界はSUZUKIが制覇するのだ。

 ――ってさっきバイク通りを見た女がいう言葉では無いな。



 ノートルダム大聖堂に着いた。凱旋門からはちょっと離れてるだけで到着は早かった。――写真で見るよりデカい。如何にも古い建物ですよ感が凄い。


「……」


 圧巻。ボーッと立ってても良いけど、中に入ろう。


※ ※ ※ ※ ※ ※


 中も凄かった。

 ステンドガラスの出来栄えがヤバい。もうね、ヤバい。自分はスマホでひたすら写真に収めるだけ収めてノートルダム大聖堂を後にした。

 パイプオルガンの重低音がノートルダム大聖堂で響いていたのが印象に残った。

 

 時計を見ると既に三時だった。だいぶノートルダム大聖堂に居座ってたからこの時間だ。心洗われるべ。


 さてさて……すっかりこの時間になってしまったわけだが、自分はまだまだ物足りなかった。そう、自分はバイクに乗って長距離移動していない。


 そう、目的の無い旅に行こう。


 って、そう決めてさ、道に迷った。複雑なんだよねぇ――パリって。

 チョロチョロと走ってると車達にクラクション鳴らされて、ロータリー入るとパリのロータリーって大きいから次何処に迎えばも分からなくなる。――それで結局、戻れなくなって迷子。


 でもこのINAZUMA250は何処かに導いてくれている、そう思った。というか感じた。まるで――手を引っ張られてるかのように。でも、INAZUMAが何処に連れて行ってくれてるのかは分からない。結局分からない。


 信号で停まる


「イナズマー、ここは何処なんだよ」


 ポンポンとINAZUMAのタンクを叩く。自分はどうすれば……。

 信号が変わる。左に行くか。


 急に開けた場所に出た。真っ直ぐ行くと無数のバスが駐車場に停車していて何かの観光地のような場所だった。休憩も取ってなかったから、ここで休憩を取ることにしよう。

 公園――なのかな? でも緑が少ないし、どちらかというより、かなり硬派な場所に来てしまった感がある。ある文字を読み上げる。


「ヴェルサイユ――宮殿?」


 中学生くらいの授業で習った気がする。「地なき地に水を引く」「貴族を従わせる」「民衆の心を掴む」の三つだったかな。そしてルイ14世の住処だったけか? もう数十年前の記憶なんて覚えてない。


 18ユーロの一日パスポートで中に入る。正に貴族の場所って分かるな。宮殿内でのアナウンスは日本語で聞ける。この考慮は嬉しい。世界で最も使えない言語なのにわざわざ……ありがとうございます。


 噴水がある公園でゆっくりとする。ベンチがないよ――ツラい。

 中に入ってから緑が一気に増えたな。どれだけの額がここの宮殿では掛かっているのだろうか。数十億? 数百億? 何処かに書いていないのだろうか。

 パンフレットを見てみる。……っていうか、とんでもなく広いな。もうちょっと早く来るべきだった。

 全部見てたら時間が掛かって、閉園時間になってしう。仕方ない、宮殿のみにするか。


 ジリジリとした暑さから体力が消耗する、キツいぜよ。

 そういえば、さっき18ユーロで一日パスポートを購入したが、残念ながらこのパスポートじゃ入れない所もあるらしい、しかも閉園時間が午後六時だから残り二時間――これは損した。サッと18ユーロ出したが、これ、結構高い。 時間換算しても6ユーロ。 仕方が無い。 ディナーの場所も探さなきゃいけないからとっとと回って帰ろう。ホテルに。


※ ※ ※ ※ ※ ※


「ふぅ……」


 宮殿内を見まわってINAZUMAの元に帰ってちょっと生温いミネラルウォーターを口にする。あんまり美味しくない。

 徐々に周りも暗くなって街灯が付き始める、マズい。都心に早く帰らないと。

 自分は急いでエンジンをスタートさせて走らせる。


 

 走ってる途中に美味しそうなカフェがあって、少し急ぎ目に食べてお金をぴったり置く。

 それからバイクのレンタルもこれで最後なので返しに行く。時間は有限だ。――なんでこんな忙しく動かなきゃならんのだ。


 取り敢えず、バイクレンタルショップには着いた。


「はぁ――すみません、ちょっと遅くなりました」

「お疲れ様です、お待ちしてました」

「結構走りやすかったです。ありがとうございました」


 店員にヘルメットとバイクの鍵を渡す。


「ちょっと――焼けました」

「はい?」


 自分は腕とかを見る。――確かに焼けたかもしれない。


「フランスって日中暑いですし、仕方ないんですよね。でも走りやすかったでしょう?」

「そうですね――とは良いたんですけど、やっぱり日本の方が」

「ですよねー」


 自分はニタァと笑う。ゴメン、だいぶ参ってるんだ、疲れて。


「――ありがとう、INAZUMA」


 店員に一礼してホテルまで帰ろう。


※ ※ ※ ※ ※ ※


 いつものように、オオハラさんを呼んで……っていう訳では無く既に待っていた。


「お待ちしてました、鍵の方をお渡しします」

「どうも……」


 鍵を手渡され、部屋の方まで行く。

 ガチャっと開けて直ぐにベッドに横になる。――今日も色々有り過ぎたんだよ。


「明日が帰国か」


 今だけちょっと寂しさを感じた。フランス――良かった。旅としては成功かもしれないが、時間を気にしないで移動したのがちょっと問題点だった。もっと計画的に行くべきだったな。事を振り返る。


 今頃、雨宮さんはどうしてるのだろうか。自分は財布の中から名刺を取り出す。――まぁ気にする程でも無いけど、結局会わなかったからね。でもこの人が居なかったら本当に何も行動できなかった。感謝してます。


 さてさて、明日は帰国なので寝ます。夜も遅いしね。

 おやすみなさい。

フランス編を書き終わったのですが、途中でネタ切れを起こしてしまい、文が続かない事が多くなってしまいまして関東旅編よりも短くなってしまいました。(笑) 羽海にとってはフランスはあまり相性が合わない国だったのかもしれません、羽海の性格と芸術とは程遠いにも関わらずそのバランスを考えなかった筆者が悪いのですが、唐突に外国へと旅だったらどうなるのか? 結果は難しいものでした。次回はもっとネタを絞りこめる様な内容にしようと思います。フランス編はこれにて終了です、ありがとうございました。

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