表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
名柄川羽海という女の日常  作者: TASH/空野輝
ヨーロッパ、フランス編
28/51

旅準備へ……

――午後十一時


 今日――自分は奇跡を起こしてしまった。たった二万円で。

 バイトを辞めて以降1ヶ月は経つのだが、特に何もすること無く母親から一ヶ月のお小遣いを貰い、そのお小遣いを手に取っておいたのだが、偶々今日朝の九時に起きたわけだからパチンコ屋に向かった訳だ。


 そこでパチンコ屋に並んでたおじいちゃんに「若い娘もぱちんこというのをやるんじゃなぁ、HAHAHA」と言われて「まぁ暇ですから、出ても出なくても時間潰しですわ」だなんて日常的に返してた。


 ここまでは日常だったんだが、いざパチンコ台の前に座って打ってて一万円無くなった所で「今日は微妙だな」なんて思って朝話してたおじいちゃんの横に座って一万円を入れて数時間……その一万円が無くなりそうな所で数字が3つ揃って当たったのだ。


 「今日はラッキー」と心の中で頷いてたら、五連一〇連一五連……と自分の後ろでパチンコ球が入った箱が積み上がっていく、挙げ句の果てに隣のおじいちゃんからは「化け物じゃのぉ!はぁぁ……!」とか言われて夕方位に帰っていったかな。自分はこの時間までずっと出っぱなしだった。


 そして閉店になって店員に声を掛けられ計数器に流した所…八〇〇〇〇玉くらい出てたという所だ。

 これが特殊景品というのに変わって質屋……まぁ換金所に売る訳だが、その出てきたお金が三二万円。

二万円を入れたという事だから差額三〇万円という事になる。元々一〇万円持ってきてるので財布の中は四〇万円でパンッパンだ。

 予想の斜め上すぎる上出来さで換金所の前で本当に四〇万円あるのか何度も何度もパタパタとさせている所だ。いくら数えた所で四〇万キッチリとある。


「もうよさんかね……お姉ちゃん帰んなさい」


 流石に換金所のおじいちゃんもあたしを見て帰ることを勧めてきた。


「ア、ハイ……ゴメンナサイ」


 自分は棒読みで返して家に帰ったのだ。


 という事で今は家だ。パソコンの前で四〇万を並べている。ギューッと手で潰すと40万って薄いんだな。自分の小遣い四ヶ月分がこうなのか。こうなると一〇〇万円はそんなに厚くないのだろうか。


 いや厚くなくても人を狂わす事が出来るのだからお金は恐ろしい。一度これで人を叩いてみたいと考えたがそんなのではなく、ちょっと海外旅行に挑戦してみたいと思ったのだ。

 これだけあれば行きと帰りでもまだ残るだろう。

 早速旅行のサイトで調べてみると「パリ」という名前が出てきた……確かこれはフランスだったかな。

 ヨーロッパかぁ――悪くない、ここにしよう。


 しかし、どうもこれだけじゃ物足りない。三日間らしいが歩いてみるというのも嫌だし。

 ――ヨーロッパの運転免許を取ってみるか、という考えになった。こういうのは免許センター行けば大体分かるだろ。 

 明日行ってみよう、今日は耳と腕が痛いから休むことにしよう。


※ ※ ※ ※ ※ ※


――次の日午前9時

 流石に日本を離れるという事でこれは両親の許可を得られなければこのプロジェクトは発動させられない。ということで、いつもの様に階段を降りて居間の扉を開く。


「あら羽海……朝早くからどうしたの?」

「急にだけどフランス行きます」


 母はビックリして拭いていた皿を台所の水桶にボチャンと落とした。


「フフフ――フランス?」

「うん、パリに」

「パ、パリ?」


 母は突然あたしの顔をベタベタと触りだした。


「あなた何処か調子悪いの? 大丈夫? とりあえず病院に」

「いや、大丈夫、大丈夫だから……」


 どうやら信じられないようだ。まぁ一人娘が急にパリだなんて言い出すからそりゃ驚くわな。


「えーと――止めないけど英語大丈夫なの?」

「あー……フランスはフランス語……」


「……」


「とりあえず、行っても良いの?」

「えぇ――まぁ」


 了承確認


※ ※ ※ ※ ※ ※


――午前10時

 自分は免許センターの前に来た。更新の人が多いからか人だかりが出来ていた。というか免許センターに行けば必ず居るな…因みに海浜幕張免許センターだ。中に入って受付に行く。


「ごめんなさい、外国でバイクを運転したいんですけど……」

「国際免許運転ですね?それでしたら用紙と――」


 中々国際免許を取ろうと言う人は少ないようだ。とりあえず用紙を取得できたので

コレにバイク◯普通◯と色々書いて渡す。

個室にどうぞと言われて何かの説明を受けるらしい。


「本日は遠い所、免許センター迄ありがとうございます」

「いえいえ……」

「えーと幾つか説明をするので宜しくお願いします」



 簡単に説明すると国際免許の有効期限は一年間、普通自動車は3500kgの車両まで、普通二輪は重量が400kg迄との事。400kmという事は――これだと大型二輪まで乗れるじゃないか、排気量関係なし!?


 流石外国ぶっ飛んでる、というかコレが普通の考えなんだろうな。

 二四〇〇円の交付料とパスポートの掲示をして終了――あら簡単。


 電車に揺られながら、旅行券の手配を済ませ次は乗るバイクをレンタルする。

 400kg迄と言われながらも大型二輪の重量は自分が今乗ってるGSR400より重いだろうと考え日本で言う400cc以下を探していた。

 しかし探してもハーレーとスクーターばかりで中々出ない、スクーターでも良いのだがせっかくなのだからネイキッドで探したい所だ。


 やっと出たのがFRANCE SUZUKIの――驚きだった。INAZUMA250だ。馬鹿な、日本にはニーハンのINAZUMAなんて無いぞ。海外のみの車両か。

 流石にスズ菌感染者の自分でも世界までは見れない。INAZUMA250か‥…以前にINAZUMA400乗っていたがちょっとしたトラウマ持ちでして…でも良い機会と言えば良い機会だ。思い出の一機種だからこそフランスで乗る価値があるのかもしれない。


「……ポチろう」


 フランスで乗るバイクはこれに決めた。


 キャリアケースなんて自分は持って行かない。自分はバッグ一つで十分だ。

 そして機内に持ち込むものはウエストバッグでまた十分だ。

 こっちにはスマートフォンやパスポートとか大事な物を入れておく、バッグには生活必需品のみ、これで防犯対策はバッチリだし置いてぶん取られる事も無いだろう。フランスにたどり着いても

 電車とかの移動は無いし、バイクでの移動だからやっぱりバッグが一番だろう――と言っても多分宿泊先に置くだろうけど、ウエストバッグ以外は。

とにかく積める物は積めた。国際免許も取ったし旅行券は空港で受け取ることになってるし

 当日を待つだけだ。自分はその日まで休むことにしよう。


 それではお休み……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ