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名柄川羽海という女の日常  作者: TASH/空野輝
激濤、関東旅編
17/51

大洗町へ……

 鬼怒川をを抜け、マップに本田という文字が見え、技研だの工業だのの文字が見えたので「HONDAの工場っぽいよ」と麻衣に教えた。麻衣は、「マジですかいな」と言い、バイクで抜かす人々に手を振っていた。いやいや……、そいつら関係ないと思うし、車の技研の方だと思うぞ。


――午前11時半

 1時間近く走らせてきたので、休憩を取ると麻衣に伝えた。休憩する場所は123号線の「道の駅もてぎ」だ。ということは、もう少し走らせたらツインリンクもてぎに着くのか、だいぶ走ったなー。「休憩ついでにここで飯も食べるか」自分はそう提案すると「そうだね、色々あるし」麻衣も乗っかった。


 道の駅といえば、やっぱりラーメンか? というか道の駅はツーリングラーに取っても、ラーツーをしてる人にとってもありがたい休憩所であろう。アイスクリームは必ずあるしラーメンも必ず、オマケにお土産だってある。ここ一回来るだけで事が足りる。でもツーリングは景色を見たりその地に降りたりする事が大事だから、道の駅はオマケであろう。


 早速、お土産屋さんに入ると…千葉と同様変なのはいっぱいあるんだな…これは全国共通だったか。

「もてぎの〇〇シリーズ」が沢山ありすぎる、主に柚子だ。柚子酢、柚子塩だれ、柚子ポン酢……柚子推しか。麻衣はその中から「もてぎの手搾りゆず果汁100%」というのを買って飲んでいた「ん~すっぱ~い」麻衣の顔の表情から自分もすっぱく感じるぞ。100%って表記は初めて見た。


 お土産屋の隣に飲食店があった。席に座りメニューを見てみる。


「ここでもゆず塩ラーメン……」

「しかも冷やしもあるんだね……」


 千葉よりしつこいぞ! 千葉県といえばピーナッツだが、県民は家にピーナッツを常時してる所は無いし、毎日食べることも無い。店でも販売は少ないし安くもない。それなのに! それなのに!――千葉県民なのに千葉批判しても仕方が無い、自分が頼んだのは


「ゆず塩ラーメンで」

「私はこれで」


 指を刺したのは糀味噌ラーメンだった、読めないのか?


「麻衣、それは"こうじ"と読むんだ。」

「あっ、糀味噌ラーメンお願いします。」


 二人共注文が終わった。


※ ※ ※ ※ ※ ※


――正午

 道の駅もてぎで、休憩をした二人は出発する最後に、おとめミルクという「とちおとめ」をふんだんに使ったアイスを食べ出発をした。


 暫く走ってたので不安に思ったのか赤信号で停まって麻衣は「ガソリン大丈夫ー?」と言う、自分は「ガソリン大丈夫ー」と返す。「麻衣こそ大丈夫?」自分は逆に聞いてみると「うん」と答える、まだまだ行けるな。青信号になった、発射しようとした時


 シュゴゴゴ……シュゴゴ……


「あら? あらあら?」


 麻衣に先を越される、ハザードで減速停止。


「えー羽海ちゃーんそれはないよー」


 暫く走った所で麻衣は先で止まる。マジ、マジでか。ガス欠か。焦って辺りを見渡すと、ラッキー、ガソリンスタンドがあるじゃないか。


「ガソリンスタンド寄ってくる」


 降りてバイクをそこまで押す、結構重いじゃないかGSRぅ。


「お客様見ましたよーそこで止まるなんて」


 だったら助けてくれよ!


「はぁはぁ……満タンで」

「はいかしこまりました!」


 田舎のガソリンスタンドは一人でやるのか、暑い中ご苦労様である。ここの地名は「小勝」と言うんだな、周りは田んぼの中ガソリンスタンドが一つ、誰が入れに来るのかも分からん場所だ。でも自分はありがたかったな……こいつは来なかったけど。


「満タンに入れました、どうも……名柄川さん」

「はい――って、え?」


 何処かで見た顔だこりゃ……うわーこいつは――


「あんた、三守崇か?」

「久々だな、名柄川さん」


 そう、年が一個上の三守崇みかみたかし、自分はこいつの事が大嫌いだ。チューをされそうになったり胸を揉まれそうになったりと、高校時代ではお世話になったなこの野郎。でもある事があってカッコいい所があったから少しは見直してるがそれでも嫌いだ。


「なんでこんなド田舎ガソリンスタンドで仕事してるんだよ」

「自分のお祖母ちゃんの実家がこっちでさぁ、農業してて帰ったんだけど畑仕事だけじゃどうにもならなくてここでバイトしてる訳」

「へー卒業した後こっちに来たのかー、ご苦労なこった」

「名柄川さんは何を?」

「今は何もしてないよ、友達とツーリング中」

「ほー、また寄って行ってよ」

「断る」


 エンジンスタートしてローに入れ飛び出す、本当に嫌いアイツ!


「麻衣待った? お待たせ」

「遅いじゃない! ほら行くよ!」


 また走りだす。


※ ※ ※ ※ ※ ※


――午後1時

 ようやく、那珂川まで来た。別に「那珂ちゃんだよー」と出てきても解体するけどな。ここは水戸駅近くか、水戸黄門様が有名だが、あの黄門様は別に全国を歩き回ったわけじゃない。あれはドラマだけの話で、実際に遠くを歩いたのは江戸までと言われてる。もし全国を歩きまわると言ったら、途中で死んでしまうだろう。

 実際に伊能忠敬が地図を作るために全国を歩いたが、肝心の地図は弟子が作ったそうだ。途中で死去してしまったらしい。ドラマ化するんだったら水戸黄門より伊能忠敬のほうが良いだろう。思いつつ51号線を走る。

 特に見るものも無く、2号線に切り替わり大洗町へ着く。予定より結構早かったな、チェックインは5時からだが大丈夫だろうか。


 先頭を走る麻衣に宿の場所を伝え、そこまで向かう某戦車アニメで戦車が突っ込んで有名になったあの宿だ。


――午後1時半の事であった。

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