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名柄川羽海という女の日常  作者: TASH/空野輝
激濤、関東旅編
13/51

高速道路……

 日光東照宮は午後五時まで、ということで午後三時からじゃ間に合わないので東北自動車道を使って日光東照宮まで急ぐことにした。有料道路というものは自動車教習でしか乗ったことがない。バイクで乗ると案外怖いものだな、自分のGSRはカウルが付いていなくて80~100kmの風が直に当たる。しかし麻衣はCB400SBでハーフカウルが付いてるからアイツは余裕である、一方でこっちは寒い……寒すぎる。


 見ると佐野SAサービスエリアという文字が見えた。


「麻衣、SAに降りるぞ」

「はいはーい」


 左ウィンカーを出し減速する。バイクが止められる所が見つかったのでそこに行ってみる。ほほぅ、休日なだけにバイカーが一杯居るじゃないか、男性ばかりだが。一人話しかけてきた。


「珍しいねぇ、カマキリってか? はは」

「あはぁ……どうも」


 GSR400をカマキリと言うな! ムカつく!


 麻衣のバイクの方が人気のようで結構人が集まってた。おのれ、SUZUKIの名車よりも教習車の方が人気だなんて。いやむしろ麻衣が人気なのか? 麻衣は「ソフトクリーム買ってくるね」なんて言って、走りだしてしまった。一人になった自分、仕方無い、ブラブラするか。……あまりサービスエリアというのに来ないからドッグランがあるとは意外だった。偶には来るものだな、犬はブサイクのが多いが。


 ぶらぶらしてると麻衣が戻ってきた。


「お待たせー、バニラしか無かったけど良い?」

「わざわざ買わなくても良かったのに、ありがとう」


 麻衣と自分の分を買ってきてくれたのか、すまないな。


 椅子に座って、ソフトクリームを舐める。ちょっと気になった事があったので自分は言う


「龍太郎さんとはまだ付き合ってるのか?」

「うん、龍ちゃんとはまだ付き合ってるよ。元気だよー」

「おう、そうか……羨ましいな」


 と一言出てしまった。別になんとも思ってなかったが咄嗟とっさに出てしまった。


「羽海ちゃんにも良い人現れるよ」

「お気遣いどうも」


 話し合いが終わった所でバイク停留所に戻る。「そいじゃ、行きますか」と言った途端に……


 ゴッ! ガッ!


 自分にも何が起こったのか一瞬分からんかった。








――麻衣のCB400SBがフルバンク停車(横になった)したのだ。


 麻衣もCB400SBの下敷きになってるが、幸い挟まれてはいないようでするりと抜けだしていた。

 自分は吹き出してしまっていた、ふわりCB400SBが倒れ麻衣がビターンとなって漫画の一コマみたいになっていたのでそれを思い出してしまった。


 だが我に還って、直ぐに救済に出る、周りの男性方も助けに出る

 三人がかりでCB400SBを引き起こし、自分が麻衣の心配をする。


「麻衣、大丈夫?」

「私は大丈夫、でもバイクが……」


 麻衣は半泣きである。


 男性達がカウルを見たりタンクを見てるが、こちらにグッとOKサインを出した。どうやら無事らしいな、良かったじゃないか。ポンポンと麻衣の肩を叩く。


 しかし何故、CB400SBが倒れたのかは誰にも分からなかった。スタンドはしっかりと地面と支えあっていたし、ツーリングの荷物も偏りは無かったはず。全くの謎だったのだ。麻衣は寄っかかっていただけと言う。だけど走るのに支障が無ければ自分はそれで安心だと思う、本当に良かった。

 日光東照宮を目指してまた自分達は走りだした。

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