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第2部 余韻 第二話
さらに数日が過ぎた。
桜は、
ほとんどが散っていた。
枝に残っている花も、
風が吹けば落ちてしまいそうなほど、
軽くなっている。
道の端には、
花びらが薄く積もっていた。
踏めばすぐに崩れて、
形をなくしてしまう。
その上を、
気にすることもなく歩く。
足元で、
かすかな音がした。
風が、
少しだけ強く吹いた。
花びらが、
一瞬だけ舞い上がる。
その動きを、
何気なく目で追う。
ほんの一瞬だけ、
どこかで見たような気がした。
すぐに視線を戻し、
また歩き出す。
人の声や、
遠くの音に紛れて、
さっきの動きも、
ゆっくりと薄れていく。
その日も、
特別なことは何もなかった。
いつもと同じ時間に帰り、
いつもと同じように過ごす。
夜になり、
そのまま眠りにつく。
――ほんの一瞬、
階段の途中の景色が、
浮かびかけて、
すぐに消えた。
――思い出せそうで、
まだ、届かない。




