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48 HoursIF3: 台湾海峡 2026ー新空母あかぎとF15Jが挑む極限の防空戦ー  作者: 八咫 日本


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第8話:19:00 空母防衛戦と対艦ミサイルの雨

2026年12月24日、19時00分。

台湾海峡と先島諸島周辺は、再び完全な漆黒の夜に包まれようとしていた。しかし、その暗闇を幾度となく引き裂く閃光が、戦場の狂気を際立たせている。

太平洋上に展開する第1空母機動艦隊の中核、中型空母「あかぎ」の戦闘指揮所(CIC)は、息詰まるような緊張感に支配されていた。

「敵機接近! 目標群アルファ、機影はJ-20と推測されます。数、12。本艦隊に向けて超音速で南下中!」

レーダー員の切迫した報告が響く。

中国空軍は、前衛のF-35Bと後方のF-15Jによるハイローミックス戦術に業を煮やし、ついにその防空網の根源たる空母機動部隊そのものを直接叩く決断を下したのだ。

J-20はステルス性を維持したまま、自衛隊の防空圏内へ深く侵入。彼らの狙いは、空母を沈めることだけではない。空母の甲板とカタパルト機能を破壊し、F-35Bの離発着を封じることにある。

「各艦、対空戦闘用意。SM-6およびESSM(発展型シースパロー)の発射態勢を維持せよ。電子戦システム、最大出力でジャミング(電波妨害)を展開!」

艦隊司令官の指示の下、あかぎ、しなの、いずも、かがの4隻の空母を護衛するイージス駆逐艦群が、一斉に防空陣形を密集させる。

直後、J-20のウェポンベイから対艦攻撃用の滑空兵器が放たれた。ステルス性を備えた無数の飛翔体が、海面すれすれの低空を這うようにして機動艦隊へ殺到する。

「敵弾道、シーカー起動を確認。着弾まで30秒!」

「撃ち落とせ!」

イージス艦の垂直発射システム(VLS)から、凄まじい白煙とともに無数の迎撃ミサイルが空へ向かって吐き出される。

レーダー誘導と赤外線誘導が交錯し、夜空に幾つもの巨大な火球が咲き乱れた。撃ち漏らした数発の敵弾に対し、各艦の近接防御火器(CIWS)が毎分数千発の弾幕を張り、耳を劈くような金属音を響かせて空中で粉砕する。

「第1波、迎撃成功。しかし敵の第2波が来ます!」

「こちら天狗リーダー。あかぎ、持ち堪えろ。今、極上の土産をくれてやる」

防空戦闘の最中、CICの通信帯域にF-15J編隊長の声が割り込んだ。

与那国島上空での制空任務を別の部隊に引き継いだF-15Jの別働隊が、海面すれすれを飛行しながら、中国軍の揚陸艦隊の側面へと密かに回り込んでいたのだ。

「対艦攻撃部隊、射撃位置ローンチ・ポイント到達。これより全弾投射する」

彼らの翼下には、空対空ミサイルではなく、国産の最新鋭超音速空対艦ミサイル「ASM-3改」が搭載されていた。

F-35Bが命がけで収集し、データリンク経由で送られてきた中国艦隊の正確な座標データ。F-15Jは自機のレーダーを一切発振することなく、その座標へ向けてミサイルのロックオンを完了させていた。

「撃て(ファイヤ)!」

数十機のF-15Jから、一斉にASM-3改が切り離される。

ラムジェットエンジンに点火した超音速ミサイル群は、マッハ3という驚異的な速度で海面すれすれ(シースキミング)を飛び、台湾西海岸へ後続部隊と物資を送り込み続けていた中国の075型強襲揚陸艦や輸送艦へ向けて殺到した。

「敵ミサイル接近! 迎撃不可能、速すぎま――」

中国艦隊の防空レーダーが反応した時には、すでに回避不能な距離に達していた。

マッハ3の運動エネルギーと大質量弾頭が、分厚い揚陸艦の装甲を紙のように貫き、艦の内部で凄まじい爆発を起こす。

夜の海に、新たな炎の柱が何本も立ち上った。物資と車両を満載した輸送艦が次々と誘爆を起こし、台湾へ向かうはずだった補給線が洋上で無残に断ち切られていく。

「あかぎCIC、こちら天狗。敵の補給艦隊に大穴を開けたぞ。空飛ぶ弾薬庫は、対艦フネにも効く」

F-15J部隊の波状攻撃により、台湾上陸部隊の生命線に致命的な打撃が入った。

この事態を受け、空母攻撃に向かっていたJ-20の一部が、自軍艦隊の防空に回らざるを得なくなり、あかぎへのプレッシャーが僅かに和らぐ。

攻守が目まぐるしく入れ替わる激戦。

しかし、これほどの損害を出してもなお、中国軍の全容はあまりにも巨大だった。事態の泥沼化に焦燥を募らせる北京の中南海は、さらなる軍事力の投入と、政治的な強硬手段へのシフトを模索し始めていた。

残された時間は、あと29時間。

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