閑話 癒しの風2
「何だと?バスガスが店の権利書を持ってた?」
泣き始めた私を見てアゴットがただ事じゃないと感じて【癒しの風】からかなり離れた飲食店へと連れていってくれ落ち着く事が出来、今日起きた事をアゴットに話した。
と言うより誰かに聞いてもらわないとどうにかなりそうだったので話をした。
「ハイルは何も言ってなかったんだよな?」
アゴットがそう聞いて来たので私は黙って頷く。
「俺もアイツから何も聞いてねぇ・・・こりゃ調べる必要があるな」
私はその言葉に首を左右に振る。
「確かに店も大事だけどこれからの事を考えないと・・・・クレアもいるし」
私だけだったら何とでもなるけどまだ13歳のクレアがいる、この子に不自由な生活はさせたくない。
そんな事を考えているとアゴットが少し考えこんだ後に口を開く。
「アンスバッハ爺さんに声を掛けてみろ、あの爺さんかなり顔が利くからな。俺じゃそこら辺は何もしてやれねえ」
アンスバッハお爺さん?確かに店の常連だけど大丈夫かしら・・・・・・迷っちゃ駄目よライラ!!今ははどうにかしてクレアの為に生活基盤を作らないと!迷ってる暇はないわ!!
「わかった、話をしに行ってくるわ」
アゴットが頷き口を開く。
「俺は少しバスガスの事を調べてみる」
私とクレアはアゴットと別れアンスバッハおじいさんの家へと向かった。
「どうしたんじゃライラ?何をそんなに慌ててておる?」
アンスバッハおじいさんの家へ向ってる途中で本人を見つけて慌てて駆け寄ると私の様子を見て驚いた顔でそう聞いて来たので私は今までの事を話す。
「・・・・ついて来なさい」
私の話を聞いて真剣な顔でそう言って来たので私はクレアと共にアンスバッハおじいさんの後をついて行く。
「ここじゃ」
ついて行った先は裏通りにあるかなり年季の入った建物。
「ここは?」
建物を見ながらそう聞くとアンスバッハおじいさんは真剣な顔で口を開く。
「ここは儂の持ち家の1つじゃ、ここを使うといい、家賃は無しだ」
その言葉に私は驚き口を開く。
「それは・・ありがたいですが・・・いいのですか?」
そう聞くとボルクスさんが真剣な顔で口を開く。
「儂はハイネによくしてもらったからな・・・ついでに言えばこの建物を弄っても構わん、そうだな・・・・建物を使って宿とか食堂をやってもいいぞ?ただし改装費だけはそちら持ちだ儂の知り合いに金貸しがいる、儂から頼んで無利子にしてもらうからしっかりと店を切り盛りして返すんじゃ」
私はその言葉を聞き涙を流しながら頭を下げる。
「本当に・・・本当にありがとうございます」
私がそう言うとアンスバッハおじいさんが苦笑する。
「店を開けたら食べに行く」
私はこの日絶望と希望・・・そして人の優しさを改めて感じた。
そして私は新たに宿として【癒しの風】を始め最初は前の店の常連客が来たり探索者達が泊りに来たりの好評だったのにある日を境にお客さんが減って行き、常連は2・3人・・宿に泊まりに来る人はほぼいない・・・そんな状況になった。
原因はバスガスの嫌がらせのせい・・・・酷い噂を流し店の前にごみをばらまき建物に魔物の血をぶちまける・・・そんな事を繰り返され・・・客足は遠のいて行った。
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