閑話 癒しの風
「いらっしゃいませ!!!」
「ありがとうございました!!」
今日も【癒しの風】は繁盛しお客さんは皆笑顔で食事をして笑顔で帰って行く。
「ふう・・・・ピークは過ぎたな」
私の夫であるハイルが濡れた手をタオルで拭きながらキッチンから出てきながらそう声を掛けて来た。
「ええ。でもやっぱり人を増やさない?手が回らずにたまにお客さんに迷惑をかける時があるの」
【癒しの風】は夫と私とフロア担当のリンダと言う女の子で回していた。
「だなぁ・・・キッチンに一人とホールに一人欲しいな」
ハイルが少し考えそう言って来たので私も頷く。
「売り上げから見て2人増やしても問題ないと思うわ」
「そうしようか」
私達は【癒しの風】に新たなるスタッフを迎えるべく従業員募集をかけた。
そして募集をかけて2日後・・・・2人の男がやってきた。
1人はバズガス・ノットリ―という32歳の料理人、そしてもう一人がカリイー・マッセでホールと料理両方をこなす事ができるとやってきて、面接をした結果2人供働いてもらう事となった。
2人が来てから店は問題なく・・・と言うより前よりも対応力が上がった分売り上げも上がり繫盛した。
・・・・が!2人が来てから2年後・・・夫であるハイルが原因不明の病気にかかり死亡してしまった。
そこで予想も出来ない事が起きた。
「出ていけババア」
ハイネの告別式が終りクレアと共に【癒しの風】に戻るとバスガスとカリィーとリンダが待っていて私とクレアを見てバスガスがそう言って来た。
「え?」
いきなりそんな事を言われ私は驚き固まり手を繋いでいたクレアは怯えて私に抱きついて来た。
私が驚き固まっているとカリィーがニタニタ笑いながら口を開く。
「この店はバスガスのものだ、お前の居場所じゃねえ」
は?何を言ってるの?この店はハイネと私の店よ?と目の前でニタニタしている3人を睨みながら口を開こうとした時にバスガスが懐に手を入れ何かを取り出して私の目の前に翳す。
「店の権利書?え?・・・・嘘・・・・・」
権利書に書いてある権利者がハイネや私ではなくバスガスと書いてあった。
「わかったか?だから出ていけ」
権利書を見て頭が真っ白になった私にバスガスがニヤニヤしながらそう言い放つ。
「嘘よ!この店はハイネと私が!!」
そう叫ぶように口にすると今まで黙っていたホール担当のリンダがバスガスの腕に抱きつくように腕を絡め口を開く。
「早くどこかに行けババア、この店は私の旦那になるバスガスのものなんだよ」
いつものニコニコ顔ではなく人を見下した目で冷たく言い放つリンダを私は驚いて見る。
「やっと言えた・・・前からあんたが嫌いだったんだよ!!バスガスの店を手に入れるために我慢してたけど・・・スッキリしたわ!!」
・・・今『バスガスの店を手に入れる為』と言った?やっぱり何か不正をして権利書を書き換えたの?どうやって?
「黙って突っ立ってるんじゃねえよ!さっさとどこかに行け!!」
バスガスが私とクレアを睨みながらそう叫び私とクレアは【癒しの風】を追い出された。
店を追い出されてクレアと共にあ然としていると後ろから聞き慣れた声・・・常連のアゴットが声を掛けて来た。
「どうしたライラ?そんな所で突っ立って?」
その声に振り返ると不思議そうに私達を見ているアゴットが立っていた。
「アゴット・・・」
見知った顔を見て泣くつもりは無かったのに涙が頬を伝った。
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