#29「焚火を囲んだ休息」
*ラルフ ~アルドニア王国「荒野」にて~
サーシャの熱血指導が終わり、俺たちは再び荒野を南へと歩を進めた。
空は茜色から藍色へと移り変わり、やがて主役は夕焼けから月に変わろうとしていた。
俺たちの目に飛び込んできたのは、鬱蒼と茂る雑木林。暗くなった大地をやみくもに歩くのはよくないと判断し、俺は足を止めた。
「今夜はもう進むのはやめよう。ここを拠点にするぞ」
「え。ここでいいのかい?」
「ああ、見晴らしがいいだろう。それに木陰もあって涼しいしな」
「でもここは……」
「まぁまぁまぁ!!いいじゃんここも!」
ハクが何かを言いかけるが、サーシャは目を瞬かせて明るい笑顔を見せた。
ハク少しして納得したように「まぁいいか」と頷く。
野宿を決めてからは早く、俺たちは手際よくテントを張って野宿の準備を始めた。夕食は互いに協力して作った簡単なものだったが、温かい食事は疲れた体に染み渡るようだった。
日が暮れ、空には満月が輝いている。
雑木林は月明かりに照らされ、幻想的な雰囲気を醸し出していた。
虫の鳴き声が静かな夜に響き、焚火のパチパチという音が心地よく耳に届く。
「ほい。おまちどうさん」
そうして食事をすませた後。
就寝をする前の団欒中に、サーシャが眠る前のハーブティーを淹れてくれた。
王都ハーランドで買った万能料理の素。その薬草を抽出したハーブティーは、清涼みのある優しい香りを漂わせる。
「このハーブティーはリラックス効果があるんだ。昼間のスープと同じく疲労効果に役立つよ」
「サーシャもハーブティー作ったりするんだな」
「アタシだってハーブティーくらい飲むさ!自分のコンディション回復に繋がるものはなんだって体に取り込むのさ」
「……美味しい」
アイリスはハーブティーの優しい香りに癒されている。
「ああ、本当に落ち着くな」
それに続くようにハーブティーを口にして、ほっと息をついた。
「今日休んで、明日は一気に荒野を超えてしまおうか」
「だな。このハーブティーを飲み終えたら寝よう」
俺たちは焚火を囲み、温かさを感じながら一息つく。
ふいに、なんだか落ち着かない様子のソルトが目に留まった。
「ソルト。どうした、そんなにそわそわして」
「あ!えっと。き、聞きたい事があって……。いや、でも……別に今じゃなくてもいいんだけど……」
「お。なんだ?いいぞ、聞きたい事はすぐ聞かねぇともやもやすんだろ」
「え、……えっと。……じゃあ」
少々遠慮がちにソルトはおずおずと手をあげる。
「あの。ラルフはオーラニアから旅をしているんだよね。王女様を助けるとかって」
「ん。あぁ、そうだぜ」
「どんなことがあったか聞いてもいい?ちゃんとラルフの旅の事、知っておきたくて」
「把握は大事だね。ラルフ。話してあげるのはどうかな」
「それいいね!せっかくなら皆で話そうよ。自分の旅の中で一番心に残ってる戦闘!旅!思い出!何でもOKで話すのはどうかな」
「……冒険譚?」
アイリスがぱち、と瞬く。
「お、いいな!賛成だ。俺も皆の話聞きたいし」
ハクの促し、そしてソルトとサーシャの発言に、俺も大きく頷いた。
仲間の冒険譚!そんなの面白いに決まってる!
「じゃあ最初!ラルフからどうぞ」
「はいはい。俺は……つってもそうだな。お前らも知ってるだろうが、オーラニア王宮での一件。それが理由だ」
「戴冠式に行っていたんだっけ。マリー王女様の」
「ああ。あの時のことは今でも鮮明に思い出せるよ。マリー王女様の戴冠式はそれはもう盛大で、国中がお祝いムード一色だった。俺も成り行きでその場に招待されて、光栄にもその瞬間に立ち会わせてもらったんだ。マリー王女は本当に美しくて、国民みんなが彼女の輝かしい未来を信じていたよ」
「へぇ。そんな綺麗な王女様なら見てみたいよなぁ」
「だろ?戴冠式が始まった、まさにその時だった。突然会場が騒然となったんだ。何が起こったのか最初は分からなかったが……すぐに事態は把握できた。奇襲が発生したんだ」
「それが……シャドウ達……」
「あぁ。……『大翼の騎士団』の刺客『ジン』。その時は2人組で、そのうちの一人はそう名乗っていたよ。もう1人は錬金術師の『リーシャ』。危険な薬品を扱う奴だ」
「『ジン』……その人とはまだ直接戦ったことはないね。リーシャは前にヒュドラで戦ったけど……」
アイリスの言葉にそういえば、と手を叩く。考えてみれば俺は今までにジン、リーシャ、シャドウに会ったことはあるが、仲間達はまだ限られた奴しか会った事はないんだな。
「ふぅん?なになに、アイリスとラルフは会った事あるの?」
「リーシャにはな。ジンはその時マリー王女様を連れ去っていったのが最初で最後だ。……俺もマリー王女様を助けようとしたんだ。でも、相手は強敵だった。ジンの一撃で、俺は意識を失ってしまった。……次に目を覚ました時、マリー王女様はもういなかったよ」
「ジン……って人も手ごわそうだな。一国の王女を連れ去ってしまえたわけだし」
「あぁ。……出来れば、サシで戦うのは避けたい相手だな。……で、そんな中オーランド王が俺に向かって言ったんだ。『予言に謳われし勇者だ』ってね」
「予言……例のオーランド王が信じている神様からの神託、だっけ?」
「あぁ。……正直俺は戸惑ったよ。だって俺、元々はただの剣士見習いだったんだぜ。でもオーランド王は真剣な目で俺を見つめてきて……マリー王女様を救うよう、命運を俺に託したんだ」
「『ルミエラ様』……だっけ?随分熱心なんだねぇ。普通自分の大事な娘の命運を、一介の剣士ひとりに託すかな?」
「余程ラルフが頼もしく見えた、とか?」
「…………」
「な、なんだよ。そんなに見んなって、照れるなぁ」
「いや。頼もしく見えるかなって思ってさ」
「ちょ……っいやいやハク!それどういう意味だって」
「はは!ごめんごめん。冗談だよ。頼もしくなきゃ、僕達はラルフについてきてはいないさ」
「ちょーっと無鉄砲なところもあるけどね。あとお人よし!」
「レベルが遠くかけ離れている相手にも思いきり突っ込んでいきそう……では、あるよね」
「たはーっ!ソルトってば!それもう何度かやってるんだってラルフは!ここまで命拾いしているのは運もあると思うよ、アタシは」
お、お前らな。
「も~!お前らいじりやがって……。……ま!それほど俺が『パッションある奴』ってことだな!こうして俺はマリー王女様を救うための旅に出ることになったってわけ。……でも、あの時の恐怖と、王女マリーを救えなかった悔しさは一生忘れることはねぇだろうな。次はきっと……いや!ぜってぇ倒す!」
「ふはっ!その意気だよラルフ」
サーシャがよっ!とはやし立てて拍手する。それにつられて他の3人からも拍手が沸き起こった。
「じゃ、次!お前達の話も聞かせてくれよ」
「ふふん。じゃ、アタシから行こうかな~!これはアタシ、傭兵サーシャが盗賊集団を一人で打ちのめした話だよ」
サーシャはハーブティーで喉を潤す。ひとつ咳払いをすると、意気揚々と語り出した。
*サーシャ ~回想:オーラニア王国「ヴィルヴァ鉱山」にて~
あれは忘れもしない、アタシがオーラニアに土地を持つ貴族から依頼を受けた話だよ。
依頼主の貴族から、ヴィルヴァ鉱山の山道に巣食う盗賊どもを討伐してくれって頼まれてね。
今こそ法で整備されたヴィルヴァ鉱山だが、前は盗賊のたまり場になるような場所でね。
街道を通る旅人や商人たちを襲っては、略奪を繰り返す。そんな奴らが二十人以上もいるって話だった。
まあ、数が多いからって臆するアタシじゃあないんだけどね。
依頼を受けた3度目の夜。偵察を終えたアタシは実行に移すべく、一人で盗賊たちの根城に乗り込んだんだ。
日が暮れ始めた頃だったか。山肌にぽっかりと口を開けた洞窟に、盗賊どもの隠れ家と思われる場所を見つけたんだ。
入り口に忍び寄って中を覗いてみると……予想は的中。
篝火が燃え盛る洞窟の中で、酒盛りを楽しんでる奴らがいたんだ。まったく呑気なもんだよね。
アタシは静かに息を整え―――腰に差した剣に手をかけた。
そして、覚悟を決めて洞窟の中へと足を踏み入れたのさ。
アタシの突然の出現に、盗賊どもは驚き、騒然となった。
「何者だ!」
「貴様、一人で何をしに来た!」
抜刀してアタシに襲い掛かってきたけど、慌てるのは盗賊たちの方だったよ。
アタシの剣はそれはもう、まるで生き物のようにうねり、盗賊の武器を弾き飛ばしたんだ。
動きは素早く、奴らは翻弄されるばかりだった。
剣術だけじゃない。体術にも長けてるのがアタシの強み。奴らの攻撃をかわして、隙を見ては鋭い蹴りを叩き込んだんだ。
一人、また一人と倒れていく仲間を見て、盗賊どもはようやく恐れを抱き始めた。
「化け物だ!」
「逃げろ!」
そう叫んで我先にと洞窟から逃げ出そうとしてたけど、アタシが見逃すわけもないだろう?逃げる盗賊たちを追いかけて、そのまま次々と倒していったよ。
そして―――ついに盗賊の頭領がアタシの前に立ちはだかったのさ。
大柄な男で……剣術もそれなりに優れていたようだが、アタシの敵ではなかったね。
頭領の攻撃を軽くいなして、一瞬の隙をついて剣を突き刺した。
苦悶の表情を浮かべながら、頭領は倒れ伏したよ。
頭領が倒されたのを見て、盗賊たちは完全に戦意を喪失した。
降伏した奴らを縛り上げてヴィルヴァ鉱山から連れ出したら、そのまま貴族の元へと引き渡した。
貴族はアタシの活躍に大いに感謝して、約束の報酬を支払ってくれたのさ。
傭兵サーシャは、こうしてまた一つ伝説を作ったわけだね!
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「はい、これでおしまい!」
アタシは一通り話しきるとふう!と大きく息を吐く。
アタシの話を食い入るように聞いていたラルフ達も、アタシに続くようにして息を吐いた。
「すげぇなサーシャ。盗賊集団を一人でやっちまったのか」
「そういうこと!というか、それがアタシの強みだし仕事だからね。洞窟のチンピラ倒せないようじゃ、傭兵なんて務まらないよ」
「す、すごいやサーシャ……」
ソルトがきらきらとした目でアタシを見てくる。それがなんだかこそばゆくて、アタシはソルトの頭をわしわしと撫でた。
「ちょ、っわわ、サーシャ、ちょっと!」
「も~!そんな目で見ないでくれよ照れるだろ~!?可愛いなぁアタシの弟子は!」
「はは。何だか姉弟のようだね。君達は」
「お。俺もハクとおんなじこと思ったわ。お前達二人が並ぶとしっくりくるよな」
「「きょ、姉弟?」」
ソルトとアタシが声をそろえてそわ……とする。その様子にハクとラルフが吹き出し、アタシ達もつられてまたどっと笑いが起こった。
「ほら!次々!次は……ハク!!はい、パス!!」
「僕か。……そうだな。話すとしたら……」
ひとしきり笑いが収まると、アタシはハクに振る。
ハクは少し悩むような素振りを見せると、「あぁ」と思い至ったように話し始めた。
*ハク ~回想:オーラニア王国「大森林」にて~
僕からは……そうだな。これはまだ僕が半人前の狩人だった時のエネミー討伐の話でもしよう。
あれは本当に厄介な依頼だった。僕が未熟だったからそう感じたのもあるかもしれないけれど。
オーラニアの大森林。……分かるだろう?その深い森の中に、そいつは棲んでいたんだ。
ペルシーは……巨大なコウモリみたいな姿で、鋭い牙と爪を持った吸血獣だ。
夜になると現れては通りすがりの旅人を襲い、血を吸い尽くしてしまう。
このままでは隣接した王都や街にも被害が及びかねないとして、僕達狩猟者一族に討伐を依頼してきたんだ。
僕は狩猟者の家の生まれだ。子が狩猟者なら親も狩猟者。
でも、半人前の狩猟者にとってはそうした討伐依頼が貴重な実践の場でもあるんだ。
一族は僕ひとりでその討伐をしてくるように言い渡した。
死んだらそれまで。狩猟者としての実力が足りない者は狩猟者として呼べない。半人前での死はその宣告であると、一族の中では暗黙の了解となっていてね。気が抜けなかった。
一族を厳しいを思うかい?でもこれは常に死と隣り合わせの状況で戦うための精神訓練でもあるんだ。狩猟者の誰もが通ってくる道だよ。
そして、僕は言われた通りペルシーの巣があると思われる洞窟へと向かった。
昼間でも薄暗くてじめじめとした場所でね。
慎重に奥へと進むと、やがて巨大な影が見えた―――ペルシーだ。
そいつは天井から逆さにぶら下がっていた。暗いところでも目が効くペルシーは、僕の姿を見ると威嚇するように牙を剥き出した。
僕は、静かに弓矢を構えた。
ペルシーは僕に向かって突進してきて、僕は冷静に動きを見極めて矢を放った。
矢はペルシーの首に命中して、悲鳴を上げながら倒れた。手順通り僕は近づいてとどめを刺そうとしたんだ……その時だった。
「…殺さないでくれ…」
そう、たしかに聞こえた。
最初は誰の声化は分からなかった。
けれど、そこにいたのは僕とペルシ―だけ。
声の主はペルシ―であると、決め打ちせざるを得なかった。
「いやだ……いやだ……」
僕はさすがに動揺した。今までそんなことが無かったのに、人ならざる者の声が聞こえたんだから。
何故だか僕は、「動物の声が聞こえる特殊な力」を持っていたらしい。
僕の戸惑いを無視して、ペルシ―はずっと「お願いだ…許してくれ…」って、必死に命乞いをしてくるんだ。
動物を殺すことに慣れてはいたけど、やはり命乞いをされると心が揺らぐものだ。
僕は躊躇を掻き消すようにペルシーの命乞いを無視して……弓矢を構えた。
いつも通りの構え。それが逆に冷静さを取り戻す無意識的なルーティンのようになっていたようで、散漫した意識は一気に弓矢を放つ手へと集中した。
そして―――毒矢を放ったんだ。
ペルシ―はそれを皮切りに完全に動かなくなった。
僕が作ったペルシーの死体を見下ろした。
それを見て、僕は命乞いに動揺した自分を恥じた。
狩人は獲物を殺すことに躊躇してはならないのだ。
それが、狩人の掟。
ペルシーの死体を洞窟から運び出すと、僕は依頼主に討伐したことを報告したのさ。
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僕は話し終えるとふ、と息を吐いた。
「こんなところだね。あの頃は今よりもっと未熟だったから、こうも人に話すことはなかったけれど……動物の声が聞こえることに気付いたきっかけの出来事でもあるんだ」
「不思議なものだな。魔法使いってわけでもないんだろう?お前は」
「あぁ。……まぁ、便利な物だと思ってあまり気にはしてこなかったけれど。考えてみれば変な話だよね」
「それ、一族?家族には言わなかったのか?」
「言ったさ。報告義務があると思ってね。でも言ったところで何かが変わる事は無かった。そりゃそうだよね。僕が動揺さえしなければ、狩猟者としての任務は果たせる。それが出来るということを、当時のペルシ―討伐ですでに証明をしているわけだから」
「動物の声が聞こえるからと言って、狩猟者をやめさせようという話にはならなかったんだな」
「そんな考えは無かったな。僕はやるべき事をやるだけだと思ってたし。一族の皆も全く同じ考えだったと思うよ」
―――動物の声が聞こえるから狩るのをやめたい、なんて言おうものならそれこそ存在意義もなくなるしね~。
ニアの言葉に僕は苦笑して頷く。当時は一族も動物の声が聞こえる、なんて半信半疑で聞いていたし、本気にされていなかったというのもあるかもしれないが。
「それじゃ、次はアイリスかな……って、アイリス?」
僕は話し手を変えようと、アイリスの方へと目を向ける。しかしアイリスは僕に振られたのも気づいてないかのように、ぼうっと焚火を見つめていた。
「アイリスの番だぞ。……聞いてるか?」
「……え。あっ……ごめん。私?」
「どうしたんだよ。いつもなら自分から話し始めるくらいの勢いなのに」
「え、えっと……」
「はは~ん。……もしかして、疲れてもう眠たいとか!?」
サーシャが茶々を入れるようにアイリスの肩を揉む。アイリスが「へへ」と苦笑してサーシャのことを見上げた。
「そう、……そうなの。ちょっと眠たくなってきちゃった。ふぁ……」
「お腹いっぱい食べて、ハーブティーで身体もあったまったしね。無理もないない!じゃ、名残惜しいけど今日はお開きにする?」
「そうだな。アイリスの話はまた今度聞かせてくれよ?ソルトもだ。家族の話とか、孤児院での話とかももっと聞きたいしな」
「う、うん!もちろんだよ」
ソルトが少々頬を染めて頷く。アイリスはやはり眠いようで、その間にも何度も欠伸を繰り返している。
「…………ふあ……ごめんねぇ。私先テント戻る……」
「仕方ないな。後片付けは俺達でやるから気にすんな。ソルトももう今日は疲れただろ?先に戻っていいぞ。アイリスを頼むわ」
「えっと……わ、わかった!」
ソルトは一瞬戸惑うも、ラルフに言われた通りアイリスをテントへと連れて行った。
「さ!さっさと片づけて俺達も寝よう。ハーブティー美味かったわ、ありがとなサーシャ」
「いいよいいよ!次は酒盛りもしたいね。レノンについたら酒!買ってこ!」
「飲んでもいいが俺は飲まねぇからな」
「…………」
サーシャとラルフが賑やかにやり取りしているのを遠くに聞きながら、僕はアイリスとソルトがテントに入る様子をじっと見つめていた。
―――ハク?どうかした?
「いや……ううん。なんでもない」
ニアに頬をつつかれると首を振って笑いかける。
僕達は食事の後片付けを済ませると、最後に焚火の火を消してテントに戻った。
その頃にはアイリスとソルトが肩を並べて寝息を立てていた。相当疲れていたのだろう。
「それじゃ、おやすみ。いい夢を」
そうして僕たちもテントに戻り、それぞれの寝袋に入った。
満月の光がテントを優しく照らし、静かな夜が更けていく。




