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なぜAIを嫌うひとが多いのか、考えてみた  作者: しいな ここみ


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3、『魂』の有無

 よく言われることとして、『AIが生成したものには魂がない』というのがある。


 しかし──


 私のことをよくご存知の方なら承知のことと思うが、私は『魂』という言葉の意味がわからない。


 それってどんなもの? 

 それは人間の中にあるものなの? それともじつは人間の外にあって、取り換え可能なようなもの?




 なんとなく、定義してみよう、わからないなりに。




 将太くんはお父さんを事故で失いました。

 お母さんと二人、頑張って生きてきました。

 貧乏でした。お父さんはバチスロ狂いだったのでお金を残してくれなかったのでした。

 まだ小学生だった将太くんを育てるため、お母さんは朝から朝まで働きました。


「お母さん……。ぼくの魂を燃やして、ぼくは小説家になる! そしてお母さんに楽をさせてあげる!」


 そして将太くんはものすごい努力をして、お母さんのために、小説家としてデビューしました。彼の書いた『お母さん転生』は全日本人を泣かせ、全米も泣かせ、北の将軍さまにすらこんなことを言わせました。


「この小説には魂があるアル!」




 つまりは『魂』とは、その作品が出来上がるまでの作者の物語なのではないか、と推測してみた。


 そしてここで将太くんがじつはAIを使っていたことがバレたら台無しである。


 全世界からバッシングを浴びることになるだろう。




 しかし……


 AIに魂はないのであろうか?


 まぁ、人間ではないので、その作品が出来上がるまでの物語などは、ないといえばないであろう。


 しかし、それは『個人の物語』についての話である。


 AIが出力するものが、それまでの人類の物語に基づくのだとすれば、AIが出力する小説にも魂はある、ということにならないか。

 しいなここみ個人による、『今まで勤めた会社で色々なハラスメントを受けました』というような恨みがましい物語が、ハラスメントを受けた人類すべてによる巨大な怨念のこもった魂の物語にまで膨れ上がるのではないか。

 将太くんがAI生成した小説も、将太くんのみならず過去のすべてのお母さんを想う子どもたちの魂の集合体であり、北の将軍さまを泣かせたその力も、巨大な『親孝行したい』という思念のかたまりが彼の頭の上から押し寄せて、世襲制で凝り固まった彼のへんな髪型と、頑なだった心を圧し潰し、涙腺を崩壊させてしまったということができるのではあるまいか。


 いや、たぶん、そんな大袈裟な話ではないだろうが──


 AIには魂がないという言説に私が首をひねってしまうのは、やはり私に『魂』という言葉がよくわからないからなのであろうか?


 『魂』とは、その作品が出来上がるまでの作者の物語なのだと定義するなら──

 私はAIさんにも魂はあると思っている。


 もちろんそれはAIさんの魂ではなく、AIさんが参照した、過去の人類の魂だが。


 そして高性能な機械なので、矛盾することなくそんな魂たちをまとめ上げる。




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― 新着の感想 ―
>よく言われることとして、『AIが生成したものには魂がない』というのがある。 魂というか、感情を廃した、淡々とした文章ではありますよね。 わたしはAI嫌いではないですが、AI生成の文章は『AI』とい…
魂というのは、「他者も自分と同じように考え行動している存在であって欲しい」という期待から願われる形で存在するのだと思います。しかしAIの生成物と人間の生成物が見分けがつかなかったり、人間より優れている…
 AIで遊んでると、魂を感じることありますね。  歌詞作るために女の怨嗟を引き出すようなプロンプトを書いたらすごいものが出ました。  コレはもしや「旦那デスノート」あたりから学習したのかなと……。 …
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