強欲と強欲 41
ともかく、おれたちはスキルの割り振りをやった。この時に、リロと話してるときとかメニューみてるときとかみたいに、時間が止まってくれるのは嬉しいよね。じゃないと、絵面がなんていうか、ね。
プリヤ、おれともに『監定士は嘘を吐かない』を取り戻して、『健康第一』(状態異常への抵抗力があがるスキル)、を取得した。本当は無効化できるといいんだけど、それにはレベルが足りないんだよね。
「もっと攻撃技とろうよお」
「その手には乗らないよ」
リロのこういう誘惑に乗っちゃだめだ、おれだって強い攻撃技とか魔法とか欲しいけど、まずは地道にいかないと。
う~ん、けど楽しいかと言われるとね……攻略サイト見ながらゲームやってる気分。いや、いいと思うんだよ、ストーリーとか知っちゃうのはあれだけど、進めやすくするのは。でも、なるべく自分の手で探っていくのも……いやいや、これはゲームだけどゲームじゃないんだから、そんなこと言ってらんないよね。
スキル振りが終わったら、次はいよいよ解放された人たちを帰してあげないといけない。
とりあえずどこに帰せばいいかを聞いたんだけど、困ったことに帰る先がないって人が結構いた。
「戦争で家を焼き出されたんですよ」
「もともと無宿者です」
「帰りたくない」
頭が痛い……いや、実際に痛いわけじゃないんだけど。
戦争中だとこういうこともあるのかな?
「他人事じゃないでしょお」
「な、なんだよ、どういう意味?」
「ゆーのいた世界にも、おんなじ人はたくさんいるってことお」
嘘だ、と言おうとしてハッとした。どこか、とは言えないけど、ニュースで戦争してて難民になった人のことをやってた。そうか、おれの住んでるとこでしてないからって、戦争がないわけじゃないもんね。
……他人事だったかな? だからその国の名前も思い出せない? う~ん、やっぱりそんな場合じゃないのに、すごくもやもやしてくるよ。
「ゆー?」
プリアに肩を揺らされて、おれはもやもやから帰ってこないといけなくなった。
この人たちは実際にこうしている。まずは、どうにかしてあげないと。
「えっと……そういう人たちの行き場ってないの?」
「ないわよ」
目がぐるぐるしてる女の人が答えた。
「『女神教』の『慈悲区域』はいきたくないわ」
「出てこれないって噂だよ」
なんだか『女神教』っていうのは、危ない組織みたいだね。また嫌な思いをしそうだよ。
「ゲームだとそういうものよお」
「そんなところばっかり真似しなくていいから……」
「俺たちは国境まで送ってもらえれば」
モニモスと戦争中の国の兵士はそういった。こういうのはわかりやすいんだけどね。問題は、黙ったままの一団だった。
剣闘の目的、つまり血を流して罪を清める対象である、罪人たちも当然混じってるんだ。目もそうだけど、表情がすごく怖い。なんていうか……乾いてる。砂漠みたい。




