強欲と強欲 40
森の奥深くについてから、周りを念入りに枝とかで覆って、おれたちはひとまず休みをとった。奪還に成功したし、モニモスも追手をよこせる状況じゃないしで作戦は成功したんだ。
全然嬉しくはないけど。
解放された人たちは休めたけど、おれとプリアは食糧をまた集めないといけなくなっちゃった。やっぱり食事は抜きだったらしくて、とってきたフシメヘビの肉を慌てて喉に詰まらせて、おじいさんが死んじゃった。もちろんこれも、コックチクバさんを呼ばなきゃならなかった。
悲しいとか後悔するとかよりも、もう、うんざりしちゃってるおれがいたのが恥ずかしかった。ゲームじゃない、現実だなんて言ってたくせに、色々重なっちゃってて……ふう。
「あ、あの、家に帰してくれませんか?」
しばらくして、目がぎょろっとした女の人がそう頼んできた。そうだよね、家に変えるまでがサブクエストだよね! ……怒ってもしかたないけど。
「自分で帰れって言えばいいのにい」
「そんなのできないよ」
いや、そう言いたいけど……そこまで思い切れないの。大体さ、どうしてそういう設定にしないのリロも。こう、暗転して足音がして、みんな消えてて帰ったって設定に……わかる?
「それじゃあ、面白くないのお」
「もういいよ」
疲れた……そんなこと言ってられないのに。
「でもでもお、経験値入ってレベルアップはしたし、いいじゃなあい」
え? ……本当だ。メニュー画面に、それも1から5に……時間的に考えると、レベルアップの効率は一番いい。
「サブストーリー名は『傷』、コンプリート特典もあるよお」
それもメニューに載ってる。っていうかめちゃくちゃあるね⁉
クリアにどれくらいかかるのかな……ああ~、また頭痛くなってきた。
「ゆー、スキルってどうすればいいのよ?」
そんなん自分で……っていけないいけない、そうするとプリアは変なのに振り切っちゃうかもしれない。
「状態異常耐性と、『監定士は嘘を吐かない』みたいな情報スキルを優先しようね」
「ええ~、つっまんない」
リロが野次ってきた。
「そういうのは飽きたのお」
「ってことは、正攻法なんでしょ? 前に読んだっていう天才な人たちは、そうやってたんだね?」
リロは図星をつかれたみたいで、ほっぺを膨らませた。
よしよし、やっぱり間違ってなかった。眠り薬のすごさと、やられた時の危なさは今回のことでわかったもんね。
それと、おれたちはまだまだこの世界について知らなすぎる。国とか女神教とか文化とか、メニューで見るのもだけど、情報は大事だよ。




