15話 ば、化け物め……!
俺は空を飛びながら考える。
「なぁラス先生、俺がやった事って全世界に伝わるかな?」
『いえ、腐った国の事です。神聖マルス国の騎士が海龍王リヴァイアサンを倒したとでも発表するでしょう。』
それはまずいな、神聖マルス国の評価を上げるのでは意味がない。
「そういえば逃げてる人の中に水晶向けてる騎士がいたけど何してたの?」
『あれは映像水晶です。いわゆるビデオカメラですね。あれを専用の台に乗せると映像を映せるのです。』
あれさえ手に入れればなんとかなるかもしれない。
「ラス先生、方向転換だ!あの水晶奪うぞ!」
『おそらくあの映像を撮っていた女はもう神都に戻ったでしょう。』
映像水晶ってコピーできるか?
『コピー、ですか?複製という意味ですか?』
「あぁ、そうだ。あの映像を世界中のお偉いさんに届ける。」
『私の思考回路をショートさせるくらいギリギリまで使えば複製できます。あの映像水晶を手に入れるのが先決です。』
「わかった、神都の上まで竜型で行くからそこで金髪モードになって神都のお偉いさんの居住区に行くとするよ。」
『わかりました。こちらでは映像水晶の製造方法を再確認しておきます。1時御主人様の体をお貸しいただけますか?』
「あぁ、それなら早くできるんだろ?とりあえず
①エリス帝国②トレス共和国③ゼーテ王国④クレル商国⑤神聖マルス国⑥中立国メノンの首都に配置する数を作れるか?台座も必要か?」
『いえ、神聖マルス国から台座を盗めばいいかと。』
「じゃあマルスにも映像水晶あるんじゃね?」
『そう言われればそうでしたね。では私がデータをコピーしますので御主人様は映像水晶の入手と台座の入手に専念してください。』
「りょーかいっ!」
竜翼を広げ神都マルスの真上まで飛び立つ。かなり高度な結界で覆われているが俺にとってはなんてことない。だって体、霧だもん。って事で透明な霧となり神都マルスの中心部国会くらいのサイズがあるマルス神堂に降り立つ。
なんでも孤児院→教会→聖堂→大聖堂→神堂の順で規模が大きくなっていくらしい。ラス先生に聞いた。
で神堂に降り立った俺は映像水晶を探す。魔力をかなり薄くしながら広げていく。お!なんかものすごい密度の魔力を見つけたぞ、これか?
『いえ、それはおそらく神聖マルス国の神都防衛機能の1つでしょう。魔力を弾として発射させる魔弾砲の1種かと思われます。』
「……暴発させるか。映像水晶を手に入れたら暴発させるとしよう。」
『……それがいい案かと。映像水晶などの保管庫は地下1階にあります。階段は次の分かれ道を右に行った先です。』
「よっしゃ、サンキュー!」
俺はスキル飛行も使いながら階段へ飛んでいく。最初の曲がり角を右に曲がると想定通り階段があった。でもなんか魔力を感じるんだよな?
「これって罠あるよね?この魔力糸とか引っかかったらブザーなるやつじゃね?」
『おそらくそうですが御主人様自身霧化してれば魔力センサーに引っかからないので。』
分かったよ、霧の体のまま階段の先へ向かう。地下1階には大きな鉄の扉があり、おそらく中が保管庫なのだろう。
「音出して平気かな?警備員が飛んできそうなんだよね。」
『霧の体を隙間から流し込めば全く問題はありません。中に入ったら映像水晶と台座を5つ盗み出し、もう1つの映像水晶を取りに行っていただきます。データが入った映像水晶の位置は把握しました。』
ありがと!ってことで行ってきますっ!
サァァーと砂が溢れるような音がした後俺は無事保管庫に潜入できた。中は暗かったのだが、索敵魔法を使っている俺には全く問題ない。
最初は兵器らしきものが広がり奥に映像水晶と台座が並んでいた。約15個あるのでどうせだから全て盗む。魔力爆弾が詰まった箱から少し拝借し兵器のそばに転がしたら急いでラス先生が指示した場所へ向かう。
魔力爆弾とは何かって?それはね、魔力を込めれば込めるほど威力が高くなる小型の宝石みたいなものだよ。自分で好きな時に爆発できるんだ。
俺が保管庫を出て地下1階から地上に出ら事に成功し、ラス先生が指示した4階の会議室へと向かう。なんでも12騎士団って言うこの国の最強勢力がさっきの件について会議してるらしい。
そこで俺は盗むつもりだ。霧化&隠密をかけながら俺は4階へと急ぐ。道中2階と3階の警備員の真横を素通りして4階へと急ぐ。
20分かけてる4階までたどり着く。この建物無駄にでかいせいで体力めっちゃ使う。霧の体なので精神的な疲労だけど。4階の会議室はと、あ!あそこか?
なんかガチャガチャうるさい部屋が1つだけあった。
どうやら会議中のようだ。
「いいえ、違うわ。彼ね、嗤ってたのよ。」
「まじかよ。ますますバケモンじゃねえか。」
「ええ、戦闘中に笑えるのは余裕の証だもの。」
「本当にそれだけなのか、カリーナ?最後のセリフからするとかなりの狂人だと思うが。」
ひどいな、化け物とは。俺も結構怖かったんだからね!ってことで霧の体に隠密をかけてドアの隙間から侵入する。1人くらい気づけよ!そのまま入ってもつまらないので速攻で魔法を作る。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
夢想の書⑦
魔法名:魔法無効領域
詠唱:①我は神に反する者
②神が定めし理に
③抗う術が此処にあり
④我が定めし領域は
⑤魔の摂理ごと覆す
難易度:B級
効果:魔法無効領域を半径10メートル作り出す。無詠唱で1分。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
一定時間の魔法無効だ。これと、黒霧圧縮人姿なら切られても殴られても素通りだ。意を決して円卓の上に立つ。まだ誰も気づかない。よし、魔法無効領域発動!
何人かビクッとしたが少し違和感があったかな?
『魔力操作に優れた人物なら少し違和感を感じてもおかしくないかと。』
なのに俺には気づかないの?
『……そう言うこともあります。』
ま、まぁ仕方ないか。ところでこれだよな?
『ええ、この透明な水晶ですね。間も無く映像が映るかと。』
「じゃあ、団長のとこ届けてくるわ。」
「ああ、頼んだ。」
そしてカリーナという女は右手に水晶を持ち円卓から立とうとする。そんなの俺が許さない。
聖剣アクティーナを右手に持ちそっと忍び寄るとカリーナの右手を撥ねとばす。
「え?……キャァァァァァ!」
彼女は突如血が噴き出した右腕に絶叫し失われた右手を探している。その仲間達も何事だ!とあたりを警戒し始め、一斉に武器ととる。
俺は彼女の右手を持ちながら姿をあらわす。
とっさに気配感知で剣を振ったゴツい男は俺を見て言葉を失った。
「久方ぶりよな、小娘。貴様が撮ったこの映像が必要となってな、右手ごと拝借したぞ。右手だけで済んだのだ、礼を言うが良い。」
キレたっぽいゴツい男とその他大勢が一斉に剣や槍を突き刺してくるが俺には通じない。俺を貫いたと油断した奴らはその隙に俺の聖剣で首を刎ねられる。
「ば、化け物め……!」
此処ってどんなやつが集まってたの?
『神聖マルス国の12騎士団と呼ばれる12人の最高峰戦士の集まりでしたが、やはりそこまで強くなかったですね。準龍王種にも勝てなさそうでしたから。』
え、え?ちょっと待って?気になる言葉出てきたよ?準龍王種って何?あれ龍王じゃないの?
『説明を忘れていましたね。まず魔法の種類からです。魔法は
火 水 風 土 光 影 空間 雷 死霊 精霊
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
炎 氷 嵐 岩 聖 闇 次元
となっております。
各魔法には雷魔法と死霊魔法、精霊魔法を除き上位互換が存在します。次に竜種です。
C幼竜
→B火竜→A火竜王→S火龍王 ↑
→B熱竜→A熱竜王→S熱龍王 火系統
→A炎竜→S炎竜王→SS炎龍王 ↓
→B水竜→A水竜王→S水龍王 ↑
→B海竜→A海竜王→S海龍王 水系統
→A氷竜→S氷竜王→SS氷龍王 ↓
→B風竜→A風竜王→S風龍王 ↑
→B飛竜→A飛竜王→S飛龍王 風系統
→A嵐竜→S嵐竜王→SS嵐龍王 ↓
→B土竜→A土竜王→S土龍王 ↑
→B地竜→A地竜王→S地龍王 土系統
→A岩竜→S岩竜王→SS岩龍王 ↓
→B光竜→A光竜王→S光龍王 ↑
→B白竜→A白竜王→S白龍王 光系統
→A聖竜→S聖竜王→SS聖龍王 ↓
→B影竜→A影竜王→S影龍王 ↑
→B邪竜→A邪竜王→S邪龍王 影系統
→A闇竜→S闇竜王→SS闇龍王 ↓
→A雷竜→S雷竜王→SS雷龍王 雷系統
→A空間竜→S次元竜→SS次元龍王 空間系統
へと進化をします。その中で、色々な条件を満たしたものは炎竜、氷竜、嵐竜、岩竜、聖竜、闇竜、雷竜、空間竜へと進化をします。これら8種のみA級指定されています。
そしてこれら8種は炎龍王、氷龍王、嵐龍王、岩龍王、聖龍王、闇龍王、雷龍王、次元龍王に進化し、SS級指定とされます。これらは格別の力を保有しており、神獣をはるかに上回ります。
そしてこれら以外の龍王を準龍王種と呼ぶのです。』




