11話 テンプレきたー!?
なぁ、剣術スキルどれくらい上がったんだ?
『剣術Lv15→剣術Lv23となり、隠密Lv10→隠密Lv11となりました。剣術Lv20を超えたのでスキル天眼、天足を獲得しました。明日も行ないましょうね。』
ま、俺には負担が少ないからいいんだけどね。槍とか弓とかもやってみようかな。じゃあ冒険者登録しにいくか。テンプレが楽しみだ。
「おはようございます!」
看板娘と挨拶をしてギルドへと向かう。ちなみに今日の服装はタキシードに長髪に伸ばした髪を腰まで下げている感じだ。側から見ると女に見えるだろう。ま、180あるけどね。
ギルドにつき、扉を開ける。ガヤガヤとした喧騒の中一歩一歩受付へと進んでいく。
中に入ると、まず目に入るのは受付カウンター。ギルドの受付嬢らしき娘達が冒険者の対応をしている。
カウンター横には酒場があり、朝っぱらから酒を飲んでるなんてろくなやつじゃないな。いわゆるゲームのような冒険者ギルドだった。男女比は3:2くらいかな?
カウンター前の列に並び少し待つが、恐らくタキシードを着ているから依頼者だと思われてるだろうな。おっと俺の番が回ってきた。
「こんにちは!本日はどのような御用件でしょうか?」
金髪のポニーテールが可愛らしい彼女は、ハキハキとした声で挨拶してくれた。
「冒険者の登録をしたいのですが」
「登録ですね、かしこまりました。それでは、こちらの用紙にご記入をお願いします。代筆は必要ですか?」
「大丈夫です」
異世界言語、文字の読み書きも転移の際カタルシスによってインプット済みだ。記入するのは名前と自分の得意な得物等か、割と簡単だな。名前にメイ、得物は片手剣と魔法……と。
「メイ様ですね。少々お待ちください」
剣を使えるけど魔法も使える魔法剣士ってかっこいいよね、響きが。
「お待たせ致しました。こちらがギルド証になります」
トテトテと奥から出てきた彼女からギルド証を渡される。銅でできたカードにはFと書いてある。
「それでは簡単にギルドのシステムについて説明させて頂きますね」
説明を聞くに、冒険者には7つのランクがあるらしい。ボードを使って解説してくれた。
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F級(新人)
E級(駆け出し)
D級(一般)
C級(熟練)
B級(達人)
A級(化物)
S級(人外)
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「メイさんは登録したばかりですので、F級からのスタートとなりますね。どのギルドでも依頼板に貼ってある依頼書から依頼を受け付けており、依頼をランク分けして冒険者の方々に掲示しています」
「つまり、今はF級の依頼しか受けられない、ということですか?」
「1つ上のランクの依頼までなら可能です。でも、依頼を失敗しますと違約金が発生するので注意してくださいね」
ふむふむ、ない袖は振れないから絶対に失敗できないな。
「依頼を連続10回達成しますと、冒険者ランク昇格です。達成する依頼回数は上位ランクのものでも同数とします。ただし、C級の昇格からは昇級試験がありますので気をつけてください」
「了解です」
「パーティに入られる場合、1番人数の多いランクに設定されます。B級3人C級2人の場合そのパーティーはB級パーティーとなります。」
パーティについてはなしだな。自由に動けないし、見せたくない技だってあるし。
試験があるのはそこまでなら簡単になれるからってことか。
「依頼には討伐、護衛、採取、特殊の4種類があります。討伐の場合、倒したモンスターの体の一部が討伐証明として必要になりますので、忘れずに持ってきてくださいね」
む、証拠が必要になるのか。収納があるから大量に持ってこれるな。
「では説明は以上になります。なにかご質問は?」
「いえ、ありがとうございました。」
受付嬢に礼をし、俺は依頼板へと向かう。その時後ろから酔っ払った男がふらつきながら近づいてくる。
「おいおい、こんなヒョロっちいガキが冒険者になるだと?冒険者舐めてんのかぁおい!」
テンプレきたー!?やっときたよ、待ってたよ君。どうやればみんなを脅かせるかな?
『威圧と武具作成を同時に放ってみればどうでしょうか?威圧は大体Lv9くらいで。』
りょーかいっ!
「なにか御用ですか?私は暇ではないので用がないならどいていただきたい。」
「あぁ、アイツ死んだな。」
「あれでもこのギルドトップだから俺たちゃ止められねーしな」
「馬鹿だなあのガキ」
散々な言われようだが負けるつもりは一切ない。
「ああん!?舐めてんのかってんだぁ!俺がオメェを大人にしてやるよぉ!」
うるさいな、ほんとに。
俺はかなりの威圧を込めて言った。
「はぁ、どいていただきたい」
ゴウ!と音がして俺の体からとんでもない圧の力が流れ出る。瞬間ギルドにいる人間の動きは全て止まり、静寂が訪れる。
酒を飲んでいたやつも依頼を探していたやつも誰もがこっちを向き息を止める。いや、息ができないと言った方が正しいか。
俺は収納から神聖剣アクティーナを取り出し奴の喉に向ける。ヒィ!と叫びながら後退しようとするが体が震えて言うことを聞かないらしい。身体中から汗が噴き出してやがる。
「下がれば死ぬぞ、貴様。」
(武具作成、対象周囲に展開!)
奴を囲むように100本もの神聖剣アクティーナが空中に展開される。あ、アイツ鼻水を垂らしながら気絶しやがったな!
「我が道を妨げ、殺されぬ温情に万謝せよ。いや、もう聞いておらぬか。」
俺は周りが唖然とした目で見てる中1人で依頼板に近づき依頼を探す。
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概要:粘体の核5つ納入
期限:8月5日まで
報酬:250ゼル
種別:討伐
依頼主:冒険者ギルドセーラ支部
難易度:F級
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概要:小鬼の討伐
期限:なし
報酬:討伐数×10ゼル
種別:討伐
依頼主:冒険者ギルドセーラ支部
難易度:F級
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概要:中鬼の討伐
期限:なし
報酬:討伐数×100ゼル
種別:討伐
依頼主:冒険者ギルドセーラ支部
難易度:E級
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概要:薬草採取
期限:8月10日まで
報酬:薬草数×30ゼル
種別:採取
依頼主:メイデン薬屋
難易度:F級
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森の中で薬草だけを探せるか?
『勿論です、簡単ですよ。』
「すみません、依頼は複数同時に受ける事は出来るのですか?」
「え、ええ、可能ですよ。それにあのゴジラさんを気絶させるほどの実力の持ち主なら簡単だと思いますよ。」
ゴジラとかネタかっ!?ヤベ、吹き出しそう。
「そうですか、では✳︎小鬼討伐と✳︎中鬼の討伐と✳︎薬草採取をお願いできますか?」
「はい!わかりました。ではカードをこの板にかざしてください。」
俺は言われた通りに冒険者カードを目の前にある水晶を削ったような板の上にかざす。そうすると銅のカードの裏に
✳︎小鬼の討伐F級
✳︎中鬼の討伐E級
✳︎薬草採取F級
と書かれていた。
面白い仕組みだなこれは。
「完了しました!では頑張ってきてください!」
ええ子や、ええ子や!お兄さんには眩しすぎるぜ。ともかく依頼を受けた俺は町の外へ向かった。門番のおっちゃんと少し話してから少し離れた草原に来た。
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その頃ギルドマスター室では
はぁ、まだ書類が終わらんのう。
誰かやってくれんか?と思いながらも妾は再びペンを取る。昨日押しかけてきた性別不明種族不明の女(男?)メイ、いや【夜叉】か。あやつがきてから面白くなりそうな予感がしてならぬ。
さてさてあやつはどんな物語を紡いでくれるのだろうか。
その時だった。昨日感じたものより少し弱い威圧を1階から感じたのは。恐らく妾以外動けるものなどおらぬだろう。
とてつもなく嫌な気配がしたので受付へ向かうと【夜叉】はタキシードを着た男の姿でセーラの街で1番強い冒険者であるB級のゴジラに対して威圧しているところだった。
それよりも嫌な気配は何処だと探しているとなんと【夜叉】の持っている剣ではないか?鑑定をしてみると
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�名�:�聖����ィ��
◾️��:S�
◾️効���������
��要:�の�����剣��つ。����������の������聖�����と���������剣����������ス�����。
���者:�ウ����ノ����ト��
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グッ!?鑑定結果に靄がかかるようじゃ!魔族にとってはかなり危険な武器なはずじゃ。いや、どう見ても聖剣じゃろ!なんでそんなもん持ち歩いてあるんじゃあやつは!
しかもそれが増えるじゃと?気持ち悪くなるのじゃ!妾は自分の部屋に逃げ帰ったところであの威圧が消え一息つくことができた。
「やはりあやつは規格外じゃのう」
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見渡すと所々草むらに小鬼が紛れているのを発見する。ま、先に薬草採取の方をやる事にするが。
薬草の知識とかないけど大丈夫なの?
『ええ、大丈夫ですよ。というか鑑定を使えばわかるではないですか。』
そうだね、お!あれじゃないかな?薬草がたくさん集まってるじゃないか。とっていいんだよね?
俺は直径3メートルくらいの円形に広がる薬草群で片っ端から薬草を狩る。かなりの量になったが、収納があるので問題はない。大体数百本の薬草を採取すると
『正確には438本です。』
どうでもいいわ!それより小鬼探しだな。という事で、魔力を薄く薄く伸ばして拡散させる。引っかかったな、小鬼どもめ!俺は新スキル天足で小鬼の元へ駆ける。
天足って何かって?剣術の派生らしく、縮地の進化verらしい。まぁとにかくめっちゃ速く走れるってこと。
小鬼を見つけたので巣穴を一網打尽にするために尾行する。隠密を発動しているのでバレる必要はない。
俺は気配を消したまま小鬼どもの巣へと足を運ぶ。




