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アンラッキーヒーロー29
しかし
宮部はようやく気付いた。
彼の持つ宿命と、山倉の大火傷
因果関係など、本当は無かったのだ。
火事を起こしたのは、カルト宗教の仕業だったのだ。
冷静に考えれば、宮部の宿命と火事とに関連があると考える方が不自然だった。仮に宮部が超能力のような不運の持ち主だとしても、事件を実際に起こしているのは犯罪者だった。
通り魔も、轢き逃げ犯も、放火犯も、宮部の超能力によって操作されたわけではない。彼とは全く関係ないところで、犯罪者を動かしている人間はいたのだ。
そう考えると、宮部は無性に腹が立ってきた。
宮部を散々悩ませてきた悲惨な事件の数々が、同じ組織による凶行だったのだ。今まで散々自責に暮れていたことを考えると、馬鹿馬鹿しいやら悔しいやら堪らなくなってきた。
宮部は考えた。彼は無力な若者だ。元々体力の無さに自信のあるほうだったが、数年の引き籠もり生活は更に彼から筋力を奪っていた。危険な連中を前にしても、何一つできずに死に至る確信があった。
しかし、だからといってこの場で大人しく待っているなんて選択肢はありえなかった。




