アンラッキーヒーロー20
「そいつはやがて、ある大きなヤマの捜査員に抜擢されることとなった。地球市民の会って、聞いたことくらいあるだろ?たかがカルト宗教のくせして、生意気にも海外に支部を持って政党まで抱えてるアレだ。海外名はGia's Citezen International、略称GCIだとさ。気取ってんじゃねえぜ寒気がするぜ本当によ。
黒い噂の多い連中だが、国政にまで手を伸ばしていやがるせいで、警察でさえおいそれとは動けねえ。てなわけで、雄志が秘密裏に動いてるってこった。警察だって捨てたもんじゃねえのさ。
でだな、そいつは妙なことに気が付いた。GCIどもはてめえらの悪事を批判したり世に晒そうとした人間を、亡き者にしようとしやがるんだわ。交通事故に見せかけたり、家に火つけたりな。そんな中に、奇妙な人物が現れた。奴らとは無関係なはずなんだが、なぜだかその若者の名前が頻繁に事件に絡んできやがんだ。第一発見者だったりで、しかも二度ならず三度とな。その名を『宮部国充』という……」
宮部は立ち止まった。
日凪には、まだ自己紹介もしていない。宮部の名前も苗字も知らないはずだ。
「……おいおい。もしかして、今までずっとオレの話をしてたってのに、気付かなかったのか?だいぶ露骨にやったつもりだったんだが…そりゃないぜ宮部くん」
日凪は呆れた声をあげた。




