19/40
アンラッキーヒーロー19
「そいつは一念発起して、警察官を志した。考えようによっちゃ、そいつにとって警官ってのは天職だった。何たって何も考えずにブラブラしてりゃ、事件に遭うんだ。こんなに向いてる仕事も、そうないわけだ。
そいつはたちまち人並み以上の事件に関わり、普通じゃ考えられないほどの検挙数を達成した。どう考えたって不運そのものだったそいつの人生は一変した。なんにせん、不運であればあるほどチャンスが増えるんだからな……」
日凪の下らない話を、宮部は話半分程度に聞いていた。宮部と似ているようで、全然関係ない話だった。その人は確かに警察官に向いているだろう。事件を自らの運命が生み出しているわけでなく、事件のあるところに何故か知らず知らずのうちに足を向けてしまうのだから。
だが、宮部は違うのだ。事件に居合わせてしまうのではなく、明らかに彼の運命が事件を増やしている。年に一度は恐ろしい事件に巻き込まれるなんて、確率的におかしい。日凪の話と宮部の苦悩は、全くの別物に間違いないのだ。




