アンラッキーヒーロー18
日凪の話は酷く馬鹿馬鹿しいと、宮部は歯牙にもかけなかった。日凪の話す人間と自分はちっとも似ていないと思った。宮部の周りでは、明らかに不自然に不穏なことが増えていた。ここ数年で爆発的に増えていることが、気のせいであるはずがないのだから。
「それで調べたところわかったんだが、そいつの住んでいた近辺の犯罪や事件は、特に多くも少なくもないっていうのが答えだった。
逆に笑っちまったことなんだが、近所で起こってたアクシデントに、そいつは片っ端から何らかの形で巻き込まれてたんだ。
つまり…そいつが疫病神だから事件が起こるんじゃなかったんだ。そいつの方から、たまたま意図せずそういうことが起こる場所に飛び込んでたってわけだ」
日凪は勝手に話を続けていた。宮部とは全く関わりのない人間のことを、ダラダラと話していた。
宮部はいつのまにか、日凪より先に歩いていた。中年のオジサンを連れて歩く自分を、我ながらシュールだと思った。
宮部は商店街を離れ、住宅街を突っ切り、港へと向かっていた。あの車のことが気にかかって仕方がなかった。無能刑事が何もしない以上、宮部が動くしかなかった。特に根拠はないが、あの車は何となく人気のないところに行くと考えた。
万が一に出くわしたなら、通報くらいしてやろうと考えていた。それくらいしか出来ない宮部だが、何もしないよりはマシだと考えた。




